千葉県野田市の必殺雨漏り修理人/職人社長の安藤です。
私達、防水職人は春になると、突然の強風で通気緩衝シートを貼ることができなくなり、菜種梅雨が続くと順調に進んだ工事がストップ、ウレタン防水の上に落ちた黄砂を拭き取ったりしています。
施工中、屋上から見ている桜はきれいだけれど、そいつがウレタン防水の上に舞い落ちると、きれいだとか、言ってる場合ではなく、1枚1枚除去しなければならない、・・・・・という余計な仕事が多くなる、。。。。。春。
防水屋にとって桜舞い散るこの季節は、なんとも複雑な気持ちになる季節でございます。
防水屋にも春には春のストーリーがあり、夏には夏の施工中のドラマがあるものです。
今回、必殺雨漏り修理人の雨漏り調査記録の中からご紹介するのは、埼玉県さいたま市のマンションの屋根防水点検調査ですが、ここにも防水屋の一つのドラマがあったようです。
それでは、屋根点検調査で撮影した写真を見ながら、どんな所が雨漏りの原因になっているのか、一緒に見ていきましょう。
こちらのマンションは3階建てで、ご覧の通り横に長~い建物でございます。この屋根は梯子を使用して上がらないとならないので、気楽に屋根の上を点検、という感じではありません。
みなさんもお気づきのことと思いますが、屋根の上に模様が見えますね。
この模様は良い模様ではありません。これは経年劣化でトップコートが紫外線にやられてしまったため、このような縞々模様ができてしまった、というわけです。
屋根が長いので、部分的に分割して屋根防水工事をやっているようですが、汚れ方が不自然な感じです。このラインはローラーで塗っているように水下の方向へ汚れのラインがついています。
トップコートを塗布する時はローラーで一方向へ塗っていくので、トップコートの塗り目かもしれません。
遠くの方に何かあります。木のように見えるあれは、誰かが植栽したわけでも、屋上緑化でもありません。排水口に勝手に生えてしまった植物です。排水口に生えてしまった植物をそのままにしておくと、防水層を破壊してしまい、雨漏りの原因になってしまいます。
植物の根は結構強いので、気をつけなければなりません。
防水層に穴がありました。この防水層は紫外線に結構やられていますので、この長~い屋根には複数箇所同じような穴がありました。
こんなに大きな穴は雨漏りの原因になってしまいます。一番上の防水はウレタン防水のようです。私が触っている白いひげのようなものは、不織布です。
ウレタン防水の下には黒いものがあってその下は防水下地です。黒いものは、粉々に砕けてしまったアスファルト、それとアスファルト系のルーフィングもありました。
・・・ということは、新築時にアスファルト系の防水が施工してあって、新築から10年後のメンテナンスでウレタン防水を施工したのか、10年後のメンテナンスが来る前にウレタン防水を施工したのかはわかりませんが、10年、20年でここまで劣化はしないので、30年位は経過しているのかもしれません。
屋根の水上には脱気筒が設置してあったので、ウレタン防水通気緩衝工法で施工したようですが、表面にやけに多いボツボツは、これはなぜでしょうか。
夏、ウレタン防水を施工している時に突然の雨でウレタン防水の表面が、このようにボツボツの状態になってしまうことがあります。
それによく似ているんですね。このボツボツ。
そこから推測できるのは、夏、ウレタン防水を施工中、突然の夕立ち、施工は中止か、または、ウレタン防水の施工が一段落して、「さて休憩でもしようか」、親方は新人に「おーい。〇〇、コーラでも買って来て」その後、コーラを飲んでいると、突然の雷と大雨。。。とか、いろいろ考えられるわけでございます。
雨が上がっても、その日の施工は無理なのです。
ウレタン防水が硬化してから施工をすることになります。ボツボツの上にもう1回ウレタン防水を施工して、ボツボツをウレタンで埋めてフラットにしなくてはなりません。その日の施工はこれ以上は無理なので中止。親方は「しょうがねぇな。また明日にするか。」。。。。と、いったような場面が見えてくるような気がします。
現場調査に伺った時、このような月面のクレーターのようなボツボツを見ると、くっそ暑い夏に施工をする防水屋のドラマが見えてくるような気がしますね。
屋上防水の点検調査、雨漏り調査の時に必要なのは、現場経験と専門知識ですが、さらに必要なのが想像力と直感力でございます。
雨漏りを解決するためのヒントになるであろう防水職人の施工中のドラマ。。。
雨漏り診断士であり、1級防水技能士でもある私は、昔、この屋上でこんなことがあったのかもしれない、を想像しながら、必要な情報を現場で一つ一つ収集し、雨漏り解決に生かしてしております。
それでは、また。
必殺雨漏り修理人/職人社長の安藤
(2023.03.28)