落ち葉の舞う季節_木管3重奏版.m4v
紅葉も見ごろが過ぎ12月に入り今年も残り少なくなりました。古人たちもこの時期になると、華やかな紅葉の景色を惜しむ風情を和歌に詠んでおります。これぞ日本人の心はないでしょうか・・・時雨によってもたらされる冬の余情の和歌があります。
〇=「竜田川もみじ葉流れる神奈備(かむなび)の三室の山の時雨降るらし」 詠み人知らず。
〇=「木の葉散る宿は聞き分くかたぞなき時雨する夜も時雨せぬ夜も」源 頼実
時雨(しぐれ)は冬の入口にある寂寥の情緒です。時雨に散る紅葉は絢爛として美しすぎ、冬の歌に入りにくいのです。が、西行も俊成もこの歌の趣を踏襲しています。
〇=まばらなる真木の板屋に音はしてもらぬ時雨や木の葉なるらむ」俊俊成。 頼実が板屋に散る落ちる木の葉の音と時雨がハラハラと降りかかる音をどちらも聞き分け難いと楽しんだ風雅の心は日本人のわびの心を先取りした一首でもあります。もうすぐそこまで冬の足音が聞こえてくる季節になりました。