昨日は正教会カレンダーの復活祭の日だった。そしてプーチンが例年通り教会に行った。
するとそれがイギリスだのドイツだのでニュースになっていた。どういうつもりなんだろうね。両方とも縁なき衆生ならぬ「神なき衆生」になって久しいので、憎らしいに違いない。普通はここまで言いたくないが、ナチ組のこりなさを鑑みるに、そう表現されても仕方がないと思う。
で、「神なき衆生」の先兵であるところの悪い人たちが、ウクライナで大量破壊兵器を使った偽旗作戦をするんじゃないかと、4月23日、ロシアの国防省がブリーフィングをして注意を喚起していた。
どうしてそうなるのかって、そりゃもうそんなことばっかりやってる輩だからというのが前提だけど、最近、西側のリーダー層が、プーチンはそろそろ化学兵器を使う気だろう、核兵器を使うだろう、みたいなことを揃いも揃って言っているから。
そして、西側のウクライナ報道が嘘ばっかりだ、というのもこういう偽旗のための土壌作りだろうと考えると納得がいく。勝ってる軍が大量破壊兵器なんか使う理由はまったくない。だから、現実にはロシアがそんな手段を取る理由はまるでない。
にもかかわらず、ロシア劣勢、プーチンは苦慮している、誰それが止めた、怒った、プーチンは病気と、あらゆる戯言が繰り広げられている。基本線として、ロシアは失敗している、という土壌が作られていることに注目すべきでしょう。失敗してるから、博打をうつのだ、というナラティブを作ってる。
で、そうした後で何を企んでいるのか。
ロシア国防省は、目的はこんな感じではないかと見ているそうだ。
- ロシア連邦を国連安保理などの国際機関から追放する
- 偽旗が指定した「犯人」を、国際司法裁判所のメカニズムで裁く
- 非同盟諸国を、ロシア連邦に対する制裁にかりたてる
1は狙ってるでしょう。ナチ組にとってロシアはナチを敵視する許せない存在ですからね。って、少し前なら半分冗談だったのに、もう、とんでもなく本当なので笑えない。
この問題は全然小さくない。
ウクライナのナチは戦犯逃れと西側支援の産物 by ザハロワ
しかし、冷静に考えれば、現在の国際連合はナチと大日本帝国を倒した戦勝国が中心なんだから、ナチを復活させて盛大に盛り立てている奴らは、国際連合の名の下に成敗されても文句は言えない、という道理もあるような気がする。
現実的には、アメリカとEUが声をかけても、この青いところしか対ロシア制裁に乗ってくれなかったというのが、ショックなんでしょう。だから、ひっくり返して、ロシアとの付き合いを全面的に止めさせたい。冷戦時代よもう一度!みたいなもの。現在、アメはパキスタンで政変を起こしたはいいけど、国民は反発してる。どうなることか。
だがしかし、ここで問題になるのが、各種の資源。ソ連が存在していた時には経済のパイが小さかったが、今のように大きくなって、そこからロシア連邦を外すとなると、全体にとって足らないものが出てくる。エネルギーだけでなく、そのエネルギーを使うことによって相対的に安価だった肥料とか、ある種の金属類なども供給されなくなる。穀物類もそう。
ということは、いくつかの国にとっては、輪転機まわして作るお手軽な紙切れをやるから、お前のところの国民が餓死しようが凍死しようが我慢しろと言われる、みたいなもの。どうなるんでしょうか。
いずれにしても、上記の1~3あたりを達成するためには、大規模な偽旗というよりも、大規模なメディアの爆発、みたいなものが非常に重要になってくるでしょう。
イラク人100万人殺して、現在進行形でイエメンで何十万の単位で被害が出ているというのに、ブチャの事件を、過去に類例のない惨い事案、みたいに扱っていることを見逃すわけにはいかない。この手法で、インチキにインチキを次いでいくつもりをしていると見るべきでしょう。
でまぁ、西側諸国は見渡す限り、ほとんど政治もメディアも死んでいる状態なので、仮にこういうことがあっても全然抵抗できないでしょう。国連も、グテレスがアトランティストだから現状は全然頼りにならない。
■ その後
で、仮に、こういうグランドスケール偽旗大会が起こされ、上記のようにロシアの悪魔化が果たされたとして、その次に何が起こるのだろう?
