今年を振り返る…

もう年の瀬だなんて…

でもそんなことは毎年思うことであって…

それにしても早く感じる…


今年の1月2月って何やってたっけ…

記憶が…

体調悪かったっけ…風邪で咳が辛くて…

文化庁の面接があって、フランスに行けるかどうか…そんな感じだったかな～

3月は…もしかして「兄弟」…

「兄弟」は今年か…


と、時間経過やらなんやらが何がなんだかよくわからない状態でして…


そのあとに「検察官」か…

芸能花伝舎の体育館の広い稽古場で稽古したっけ…

ベリャさん元気だった…

そして九州公演。

熊本で地震があって、日程が変更になりながら…

各地で歓迎されて…

ベリャさん楽しそうだったな～

海に何回行ったんだろう…

これも今年か…


そして「月光の夏」

何ヵ所か地方へ行って…


そしてフランスへ

そして4か月が経ち…

早い！早すぎる！

今は1学期が終わり休み期間。

レッスンの最後の日は地元のお客さんを入れてギリシャ悲劇を披露。

しかしこれはフィリップが良いと言われたものしかやれない…

そう、ほとんどの人がその舞台に上がれなかったのだ…

これは厳しい…

そんな中、俺はやらせてもらったのだが、

緊張感ある中でそれなりにはやったのだが、

お客さんを入れることや、こんなに少人数になるとか、まったく知らなかった(知ったのは1週間前)ので悠長にかまえていて…

他のギリシャ悲劇も色々とトライしてやりたかったな～、もっとできたよな～と反省…

次に生かそうと思う。


来年もこうやってあっという間に過ぎていくのだろうか…

まあ精一杯生きるしかできないけども。


と、なんだか単純に振り返っただけですけども、

密度の濃い一年でした。

来年も濃い一年を過ごしたいと思う。


応援してくださる皆さま、本当にありがとうございます！

フランスで楽しくやっています。

来年も気にかけてくださると幸いです！



南保大樹

出逢いがあれば……ベリャコーヴィッチ

言葉を紡ごうと思う…


怒られた…いや怒鳴られた…

真っ赤な顔をして大声をあげて向かってくる…

身体全体で怒りをぶちまけてくる…

恐ろしいよ…

そんなに怒んなくったって…

すぐできないことだってあるじゃん…

許してくれなかった…

なんとかしなくちゃ…

ありったけのエネルギーを出してやろう…

とことんまでやった…


子供のような笑顔で「これから海に行く」って…

たまたま旅先ですれ違って…

こっちは身体も精神もボロボロなのに…

でもその笑顔に癒される…


その時にならないとどこを稽古するのかわからない…

すると思いもしない場面をやり、新しいアイディアに驚く…

チェンジは当たり前…

発想力は無限だった…

何度も驚かされた…


演じてみせる…

今でも心に残っているのが「どん底」のサーチンの最後のセリフ…

「人間…」二段ベッドに上がりやってみせた…

ハンパなかった…感動した…

そして同じ「どん底」のアンナの死ぬシーン…

死を前にして生きたいパワーが溢れながら死に向かう…

涙が出そうになった…


「検察官」の九州公演ラストで最後の検察官役の代役をやった…

1分くらいのシーンでセリフも1行…

出番前の袖でそわそわと落ち着きがない…

声を出したり咳をしたり…

舞台に出る恐ろしさを知っているんだな…


来年ユーゴザパト劇場は40周年を迎える…

そのことを何度も言っていた…

誇らしいのだろう…

実際凄いことだ…

そこに駆けつけたいと言ったら「泊るところは心配するな俺の家に来ればいい」と言ってくれた…

「俺の家は寝室が10部屋あって…」と少し自慢が入りながら嬉しそうだった…

泊まりたいよ…

ロシアで逢いたいよ…

あなたの誇りを祝いたいよ…


ワレリー・ベリャコーヴィッチ


衝撃的な出逢いでした…

衝撃的な毎日でした…


いま俺はフランスにいます…

あなたの訃報を聞いてからなんだか力が入りません…

毎日のレッスンもやろうと頑張るけど実が入らない…

でもそろそろ切り替えてありったけのエネルギーを出そうと思う…

そう…あなたに怒鳴られたときのように…


ありがとう、ベリャさん。

ここ10年間のあなたとの冒険は生涯の宝です。



ハムレットダイジェスト映像↓
ベリャコーヴィッチがクローディアス。
YouYube→https://www.youtube.com/watch?v=ZwvSxGyQ_Jc













南保大樹