どうもいろいろ不穏な感じの世の中になってきた。Brexitしたはいいけど、イギリス政界が保守党も労働党もゆれゆれで、本当にEU離脱を遂行できるのか否かもはや誰にもわからないって感じになってきた。
で、EU残留こそ正義という派には主要マスコミ、とりわけBBCがついているので、あきらかにBrexitは間違いだったという世論作りをしている。誘導という穏やかなものではなくて、ぶちぎろうとしている感じ。
しかしここまでなら報道統制好きの日本のフェーズと同じなんだけど、違うのは、どうも英米、ドイツ他の欧州各国では、主要メディアなるものが要するに各国で起こってることを報じる機能じゃないんだ、ってなことに気付かれてしまったことでしょう。だから、主要メディアがいろいろ言っても、聞かれてないというより、そう来るならこうすべし、みたいな態度に傾いている人たちが多数になってきているような感触がある。
また、そもそもBrexitは、BBC他のお高く止まってるリベラル勢は確かに反対で、離脱に導いた主要な戦力は左右を問わず「下々」だったというのは間違いではないんだけど、でも、ではUKの「上」がまったく関知していなかったかというとそれも違うと思うわけです。
長々お付き合いいただいている人はいろいろ記憶されているかもしれませんが、ウクライナ、シリアの問題の中で、イギリスが微妙なところで微妙なことをしていることは確かにあったわけで、何か画策してんだろうな、というところは確かにあるわけです。
私はそれを、主権国家の問題を第一に思って見てる。欧州側のEUというのは、自由貿易だのへちまだの言ってるけど、底意は政治統合だから。このまま行くと政治統合して、いずれは欧州軍を創設してという話になると、当然外交も一元化されてしまう。ってことで、UKは足を洗いたいと思っていたのではないか、と考えることはまったく無理ではない。
つーわけで、まずはNATOサミットを楽しみにしましょう。
■ 主要メディアは外の人
あいばさんの今日のお話。田原総一郎がEU離脱問題を、あたかも間違いだったかのように書きつらねている記事を解説されていた。
邪悪な思考停止族 “反グローバリズム”を「悪」と言い切る論者たち
http://blog.goo.ne.jp/aibatatuya/e/e521dca1357170bb52b0b9dd23dea308
で、思うに、このへんの国を代表するジャーナリスト(優秀か否かってことじゃなくて)って人たちは、そもそもここ何十年かグローバリズムの浸透のために働いてたってことじゃないですかね。国内世論を誘導させるために選ばれた何人か何十人かってのがいる、と。
前にも書いたけど、主要メディアの人って、必ずしも国家に規制されてないんだと思うんですよね。つまり、国家を超えた指示ネットワークの中にいる人たちなんだと思う。
今般のBBCなんかがいい例でしょう。国民とその国を代表する政党は結構ぶれぶれなのに、代表的な報道機関だけが自信を持って主張してる(笑)。
日本も、もし国民の声を聞き分けようと思ったら、原発にしても基地にしても、国民が知りたいと思ってるネタはいくらもあるわけですが、代表的な新聞各紙はまったくやる気がない。なかったことにしてる。
そして、あの糞広いウクライナとロシアの接続地帯に戦車が2台見つかったという、よく考えれば考えるほどどうしようもなくアホらしい話が、半日もしないうちに世界中の主要メディアのヘッドラインに登場する。
異常な状態だと思う。
これは、世界の主要メディアは、各国政府および各国国民以外に忠誠を誓っている、ってな状況を如実に表してると思うのね。
ということで、今後は、各国の政府と国民との戦いのうちに、主要メディアとの戦いっつーフェーズが来るんじゃないですかね。ここがつまり、グローバリズム教の司祭層って感じなんだと思うんです。
で、どうにかして国民のためのメディアってのを獲得できたところが、次の50年とか100年とかそれ以上も国家という枠を持てますよ、って感じになるんじゃないっすかね。
2年前、このへんで考えたこと。
ジャーナリズム:国家からの独立・「教会」からの独立
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