【枕草子】清少納言が憎らしく思うものとは?「にくきもの②」朗読現代語訳あり【 フリーアナウンサー島永吏子】
「春はあけぼの・・・」などから軽く明るいイメージのある枕草子ですが実は後ろ向きな発想に満ちています。”見苦しきもの””いみじう心づきなきもの””とりどころなきもの””えせものの所得るをり”といった章段が目白押しにでてきます。極め付きは「にくきもの」です。「にくきもの~なでふことなき人の、ゑがちに物いたう言ひたる」「イラッとするもの~たいしたことのないくだらぬ人がしきりに笑顔でしゃべり立てる様子」「急ぎの用がある時に来て長話をする客」「出入りする戸を閉めない人」などアルアル・・・現代でも身近に感じることありますね。清少納言はこのような憎らしい人の不幸を喜ぶ自分を佛罰が当たるのではと・・・内心恐れているのではないのか・・・主家が没落した後に書いた「枕草子」。人の冷たさや裏を味わい盡した末の凄みが軽さの筆の中に秘められいるようです。