33.天山遯
遯は退く・逃げる・難を避けるの意味。恒としての永続性(延々と続く退屈さとか我慢ならない結婚生活など)からの脱却。引越し願望・関係の破棄・縁切り・別れ話を切り出す。今とは違う相手や環境でやり直すために感情を整理する。または、離れようとしても束縛が強くて抜けられず、もがいている状態。忙しい日常から抜け出して休暇を楽しむ。サボる。現役引退して第二の人生を歩みだす。社会から離脱して隠遁(隠居・隠棲)生活に入るなど。見方によっては責任放棄と受け取られることも。なお、今後の見通しもなく辞職すると、なかなか次の仕事にありつけずに家や財産を失う恐れがあるので注意が必要です。
陰陽反転は臨。外(上)卦坤の柔和さで内(下)卦兌の若い人を育む卦。後進育成がテーマで、未来(希望)に溢れる人々に憧れや夢を抱かせるようにリードしていきます。一方、遯は既に現役を退こうという状況なので、リーダーとは逆に裏方とか後方支援に回るか、今までの環境から出払おうとします。ただ、年齢的に次の職を見つけるのが困難だったり、今のポジションが生命線になっている人の場合、自分の居場所・地位・立場を固守しようとして汲々となりがちです。自分自身でも、また傍目に見ても未練がましくて格好悪いですが、仕方のない面もあります。でも、立場を固辞したり、天下りの批判を受けてまで自己保全することの意味がどれほどあるのか、一度、自問したほうがいかもしれません。
遯のテーマは“大切なものを守る”ということです。もし、突然の災害に見舞われたら何を持って逃げるか。家族・子供・お金やカード・通帳などの貴重品・精魂込めて成してきた仕事の成果・とにかく自分の命…など、人それぞれだと思いますが、遺しておくべきもの守る、もしくは持って逃げる。それはノアの箱舟と似ています。ノアは間もなく空前絶後の大洪水が来ることを予見し、それに対処すべく箱舟を建造しました。そして多くの人々や動植物、また培ってきた技術などを積み込んで、崩壊する大陸を尻目にエジプトなどの別の大陸に退避したとされています。これと同じように、これからの自分にとって、そして周りの人々にとって最も大切なものを遺すために今何ができるか、ということを考える時期に来ています。そして遯で準備が完了したら、次の大壮にて脱出を果たすわけです。
綜卦の大壮は、遯による退避の姿勢が顕著になり、今まさに実行段階に至った状態です。この大壮で踏み止まるか、次のステージに飛び出していくかの最終的な判断を下します。しかし、前段階の遯で大体の考えはまとまり、ほぼ感情も整理できているので、大壮では単に意思を確認するだけかもしれません。瀬戸際での攻防や、せめぎ合って膠着している事態に発破をかける、という感じ。多くの場合、勢い付いた大壮を止めることは不可能か、容易ではありません。それに、いずれは飛び出すことになるでしょうから。要はタイミングの問題です。勇み足を戒めたり止めるにしても、それは既に事後だったり一時的なものだったりで、根本的に意欲が消失することはまずありません。
シンメトリー関係の既済は、物事が終わりを迎え、規模の大小に関わらず何かが成就した状態です。仕事の達成など一つの完成形に至り、後はこれを捨て置いて次へ向かうか、衰えないように水準を維持していくか、という段階。でも、何かを達成したことによって張り詰めていた気持ちが緩んでしまうとズルズルと衰退してしまうことも少なくありません。体力・気力・モチベーションを保持するために最高度の集中と緊張を自分に強いる傾向。プレッシャー(高い目標)を自らに課して奮起するなど。しかしそれは多分に負荷が強く、吐き気を催すほどです。特に、年齢的な限界を感じている人の場合、過酷なトレーニングで心身を痛めないように気をつけるべきです。できる範囲で工夫を凝らしたり、シフトチェンジすることも考えた方がいいでしょう。
遯および既済は、屯・晋から29番目なので、4巡目の2(2→11→20→29)です。2は陰数なので基本は内向性ですが、巡る度に反転していくので、4巡目では外向性の性質を帯びます。また、29は単数は2ですが11も包含しているため、こちら側とあちら側という対比がまずあって、そこで悩んだ上で2としての選択を行うことになります。遯では今の環境から身を引くことを考え、既済ではどこまでも高い水準を保とうと躍起になったりします。その後、次の30で意志表現が明快な行動として現れるわけですが、まずは29で各々の卦における責任の果たし方を決めることになります。
<爻意は後日、追加更新します。>
