数日前モスクワにいたキューバの国家元首は、昨日北朝鮮を訪問していた。
キューバ国家元首、モスクワ訪問
昨日の北朝鮮の日本語ニュースにあった写真。ここ
ディアスカネルさんのコートが、モスクワのと違う。
こっちの方がずっとカッコいいのに・・・。察するに、こうか。このカッコいいコートは素材がコットンであるように見える。つまり、この秋物用のを着てキューバから出て来たんだが、モスクワ行ったら寒くって、手持ちのマフラーなんか巻いて整えてみたもののこれじゃダメだとなってモスクワで普通のコートを買った、とかじゃなかろうか。ロシアのオフィシャルの人がよく着てるような普通のコートなのはそのため、とか??
そんなことはどうでもいいんだが、一方で、韓国の駐ロシアの大使が、北朝鮮の金さんは近々モスクワを訪問するような感じだ、いろいろ総合すると11月かな、という、目新しくもないようなことを昨日言っていた(金さんは年内にロシア訪問が噂されているから)。
Kim Jong-un may visit Russia in November, Seoul’s ambassador says
その中で、韓国の大使は、ロシアとの自由貿易協定の交渉を立ち上げる計画だとも言ってる。これも前から言ってる話。
ロシアはコリアが、大陸に進むことを手伝ってくれる重要なパートナーだとの言明も同様。
http://tass.com/world/1029301
前から指摘してますが、南北朝鮮の関係が良好になると南の朝鮮は70年間置かれた、「島」みたいな状態が解消されて大陸の仲間に戻れるわけですからね。そりゃ韓国が乗り出すわけですよ。
島状態の解消の1つが鉄道。
韓国政府、最初のロシア発南北縦断列車の運行開始を3~4年後と予想
https://jp.sputniknews.com/politics/201810305518849/
韓国は、朝鮮半島の南北両国の鉄道を統合することによって、ウラジオストクからソウルまで走行する最初の列車を3~4年後に始動させることが可能になると予見していると、韓国・江原道の鄭萬昊・経済副知事が、北東アジア諸国の知事らによってウラジオストクで開かれた会議で明らかにした。
もう一つは天然ガスのパイプライン。
韓国は短い方の青を、北は赤を主張しているらしい。
South Korea and Russia to conduct joint study for natural gas pipeline running through N. Korea
http://english.hani.co.kr/arti/english_edition/e_business/867575.html
そうなるために、南北ともに、とにかく開けちゃう路線を追求しているのは、毎週のように出て来る記事でも明らか。
板門店、42年ぶりの自由往来が実現へ 観光客も可能
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181026-00000077-asahi-int
韓国と北朝鮮は26日、板門店で将官級会談を開き、9月の軍事分野合意の履行状況などを確認した。来月初めにも板門店の共同警備区域(JSA)で自由往来が実現する見通しになった。自由往来が実現すれば、1976年に監視の邪魔になるポプラの木の剪定(せんてい)に携わった米軍将校2人が、北朝鮮軍兵士に殺害されたポプラ事件以来。
今週見たものでは、これがなんかこう、南北が言葉には出さないが、見ているものはこれだよな、というものに見えた。つまり、彼らは今、南北朝鮮の統一をしつつ、実のところ、日本が支配したところからの約100年ぶりの朝鮮の復活、自立、独立というテーマを追っているということ。
114年ぶりに市民のもとに戻った龍山米軍基地
http://japanese.donga.com/Home/3/all/27/1528418/1
龍山基地は、日露戦争があった1904年、日本が朝鮮駐箚軍司令部の駐屯地とした場所だ。光復(解放)後に米軍の駐屯地になり、韓国戦争直後には32万人を超える米軍兵が駐留した。このため100年以上民間人の出入りが統制され、韓国人にはソウルの中心にある「禁断の地」になった。
