DEEPLY JAPAN

古い話も今の話も、それでもやっぱり、ずっと日本!
Truly, honestly, DEEPLY JAPAN!

豪州アボット首相あっけなく退陣

2015-09-15 00:19:45 | 太平洋情勢乱雑怪奇

いやいやいや、おとといこれ

英労働党、強硬左派コービン氏を党首に

昨日は、ドイツで

ドイツ・メルケル与党CDU内で異変

そしたら今日は、オーストラリアでアボットが蹴落とされていた。

オーストラリアのアボット首相、党首選で敗れ退陣 マルコム・ターンブル前通信相が新首相に
http://www.huffingtonpost.jp/2015/09/14/turnbull-defeats-tony-abbott_n_8133354.html

 

どうやって1日で党首交代、首相交代になったかというと、

  • 朝、アボット内閣の閣僚だったターンブル通信相が閣僚を辞任し、党内で副首相と共にアボット氏のリーダーシップは信用できないと言いだす。なんといったか不明だが意味的には「不信任」ということらしい。
  • 数時間の内にアボットが自由党のリーダーシップについて投票を行う旨を告げる(つまり党首選を自分で決定した)
  • そこで44-55でターンブル氏が勝って、アボット退陣が決定
  • ターンブル氏は、第一党の党首となったので、オーストラリア総督に宣誓をして首相となる。現在はまだ臨時の首相扱い。

ということらしい。

このへんは、本家イギリスの報道を参照した。同じ議会制度だから。

イギリス系統の議会制度において不信任というのは非常に強い意味を持つというのは承知していたけど、こういう風にも使えるのかぁとちょっと驚いた。いやしかし、与党議員が信任していない者を党首にはできない、まして首相をや、と言われりゃその通り。しかし、党内の不信任から党首選となって首相交代って珍しいケースではないのか?どうなんだろう?

ついでに、ターンブル氏はリパブリカンだそうなので、総督の任命が必要というのは皮肉だね、とTelegraph誌は書いていた。リパブリカンとは共和主義者のことで、王様不要の人と一般的に理解されているようで、カナダの閣僚にもいた。

さらについでに、アボット氏は、そもそもずっと不評で今年2月にも(正式な方の)不信任案を出されていたがそれはなんとか回避していた。しかしその後もず~っと支持はまったく回復しなかった、とオーストラリア自由党の人は言っている。

しかし、ここに面白いことがちょっとあって、支持率が低迷していたといっても30%以上は出ていた。だからこれは劇的に低いとはまでは言えないだろう。しかし、それでも自由党はアボットでは来年の総選挙には勝てないと踏んでいるようだった。次に強いのは労働党で、こっちが強くなってきているとは確かにいえるのだが・・・。

なんでしょう。これは私のカンだけど、多分、アボットはメディア王ルパート・マードックがかわいがってることで知られているってのが味噌ではなかろうか。つまり、メディアの露出でアボットは下駄を履かされていたが、実際の支持はもっと低い、ダメだ、とみんな知ってるってことではなかろうか?

いやいや、面白いことになってきました。政治はちゃんと動かさないとダメっすよね。

 

■ 一方日本では「作法」が重視されていた

一方日本では、今日の国会で、山本太郎氏が非常に興味深い質問をした。

日米地位協定が本質的に変わっていないことを問題にして、彼はこの条約を「売国条約」と呼んだ。

山本太郎vs安倍晋三9/14再び一騎打ち・沖縄編【全16分】
https://www.youtube.com/watch?v=IP95RO0PZm8

すると、与党自民党のおっさん方が議長席に詰め寄り、議長の鴻池氏は、これはいかんやろとたしなめる。質問はなんでもしていいけど、これは不適切、作法は守れ、作法は、と言い、後日この部分を精査するんだそうだ。(精査して理事会でこの部分を議事録から削除する、になると予想)

思わず、笑ってしまった、私。

不適切ってなんでしょう? 地位協定を後生大事に守ってるがごとき状態の方がよほど不適切ではないのか?

さらに、与党議員が委員長席に寄っていく様は、チンピラが出て行って、おいおいおい、そんなことゆっていいんかいのー、みたいな感じなのだがこの人たちは何に激怒しているのだろう? 安倍ちゃんの腰ぎんちゃくみたいな見るからにパーな顔をした議員など、山本太郎にガンを飛ばしてる。

つまり、中身がどうしたじゃないわけね。「けしからん」という罪で山本太郎を「へこまそう」なわけだね。

しかし、そこがチンピラのたまり場ではなく議会であるならば、なぜそれを売国条約と呼ぶのかと詰問し、その上で、自分は売国条約だとはまったく思わない、なぜなら理由1、2、3だから、とやらないのか。

できないわけだよね。自信もないだろうし、党内とかどこかエライ人に怒られるのが怖いから。

そして、おそらく、もし仮に、A議員、あなたはこのあたかも主権を売り渡したような状態を遺憾である、直していかなければならない、できないのなら自分たちは売国奴と言われても仕方がないとは思いませんか、と尋ねられたら、ほとんどの与党議員(+与党になりたいだけの議員)は、正面から答えないだろうと思う。

そうした言い方は、過去にこの条約に携わった方々への無礼であります、だの、不適切なものいいであると認識しますのでお答えは控えさせていただきます、何事にもマナーというものがございまして、だので終わりになるだろう。

一体この人たちは何をしているのだろう? 

私は山本太郎は嫌いだし、小沢も大嫌いだが、この問題に光をあて、マズイことなのだという判断を示した勇気は買う。


本当は憲法より大切な「日米地位協定入門」 (「戦後再発見」双書2)
前泊 博盛
創元社

 

戦後史の正体 (「戦後再発見」双書)
孫崎 享
創元社

 

 


コメント (3)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ドイツ、国境での検問導入 | トップ | シリア情勢大詰めみたい(何... »
最新の画像もっと見る

3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
クレバーな政権転覆 (ブログ主)
2015-09-15 23:20:11
政権転覆っていうのもどうかとは思いつつも、しかし実際にはそれに近いですよね、オーストラリア。つまり自由党が手遅れになる前にアホを引き釣り下したんですよね、あれ。責任ある党じゃないですか!
返信する
『NATO下請政権の転覆』 (ローレライ)
2015-09-15 17:29:42
『米軍肩代わり派』には『不都合な政権転覆』だから、あまり日本だと報道するされない。
返信する
『日本が植民地状況』なのは秘密扱い? (ローレライ)
2015-09-15 11:49:02
日本が『革命前の中国』と同じだと言うのも『国家秘密』扱いですね。
返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

太平洋情勢乱雑怪奇」カテゴリの最新記事