日曜日に第一次世界大戦の停戦を記念する日があったが、その式典は60カ国のリーダーたちが集まっているというのに、活発な外交の場とならず、ひたすら式典をやっていたようだった。
わけても、米露の首脳が会ったわけだが、会談をさせられなかったようなのが、プーチンによって言明され、ロシアメディアの出方を見るに、何か抗議しているっぽいかった。
要するに、またまた、トランプとプーチンを対談させまいとするおバカな試みがあったように見える。そして、この間はヘルシンキで会っちゃったのでもう続けさせないぞということなのだろうか。
そこで、そうやって勝手に仕切ってマクロンの一人舞台にした式典で、マクロンがスピーチをしているのだが、その間、各国の人たちは実に退屈そうで、居眠りしたり、ついにはマジであくびをする人までいる。そしてトランプは、一体何を言っているんだこいつは的にイヤホンを耳にしたまま渋い顔のまま。
Moroccan king power naps during Macron’s WWI centenary speech
マクロンは、ナショナリズムとパトリオリズムは違ってて、ナショナリズムはパトリオティズムを裏切る、みたいなことを言って、得意げだった。
もちろん、英米のリベラルメディアがわ~っとくいついて、そうよそうよトランプとプーチンに言ってやって、と喜んでいたのは昨日月曜日。
火曜になると、上で見たようにRTが糞詰まんない様子をばらし、
トランプは、フランスぐらいナショナリズムの国はないだろうとやり返す。
いや~、みんな知ってる!!! でしょう、ほんと。
そしてもう一歩踏み込むトランプ。まさしくこんな感じ(RTから)
ざっと訳すとこんな感じ。
エマニュエル・マクロンは欧州を米国、中国、ロシアから守るために自前の軍を作ると示唆している。しかし、第一次も第二次も、守らなければならなかったのはドイツからだったわけだが…。フランスはどうできたっていうの? 当時、フランス人はアメリカ軍が現れる前にパリでドイツ語を習い始めていたんだよ。(ということで)NATOのために金払うか払わないのか!
大笑いした。
まあ、これって、アメリカ人とフランス人の間だからこそ言えることではある。フランス人は第一次も第二次も、いやそうじゃない、どの戦争も援護してもらってばっかりだろ、お前!!! としばしばアメ人は言う。
にもかからず、マクロンは一人で偉そうなことを言い、ドイツのメルケルばーさんと俺たちずっと仲良し的に一緒に欧州軍を作りましょうとか言ってる。マクロンはババ専なんだろうな、きっと。
いやそれはともかく、マクロンとメルケルという、誰でも知ってる欧州寡頭勢力のパペット(繰り人形)が勝手なことを言って、世界情勢を好転させる気なんかまったくないことを、ロシアが怒るのはまったく理解できるが、トランプも参入していることが興味深い。
やっぱりこの際、フランス、イギリス、ドイツあたりを含めてものを考えるべきでしょう。これらの国々に巣くった寡頭勢力こそこの200年かそこらのガンだと。
アメリカが悪いというのは簡単。イスラエル、サウジをなじるのも簡単だし理由もある。が、この200年、殊にこの100年、不和を焚き付け、火種を作り、メディアを支配して国連を支配してという仕組みを作った最大のプレーヤーたちは欧州とアメリカを行き来してる一群。
考えてみれば、第一次世界大戦というのは欧州の没落のモメントだったので、欧州の一般人が心を痛めるのはわかるが、パペットどもに同情する義理はないし、パペットの後ろのいる人たちの利益を追求してやる義理はさらにない。
そして前から何度か書いてるけど、今って実にスエズ危機っぽい。
■ 偉そうにしなかったトランプ
で、トランプはアメリカの大統領なわけですよ。アメリカというのは、第一次世界大戦で欧州戦線が長引き、そこにアメリカが大量に物資を供給し、その対価として欧州の金貨がアメリカに大量に移ったことをもって、もうアメリカの世紀だ、となった。
つまり、第一次世界大戦こそアメリカを優位に立たせたイベントではあるわけ。アメリカ軍に犠牲もあったけど、欧州側から見たら実に小さな犠牲。しかし、このやり口にアメリカで従軍した人たちから疑念がもちあがったとみえて、そこから、戦争なんてのは大金持ちを儲けさせるだけだ、という話が広がる。この態度が後に、第二次世界大戦に入る前、ルーズベルトは真珠湾がなければアメリカを参戦させられなかっただろう、という話に繋がる。
で、トランプが米兵士のメモリアルのところでやってた短いスピーチを聞いたけど、戦線に送り込まれて二度と家に帰れなかった兵士のみんな、よく働いてくれました、ありがとう、という基調の非常に簡素なものだった。
CBSのサイトに動画が埋め込まれてる。
これは、例えばブッシュだったら、アメリカの犠牲によって自由と民主主義の世界がもたらされた~とか大騒ぎしたんじゃなかろうか。全然そんな理由で大戦争やったわけじゃないんだけど。
クリントンでも同じ。そう、ブッシュとクリントンって外交方針において何も変わるものがない。オバマは説教が長いだけのブッシュ。
ということで、トランプにも問題は大ありだし、軍産、ネオコン、リベラル介入主義者は死んだわけではないのだが、ブッシュ&ヒラリーでない世界は少しづつ現実になっているかもしれないと思わされるイベントだった。
もちろん、そうであるからこそ、永遠に戦争を続ける、それしかないのだ、という方針の狂った永続戦争論者がなんとかしてこのトレンドをひっくり返そうと、ゾンビのヒラリーを持ち出すということなんだろう。
ヒラリー、メルケルというババ・ナチの帰趨はいかに?
アサンジは今、どうしてるの?
アサンジ周辺はこの1ヶ月ぐらい、なにやらへんな様子があって(あの部屋に侵入者が入ったようだ、とか)緊張が高まってたけど、一応多少は鎮静化された模様。で、地元オーストラリアとかロンドンの人たちが再び声をあげている、といったところ。
アメリカ人のトランプ支援者が、アサンジありがとう、彼を救い出すべき、といった声を散発的にあげたりはしてる感じはあります。
忘れないで時々書く必要がありますね。思い出させてくれてありがとう!