遯は退く・逃げる・難を避けるの意味。恒としての永続性(延々と続く退屈さとか我慢ならない結婚生活など)からの脱却。引越し願望・関係の破棄・縁切り・別れ話を切り出す。今とは違う相手や環境でやり直すために感情を整理する。または、離れようとしても束縛が強くて抜けられず、もがいている状態。忙しい日常から抜け出して休暇を楽しむ。サボる。現役引退して第二の人生を歩みだす。社会から離脱して隠遁(隠居・隠棲)生活に入るなど。見方によっては責任放棄と受け取られることも。なお、今後の見通しもなく辞職すると、なかなか次の仕事にありつけずに家や財産を失う恐れがあるので注意が必要です。
陰陽反転は臨。外(上)卦坤の柔和さで内(下)卦兌の若い人を育む卦。後進育成がテーマで、未来(希望)に溢れる人々に憧れや夢を抱かせるようにリードしていきます。一方、遯は既に現役を退こうという状況なので、リーダーとは逆に裏方とか後方支援に回るか、今までの環境から出払おうとします。ただ、年齢的に次の職を見つけるのが困難だったり、今のポジションが生命線になっている人の場合、自分の居場所・地位・立場を固守しようとして汲々となりがちです。自分自身でも、また傍目に見ても未練がましくて格好悪いですが、仕方のない面もあります。でも、立場を固辞したり、天下りの批判を受けてまで自己保全することの意味がどれほどあるのか、一度、自問したほうがいかもしれません。
遯のテーマは“大切なものを守る”ということです。もし、突然の災害に見舞われたら何を持って逃げるか。家族・子供・お金やカード・通帳などの貴重品・精魂込めて成してきた仕事の成果・とにかく自分の命…など、人それぞれだと思いますが、遺しておくべきもの守る、もしくは持って逃げる。それはノアの箱舟と似ています。ノアは間もなく空前絶後の大洪水が来ることを予見し、それに対処すべく箱舟を建造しました。そして多くの人々や動植物、また培ってきた技術などを積み込んで、崩壊する大陸を尻目にエジプトなどの別の大陸に退避したとされています。これと同じように、これからの自分にとって、そして周りの人々にとって最も大切なものを遺すために今何ができるか、ということを考える時期に来ています。そして遯で準備が完了したら、次の大壮にて脱出を果たすわけです。
綜卦の大壮は、遯による退避の姿勢が顕著になり、今まさに実行段階に至った状態です。この大壮で踏み止まるか、次のステージに飛び出していくかの最終的な判断を下します。しかし、前段階の遯で大体の考えはまとまり、ほぼ感情も整理できているので、大壮では単に意思を確認するだけかもしれません。瀬戸際での攻防や、せめぎ合って膠着している事態に発破をかける、という感じ。多くの場合、勢い付いた大壮を止めることは不可能か、容易ではありません。それに、いずれは飛び出すことになるでしょうから。要はタイミングの問題です。勇み足を戒めたり止めるにしても、それは既に事後だったり一時的なものだったりで、根本的に意欲が消失することはまずありません。
シンメトリー関係の既済は、物事が終わりを迎え、規模の大小に関わらず何かが成就した状態です。仕事の達成など一つの完成形に至り、後はこれを捨て置いて次へ向かうか、衰えないように水準を維持していくか、という段階。でも、何かを達成したことによって張り詰めていた気持ちが緩んでしまうとズルズルと衰退してしまうことも少なくありません。体力・気力・モチベーションを保持するために最高度の集中と緊張を自分に強いる傾向。プレッシャー(高い目標)を自らに課して奮起するなど。しかしそれは多分に負荷が強く、吐き気を催すほどです。特に、年齢的な限界を感じている人の場合、過酷なトレーニングで心身を痛めないように気をつけるべきです。できる範囲で工夫を凝らしたり、シフトチェンジすることも考えた方がいいでしょう。
遯および既済は、屯・晋から29番目なので、4巡目の2(2→11→20→29)です。2は陰数なので基本は内向性ですが、巡る度に反転していくので、4巡目では外向性の性質を帯びます。また、29は単数は2ですが11も包含しているため、こちら側とあちら側という対比がまずあって、そこで悩んだ上で2としての選択を行うことになります。遯では今の環境から身を引くことを考え、既済ではどこまでも高い水準を保とうと躍起になったりします。その後、次の30で意志表現が明快な行動として現れるわけですが、まずは29で各々の卦における責任の果たし方を決めることになります。
<爻意は後日、追加更新します。>
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