ロシアの在外資産は既にアメリカやヨーロッパ諸国に泥棒されているので、これを拡張するのだろうか? そして、ロシア人と見たら殺しても構わない、みたいなことをやり出すとか? まぁ不思議じゃない。泥棒のきっかけはオバマがロシアの在米領事館の建物を接収するという暴挙に出た時から、タガが外れている。
ナチは、産業規模で人を捕縛して収容所に入れ、他方でその人が残した資産を勝手に盗んでたわけで、ヨーロッパ系の人間集団はそういうことをしたがる、と仮定した方がいいのかもしれない。
だがしかし、各地に存在して強い味方のいなかったユダヤ人と異なり、ロシア人はロシア軍が守るロシア連邦というホームがあり、ウクライナという場から、ドネツク、ルガンスクが独立し、黒海沿岸はこれらの共和国の民兵とロシア軍が入って行って、ナチのない世界になっていっている。
ナチのない世界に戻ったウクライナ東部、南部の住民には盛大にいろんなものが配られているが、わけてもパンに目がいく。穀物大国のロシアとウクライナは輸出に制限をかけて、中は潤沢という状況か。ロシア軍も移動先でパン焼いてた。「絶対食わせる」というロシア世界の強い意志を象徴しているのかも。
🇷🇺ロシア軍は復活祭に向け、ルガンスク郊外の村落やハリコフ州クピャンスク市、イジューム市の住民に援助物資を届けました。
— 駐日ロシア連邦大使館 (@RusEmbassyJ) April 24, 2022
▪️住民に配給された食料品セットには、鶏卵、クリーチ(復活祭に食される正教の伝統的なパン)、粉、植物油、トゥションカ(じっくり煮た肉の缶詰)、米が入っています。 pic.twitter.com/qPcXfsvZWA
Easter baking delivered to Orthodox observers
— George A. Hamalian (@gahamalian) April 24, 2022
📍Mariupol. Traditionally eggs are coloured and all food is blessed before consuming.#RussiaUkraineWar #Ukraine #Mariupol pic.twitter.com/dAHaB4r4un
ということは、この世界の外で何をしようが、ナチ組がやれることには限定があるのではなかろうか? いってみれば、2014年のマレーシア機墜落問題を適当な裁判ごっこでお茶を濁して、他方でメディアとかアカデミアではロシアが悪いのだを連呼する、という西側諸国にとってだけ有効な特定状況ができるにすぎない、って感じでは?
ロシアの場合、現金資産がたんまりあって、生きていくために必要な各種資源もたくさんあるので、お前に金を貸さない、資金を引き揚げてやる、お前のところの金融市場を無茶苦茶にしてやる、という一般に西側の武器と考えられているものがたいして有効でない。有効だ、絶対有効だとロシア中銀の資産を盗むという歴史的暴挙に出たら、ルーブルでしか天然資源を売らないと切り返される始末。
コモディティー・ルーブルの誕生を大騒ぎしないのは、大きな事件ではないからではなく、大きな事件だからです(笑)。
ということで、なんとなく、西側諸国内がより一層締め付けられることに繋がる事件がどこか他のところで起こることを警戒した方がいいような気もする。
西側諸国にとっては、ロシアが問題なのではなくて、各国内で政治が機能しなくなったことの方が本当は大問題。
そういえば特殊軍事作戦の「第2段階」は「ドンバス及び南ウクライナの完全制圧」だそうです。モルドバの親露地域との接続も言及されたようですが、ノヴォロシア建国がこの作戦の結末かも。