ヤスの雑草日記(ヤスの創る癒しの場)

私の人生の総括集です。みなさんと共有出来ることがあれば幸いです。

僕たちの多くは時代に取り残されよう、としている !

2007-10-09 23:35:58 | 政治経済・社会
○僕たちの多くは時代に取り残されよう、としている !

かなり前の新聞記事の内容を思い出した。それは確か以下のようなものだった。衝撃的というか、予測どおりというか、そんなアンケート結果が発表されていた。北大の準教授らによる学校の健康診断における精神状態の診断結果(うつ病)が、中学1年生ではパーセンテージにして約4.1%に達しており、大人の有病率が5%であるのと比べても、現代の中学生における精神疾患の発病率は大人とほぼ同じなのだ、と言う。嫌な予感が当たったという想いである。いずれにせよ大人にも青少年にとっても、一歩間違えば危ない世の中であることには違いない。

原因が分からないで、何故なのか? と苦悶しているのならまだそれだけ世の中がまっとうだ、ということである。しかし、もうこのような結果が出るのは現実の社会のシステムが証明している。なるべくしてなった結果がこれである。さらに言うとこの棲みにくい社会システムはどんどんと悪い方向へ向かおうとしている。21世紀という時代は、間違ったら立ち止まって後戻りする、という発想がまるでない。後戻りは時代の逆行だ、という泥沼の進歩?主義に犯されている。それも深く。まるでベトナムのジャングルで、あるいはアジアの密林の泥沼の中で、戦わずして疫病によって次々に倒れて朽ちていく、アメリカ兵や旧日本兵の姿に現代に生きる人々は似ていなくもない。

何度も書くが終身雇用制度という安全弁が脆くも外れた。会社は生涯懸けて働く場所ではなくなった。雇用されている側はいつもリストラや倒産の危険性と隣り合わせである。かと言って会社を渡り歩けば必ずキャリア・ダウンするのが日本という現状だ。安心して働ける足場がもうないのである。残業はあたりまえ。残業手当てが出ないという無慈悲で過酷な現実。消費税も上がる。勿論どのような世の中にも一部の所謂勝ち組の人々がいるから、その人たちにとって消費税が上がることなんてどうってことはないにしても、勝ち組に入れなかった人々はそういう人々を眺めつつ、指をくわえて見ているしかない。

いったい、いま、われわれの前に明るい材料などあるのか? もう絶望して笑うしかないのではないか? それにしても暗い笑い、だ。悲しい時代だ、と思う。だからと云ってはなんだけれど、僕の好きな作家の、ヘンリー・ミラーの作品の「愛と笑いの夜」みたいに、世界を少々突き放して視てみてもいいのかも知れない。

○推薦図書「殺される側の論理」 本多勝一著。朝日新聞社(文庫)。近代戦争を素材にした本多の優れた考察ですが、もはや時代は戦争並です。それが現代という時代なのかもわかりません。「殺される側」からの論理で時代を見返す必要がいまこそある、と僕は感じます。お勧めの書です。

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