コロンブドール

Les Films de la Colombe d'Or 白鳩が黄金の鳩になるよう人生ドラマを語る!私家版萬日誌

訃報 女優 長谷川裕見子さんのご冥福をお祈りします

2010-07-28 | La Colombe d`Or
     女優 長谷川裕見子さんが昨日27日早朝午前4時44分に永眠なされました。
      、心からご冥福をお祈りいたします。


 中村錦之助十三回忌記念映画祭では、東映時代劇での一色に染まらない幅の広い役を演じられている長谷川裕見子さんを観させて戴きました。また錦之助映画ファンの会の藤井氏から長谷川裕見子さんの様子を伺っていたのですが、予想もしない訃報を聞き驚いています。
やはり、今年二月に亡くなった娘さんが寂しく母を呼んだのかもしれません・・・。
 来月には、長谷川裕見子さんが出演している名作映画「大菩薩峠」の上映も控えていて、その内田吐夢監督作品上映 ー映画監督内田吐夢没後40年回顧 「命一コマ」巨匠・内田吐夢の全貌ー ではこの上映会を支援する一人に連名してます。長谷川裕見子さんの最後の女優としてのお仕事は、この内田吐夢監督作品の上映会支援のようです! この上映会開催中、長谷川裕見子さんが天国から見守って戴ければ幸いです。


 実は、私が脚本の形式と思い一番最初に長谷川裕見子さん一人二役で出演している「大菩薩峠 第一部」のシーン#146を手習いとして書式ベースを作った次第です。
その場面台本 S#146 植田邸

○ 縁 先
         お豊、心しみじみとお酌をする。
  竜之介「そなた、死んだ女房に瓜二つ・・他人の様な気が
        しない」
  お 豊 「まあ・・・では、その方がお浜様・・・」
         お豊、次第に感情が昂ってくる。
  お 豊 「竜之介様・・・」
  竜之介「(無言で見る)・・・」
  お 豊 「( 縋りつくように)お願いでございます、関東へおた
       ちの節、私もお供をさせて下さいまし」
  竜之介「関東へ・・・」
  お 豊 「私はもう、頼る人も、落ちつく場所もない女です。亡
       くなった奥様に瓜二つとのお言葉だけに縋りして・・
       ・・・」
  竜之介「(咳くように)それもよかろう。お豊どのが傍に居る
       ことで、拙者の剣が少しでも和げば、死んだ女房も浮
       かばれるかもしれぬ。」
  お 豊 「そのように云って下さって・・・お豊は、嬉しうござい
       ます・・・」
        胸が迫って、竜之介の膝に泣き崩れる。
  

 長谷川裕見子さんが、お浜とお豊の一人二役です。、自ら殺した妻お浜の面影を悲哀しつつ、お豊を慕う竜之介の様子がお豊を通して解かる場面で大好きなシーンですので手習い初めになった次第です。この形式に法りいつも脚本を書きます。故に、新しい脚本を書くときは先ずこの大菩薩峠 植田邸 縁先の場面の形式を使用するため、この場面から始まり、衆生輪廻し上書きされていきます・・・。
だがしかし悲しいかな、まだ作品にはなっていませんが、今まで関わってきた映画、ドラマの一部分には時たま採用されています。ーが・・・。更に悲しいことには、この脚本スタール形式の永遠のヒロイン 長谷川裕見子さんには直接お会いできる事もありませんでした。しかし、私にしてみれば大変近い方に思えてしかたがありません。
 またこの”瓜二つ”という一人二役からインスピレーションを得て、一つドラマも生まれましたー。
 この長谷川裕見子さんの名場面、在りし日のお姿とご功績を偲び銀幕でじっくり観て下さい。  合掌


       
         当時の「大菩薩峠 第一部」の台本のコピー S#146、147,148一部
 当時、長谷川裕見子さんがこの台本の文字と行間を読み解いて役を演じられたと思いますので掲載しておきます。
なお、この台本は以前に東映企画本部に保存していたものを、コピーして戴いたものです。 
  (当時の手書き台本では上記のように、一行28字になっていますが、
   現在ワープロ印刷台本では、一行32字になっていますので私も現在仕様32字にしています)



 
コメント
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