ロシア戦勝70年軍事パレード 欧米首脳欠席
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20150509/k10010073881000.html
欧米首脳欠席というと、なんだか大事のような気がするんだろうかNHK?など思った。
確かにアメリカ、イギリスという旧連合軍がソ連と一緒に対ナチス勝利の日を祝わないのはおかしいが、なんとなくもうそんなことはどうでもいいことになったような気がしてる今日この頃。
つまりですね、この1年で、英米が過去70年間(本当は40年ぐらいだと思うけど)続けてきた、第二次世界大戦を終わらせたのはアメリカとイギリスで、これは自由のための闘いだった、みたいなストーリーに大きなひび割れが入った。
本日のプーチンは、一緒に戦ってくれた英国、米国に感謝するとちゃんと言及してたりするわけで、マジの勝者は強いよなと思わずにはいれらない。
その上、ソ連にとっての本当の敵であったドイツは、この間も書いた通り、外相はスターリングラードに詣でるし、大統領はソビエト戦士の墓に詣でるし、明日はメルケルがモスクワに行くわけね。
つまり、ドイツは本当の闘いの結果を見つめて行動しているということでしょう。英米のプロパガンダ作戦にも一応顔は出すけど、本当の死闘は東にあったことを認めたうえで、将来的な関係を築こうとしていると思う。祖国のために命をかけた人々に敬意を示すというのはなんというか人間の基本でしょ、だって。
独 終戦70年改めてナチスとの決別強調
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20150509/k10010073891000.html
第2次世界大戦でナチス・ドイツが降伏してから70年となり、ドイツのガウク大統領はドイツとの戦闘で亡くなった旧ソビエト軍の兵士の墓を訪れ戦没者を追悼し、ナチスと決別する姿勢を改めて強調しました。
ついでにいえば、こうすることで事実関係に率直になっていくとう態度が地道に積み上げられれば、過去の話で多少まずいことが出てきたって修正可能だから、実利的な道を行っているとも思う。
多分、中国がロシアと一緒に、ニュアンスとして外からの勢力がユーラシアを狙ってることを警戒するスキームに入るから、中国との縁を大事にしたいドイツは、そっちに賛成した方が断然トクだと考えている、と読むこともできるでしょう。それだって、虚妄を続けるよりはるかにいい。
■ ユーラシアが団結してる
と、そのモスクワの対ナチス戦勝記念では、中国の習主席だけが主賓で、あとは寂しいみたいなイメージを一生懸命NHK他が作ろうとしている気がするんだけど、ちょっとそれは違うと思うよ。
まず、中国は確かに人民解放軍も一緒にパレードに参加してるから、かなりのウェートをかけているのは事実。さらに、中国海軍は現在黒海に来ていて、来週あたりからロシア海軍と東地中海で演習する予定になっている。
インドは、モディ首相は欠席だが、大統領がモスクワに参加し、さらに、ここも由緒ある部隊を送り出して軍事パレードに参加させている。つまり、英米にも多少顔も立つようにしつつ、実質ロシアを見てるって感じ。さらに、こっちは、イラン東部のチャーバハールという港をインドが整備するというプロジェクトを前進させようとしていて、この線は当然にロシアも関与しているのではなかろうか、など思えるので今後も注目。この地政学的示唆はとても大きいと思うなぁ。
インド陸軍の部隊。safaとかいうらしい。歩き方に特徴があるのは知ってるけど私には来歴がよくわからない。でもどう見ても伝統の部隊ってやつだと思う。Hidustantimesより。
と、インド、中国、ロシアが揃っている上に、明日はメルケルさんがモスクワに行く。ということは、ここでなんか会見とかできちゃうのではあるまいか・・・など思ってみてる。
実際問題、ロシア、ドイツが戦争をしない限りあのあたりで大規模戦争というのは起きないので、ドイツはそれを確かなものにしようとしているんだろうと思う。そうするとユーラシア側へのアプローチはスムースだしね。というか、そうなんだよ。ロシアと喧嘩しない関係になっていれば、100年来親中国的なドイツはもっと楽に商売ができるはずとも思う。
■ 雨降って地固まってる風の東欧地区
誰も気にしてないと思うし見出しを立てて報道してくれるメディアもなさそうだけど、セルビアは今回はセルビア軍から部隊を出してモスクワのパレードに参加させている。
この旗を見てもわかる通り、リトル・ロシアなわけですね。
私は親ロシアじゃなくて、反西ローマ教会なので、セルビアには頑張ってもらいたい。
また、チェコとスロバキアが首脳を送っているんじゃないかと思う。まだ記事で確認が取れないけど。
(後記:あった。チェコ大統領が行った模様。)
それより、スロバキア議会が、ナチスとの戦いで命を落とした旧ソ連の人々への感謝決議をしていたのが印象的だった。ここ。いい文章じゃないの。
で、これはまた、
覇権にモラルは不要なのか
の話でもあるわけですよ。
つまり、英米のメディア重視グループは、長い間、なにかにつけて、ミュンヘン会議を忘れるな、とか言って弱腰批判をしてきたわけ。ということは、チェコ&スロバキアをドイツから(しかし実際にはドイツ、ポーランドから、いやもっと複雑)守れなかった話をしているはずなのね。
ということは、そのナチスをたたいたソ連にチェコ&スロバキアが、その後の政治問題はともかく一定以上の敬意を持つのは人として当然でしょ? それなのに、その行為をやめさせようと圧力をかけたりする、その根性がバカげてる。情けない。
英米で現在支配的権力を持っている人たちというのはヤクザにも劣ると思う。覇権にモラルは不要なのかといったけど、それどころじゃない。何をやるにも仁義がない。なんなんだあんたら、というところ。
■ ウクライナについてる日本
そして、我が日本はといえば現在ウクライナのキエフ政権のお味方なわけですよ。なんでやねん、と私は思うけどそうなの。
安倍首相 来月ウクライナ訪問で調整
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20150509/k10010073821000.html
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