【枕草子】第一段 秋は夕暮れ・・・清少納言
清少納言が「枕草子」の中で「秋は夕暮れ夕日のさして山の端、いと近うなりたるに、からすのねどころへ行くとて、三つ、四つ、二つ、三つ、など飛び急ぐさへあわれなり、まいて、雁などのつらねたるがいと小さく見ゆるはいとおかし、日入りはてて、風の音、虫の音などはたいふべきにあらず」
〇あわれなり=しみじみと趣き深く感じること。
〇をかし=風情があること。
〇=はたいふべきにあらず=言い表しようもないほどステキなこと。
名文ですね。清少納言はその季節における最も情趣のある事柄を「時間」という観点から切り取っています。秋は「紅葉」が一般的な表現ですが、「夕暮れ」という時間を切り取った自然を取り上げています。これが清少納言の目の付け所が素晴らしですね。
「花かざり 春のみ山のあけぼのに想いわするな秋の夕ぐれ」
秋の夜長には日本の古典を読むのもいとおかし・・・・