朝六時はもう明るい。
鳥たちは北の国へと思いを馳せている。
ちらほらとソメイヨシノに花が付きだした。
丁度あの大通りの真上に日が昇っていたあの頃。
我々大国と同じやり方の人を助ける、と言って侵略は始まった。
従うのならあなたたちも助けてやると、かつてシベリアへ抑留し北方領土を掠め取った国が言っている。
やがて鳥たちは列を組んで帰って行く。
ウクライナ各地に居座っている同じ服を着た人達の思いは、何処にあるのだろう。
カラスがゴミを漁りだし、食い散らかされ散乱している。
うららかな日差しに揺れる花びらは、やがて散ることを気にしてはいない。
僕たちはお金を握ることで、誰によって多くの都市へ爆弾投下されたかなど忘れている。
本人を目の前にしたまま、カードは同じではない何かを感知して警告音を鳴り響かせている。