古文書に親しむ

古文書の初歩の学習

第十七章 潮岬会合 その四十

2013年04月15日 06時19分48秒 | 古文書の初歩

 

潮岬会合「奉行返答」第二ページ、上の画像の七~八行目

解読 内之者持参候得、急田邊江上り候得与不申候ハゝ

    無用ニ候。 恐々謹言

読み 内の者持参候え、急ぎ田辺へ上り候得と申さず候わば

    無用に候。 恐々謹言

解説 (田辺)「内の者持参候得」・・・そうらえで切れていますが、ここの読み方は私の先生は、「候」で切り、「得急」と読んでいます。「特急」の当て字か。「串本町史」では「候得」とそのままにしており、「串本の歩み」では「候えば」と「は」が脱字と読んでいます。私も最後の「候えば」が文の流れからは、良いと思っています。 「急」は「急ぎ」。 「田邊」・・・「邊」の字はは欠けています。 「候得与」・・・候えと。「与」は変体仮名の「と」。 「不申候ハゝ」・・・申さず候わば。 未だ田辺領内の者が我等の書状を持参すれば、急いで田辺へ来なさいと言わないので、必要は無い。 この辺は手に負えません。恥ずかしながら、意味は分かりません。お許し下さい。 「恐々謹言」・・・『きょうきょうきんげん』手紙の最後に書く丁寧な挨拶の言葉。