千葉県野田市の職人魂の防水屋、必殺雨漏り修理人/職人社長の安藤です。
今回の現場は埼玉県白岡市です。防水工事の際に改修用ドレンの取付が必要になることがあります。特に雨漏りがしている場所の真上に排水口がある場合は、要注意です。
複数箇所の雨水の侵入口から一箇所へ雨漏り、というケースも結構多いのですが、その原因の一つが排水口だった、ということも多いので、防水工事の際は改修用ドレンを取付けたほうが良いかもしれません。
写真は、横型ドレン用の改修用ドレンですが、私の場合、既存が縦型ドレンであっても、横型ドレンであっても、横型ドレン用の改修用ドレンを使用しています。横型改修用ドレンにはジャバラホースが取付けてあります。これが重要なんです。だから、私は使用しています。
改修用ドレンには、縦型ドレン用と横型ドレン用があります。
簡単に説明すると、縦型ドレンは屋上、バルコニーなどの平場(床部分)に取付けてある。雨水を集めてパイプへ流す排水口。縦型ドレンは平場(床部分)にある排水口へ雨水がストンと落ちるイメージ。
横型ドレンは屋上バルコニーなどの立上り(床部分から垂直に立ち上がった部分、だから立上りです。)に取付けてあって、雨水は平場の高い所から低い所へが流れていくので、勾配の低い所にある排水口へ雨水が吸い込まれていくようなイメージ。で、どうですか。縦型ドレン、横型ドレン、イメージできましたか?
それでは、今回は既存の横型ドレンに横型改修用ドレンを取付けるので、取り付けを行う前の工程について説明をさせていただきます。
この写真は既存の排水口(横型ドレン)です。
ストレーナー(ゴミよけ)が取付けてあるので、まず、ストレーナーを取り外します。
ストレーナーはビス止めされているので、プラスかマイナスドライバーでビスを外します。潤滑スプレーをシュッ、と吹き付けてしばらく放置してからドライバーを回すと外しやすくなります。
次にもう一枚外さなければならないのが、写真のコイツです。屋上、バルコニーなどの防水層の上に保護コンクリを打設している場合、だいたい保護コンクリが上にのっているので、取り外すために、保護コンクリをサンダーでカットします。
サンダーでカットした後は、地味なハツリ作業が続きます。ハツリ作業は、力を入れすぎず、また弱すぎずです。もちろんマスクをして作業をしたほうが良いですね。粉塵を吸い込んだら後で困りますから。
このように取り外すことができれば良いのですが、なかなか取れない場合があります。そんな時はちょっと乱暴ですが、叩き割って外すこともできるので、必ず撤去をしています。
たまに雨漏り調査で見かけるのですが、コイツを撤去しないで、ストレーナーだけ取り外して、改修用ドレンを取付けている業者さんもいらっしゃるようですが、私は外しています。
取り外したら、金属ブラシで汚れを落とします。改修用ドレンをしっかりと取付けたいので、土、ホコリなどは残らないように注意をします。
刷毛で念入りに掃除をして、改修用ドレン取付の下準備が終わります。
写真は、今回、既存ドレンの撤去に使用した道具の皆さんです。サンダー、刷毛、バール、ドライバー、ハンマー、潤滑スプレーなどです。
改修用ドレンを取付ける前工程も重要な工程です。
防水工事とは、今日の仕事の上に明日の仕事が重なる工事です。工事が1週間続くであれば、それだけ多くの工程がある、ということになります。
初日に行う高圧洗浄からケレン清掃、防水下地処理、改修用ドレン取付、伸縮目地の撤去、シールプライマー塗布、バックアップ材の充填、シーリング、ウレタンプライマー塗布、通気緩衝シートの貼付け、脱気筒の取り付け、ウレタン防水塗布、トップコート塗布、の他にも各工程の中で、独自の工夫をすることがあります。
防水工事、と一口に言っても、細部にきめ細やかな工夫をした施工もあるので、例えば、ウレタン防水通気緩衝工法を施工したとしても、防水職人が違えば、当然、防水の品質にも差がつくわけです。
我々防水屋の仕事とは、施工に入った初日から細かい仕事の上に次の日の仕事が重なり、また次の日の仕事、また次、......と最終日まで続いていく、毎日の積み重ねによって最後の完成の時を迎えます。
防水職人は、現場に入ったその日から、良い作品を作るために最善の方法で全身全霊で作品作りに打ち込んでいます。
お時間がある時にでも、ご自宅の屋上、バルコニーなどの防水工事をご覧になってください。
防水職人の細かい工夫や、普段は当たり前のように見える防水工事の仕上りも、防水職人によっては、現場経験から学んだ技術を生かした施工をしているはずです。
当時の防水施工の様子を想像してみるのも結構、楽しいかもしれません。
それでは、また。
職人魂の防水屋/必殺雨漏り修理人
(2023.04.25)