某ちゃんノート

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でもちょっと思った、ふと思ったこと

f植物園の巣穴

2012-07-14 | 読書メモ
f 植物園の巣穴」
  梨木香歩



以前「家守奇譚」を読んだ
百日紅の木に懸想されたり
亡くなった友人と会話をしたり

現実と異界の境界線があやふやで
ひょいと混じり込んでしまう
その感じが面白い
f 植物園の巣穴」もその種の作品だ
共通して登場するのは
草木といった植物

雨、池、川といった水
やっぱり日本的っていうか
身近にあって
導いてしまうんですな
今回のは
木の巣穴に落ちるんだ
アリス・イン・ワンダーランドだな~
しかも
いろいろ動植物が出てくる
ちょっと雰囲気があり過ぎて
恐かったりするんだ
そして
歯医者
歯医者に行って治療するんだよ
歯の治療って
音とか機具とか匂いとか
想像するだけで
異界に行けてしまうな。。。
主人公はなぜ異界へ入ってしまうのか
って思う
それは
必要だからなんだ
思い出したくない
忘れたい
そういう風に思うっていうのは
実は大切だったからなんだと思う
だから
思い出さないように
思い出さないようにしているが
忘れるわけはなくて
無くなるわけではなくて
見えなければいい

引き出しに放り込まれる
本当は
大切に仕舞環なければならないのだと思う
だから異界へ入って行ったんだ
そして
縁あるものと出会い
思いは辿り着く
彼は名前を与える
それはとてもとても清々しく
優しく
美しくて
感動的だった
温かい気持ちになりましたな。。。