昨日RTが報じた動画が、なかなかに話題を呼んでいる。
若い男が、見たところ田舎っぽいところの線路に入り込み、信号を取り除いている。
But why? | US embassy employee allegedly steals Russian train station sign
信号は飾りで付いているわけではなく、危険を知らせ列車を止めたり、徐行させたりするために付いている。それを撤去してしまうということは、危険をもたらす可能性がある。子どもでもわかる話。
この行為が起こったのは、モスクワの北西部にあるトヴェリというところ。
この行為を行っているのは、駐ロシアの米国大使館員。
地元の監視カメラがとらえ、探ったところすぐわかった。信号機を持って帰った男は外交官のナンバーの付いた車に乗っていた。そしてその車は、別のところでは交通法規に違反して地元警察に止められていたこともあるそうな。
Derailing relations? American embassy employee accused of STEALING Russian train station sign & ‘endangering lives of passengers’
そしてもちろん、こういう男は、世界中の米軍基地の殺人犯やら強姦魔と同様、すぐにアメリカに帰国できちゃう。大使館所属のロシア人の場合だったらどうなんだろうね。米にとっての重要度で必要ならアメリカ送り、いらない手先なら勝手に死ね、といった線引きだろうか。アメに付いているって、それほど安全なものじゃないのよ。アフガニスタンの人たちに聞いてみて!
いやぁ、しかし、たいしたもんだね、アメリカ。アフガニスタンでは夜逃げ騒ぎ。ロシアでは破壊工作。ほとんど、火付け盗賊の所業。
アフガニスタンといえば、CIAの麻薬ビジネスはどうするんだろうかと、アメリカ人やらイギリス人たちが嘲笑しまくってる。
米+NATO支配の間、アフガニスタンが世界の9割以上のアヘンの供給地となり、その麻薬はロシア、欧州方面に売りさばかれていると考えられている。というか、追跡されてもいるんだろうけど、強姦魔を本国帰還させるのと同様、アメリカの責任は問われないというのがこれまでの仕組み。
さて、アフガニスタンにおけるCIAの麻薬ビジネスの今後はどうなるんでしょうか?
■ 勇気がないアメリカだが
ポンペオが暑苦しくも気持ち悪い顔を晒してFoxに再々登場して、ロシアが悪い、ロシアが悪い、ロシアを痛めつけないとならない云々と言っては、アホなアメリカ人を扇動しようとしているのは、なんとしても麻薬ビジネスを温存させねばならないというCIAの意向なんだろうか。CIAと軍の両方に顔の効く便利な福音派だからね、あの人は。
ここを正面から問う勇気がアメリカにあるとは思えないけど、このままだとどうなるんだろう、ってのは興味深い。
■ AUMF
他方、ついこの間、米下院では、911の後に出来た、武力行使の権限に関する法を廃止することを決議していた。AUMFというやつ。
House votes to repeal 2002 Iraq War authorization
合衆国の立て付けとしては戦争を認可できるのは議会であって大統領ではない。しかし緊急時にはそれじゃ間に合わないので大統領はその権限で軍事行動を開始することもある。だけど60日後だったかに議会が止めろといったら止めないとならない(金出さない)、みたいな立て付けだったと思う。
AUMFも、もし全員が善意ならそれと大して変わらないだろう、と言えることは言えるだけだけど、この法は911直後の2001年9月14日に通して、911を起こした責任のある奴を合衆国は叩ける、というシンプルな作り。
だけど、911に責任のある奴というゆるい定義だから、それをアルカイダです、タリバンです、と解釈して、いつまでもテロ対策と称して外国に兵隊を送り続けることを議会が阻止できない仕組みになっているんだろうと思う。
なので、それを更新しないで廃止することになると、大統領が言ったらじゃんじゃん兵隊送れるんだぜといったムードで戦争を継続しまくることは多分できにくくなるであろう、と思われる。
ということで、「永久戦争」を支える大きな骨が抜かれるようなものになるかもしれない。
この間ラムズフェルドが死んだけど、このラムズフェルドと海軍のセブロウスキーあたりがこのストラクチャーの発起人なんだろうと言われているらしくはある。
ということで、この法案が上院でどうなるのかが結構な見ものだと思う。
全体的に、20年目にあたる911を念頭にアフガン撤退、AUMF撤回、というスケジュールを組んでいるように見える。
信号機
破壊工作なんかではなく、記念品として持ち帰る、あるいはオークションで売り小遣い稼ぎかな。
アメリカや日本の外交官はその程度のレベルです。