前にも書いたけど、南の朝鮮は、日本支配がアメリカ支配に変わっただけだという側面は実はあるわけですよね。それを言い出すと日本の一部が怒りだすからあんまり言わないんだろうと思うけど。
■ 避けているのは東西ドイツ統一モデル
で、南北朝鮮の統一のための努力を見ていると、避けているのは、東西ドイツ統一のインチキ路線なんだろうなと思わずにはいられない。
あれはだって、西ドイツの東ドイツの併合だったわけですよ。東ドイツに言い分を言わせずに、東は悪、悪、悪と、あたかもそんな国はなかったかのようにして西ドイツが勝利の凱歌をあげちゃった。
今から考えれば、西ドイツというのはナチス直系の国で、東ドイツが反ナチスだったんだから、ウクライナにバンデラ主義者というナチ時代の片割れが勃興するのも実にまったく無理がなかった。
日本では、ドイツが東西に分かれたのは冷戦だったから、か、またはソ連が東ドイツを侵略しているから、みたいな天晴なほどに誤った説明を70年近くやってるので何が何だか理解されていないし、私が思うに、ここってほとんどタブー視されていると思う。
混乱を無視して進むドイツ流
しかしそういうことではなくて、そうでないからこそ今ごろになって、東ドイツ地域からのAfDの伸張に手を焼く始末、って感じがドイツでしょう。
で、いろいろあるけど結果として、東西ドイツ統一がNATO東方拡大の基点になってしまったことを、むしろアメリカの一部は後悔しているようだ、というのも今日重要ファクター。
NATO東方拡大:ゴルバチョフはマジで約束されていた
メルケルは盛大にヒトラー扱いされてますが、実際問題、ヒトラーもできなかったウクライナ侵略を今のところ成立させているわけですから、喜べヒトラーと言われるのも無理はない。
しかしそのツケは必ずあるわけで、これからドイツは、史上最も衆人環視の下に行われたクーデターと言われるウクライナのクーデターについて問われることになるでしょう。
で、この騒乱を極東でやりたいという計画があっただろうし、今もまだあるでしょう。
つまり、北朝鮮をなかったかのような扱いにして南に飲み込ませるということ。
ああおめでたい、南北朝鮮統一よ、と言いながら実は軍事的にも支配的にも西側が朝鮮を接収する、というパターン。
これは、ロシア・中国の領土の隣にNATO勢力(日米韓国+本物NATO)を入れる、という意味ですから、将来の戦争の種になる。
だから、それに対するカウンターとして、今回は韓国が主体的に動くが、北朝鮮も国家として主体的に動く、ってことじゃなかろうか。この時間が長ければ、欧州のピクニックとかいって、「難民」を送り出して国家を崩壊させつつ飲み込む、という計画が難しくなる。
もちろん、西側の一部はまだ諦めてないからこそ、北への制裁を継続してるんでしょうが。
■ 日本側の動向
でね、北への制裁を課しているというと安倍周辺の異常な態度が直ちに思い起こされるわけだけど、基本的に、上で見たような、「ああよかった、と思わせて実は再侵略」というパターンの遂行に必要なのは、軍事でやっちまえ派ではない。
民主的な韓国が勝つべきだ、北朝鮮は独裁だから負けてよかったのだ、という派。つまり、リベラル側こそこのプロットの受け手になるはず。東西ドイツ統一こそ新しい世界への一歩でした、震えました、私はぁとか言ってる手合いこそ、このプロットの遂行者として予定されていた人たちであろうと思う。
■ オマケ
河野外相「終戦宣言は北朝鮮がちゃんと核をやめた上で」
https://www.asahi.com/articles/ASLC46GVQLC4UTFK007.html?ref=goonews
ちゃんとアメリカが核を止めたら考えるとか、日本に核を持ち込むアメリカをなんとかせいと言われたらあんたどうするの?という話なんだが、そんなことは何にも考えずに口を開くのがうちの政治家。
で、河野はオルブライトの弟子だそうなので、この人が要するに米リベラル介入主義者の代理人ってことなんでしょうね。あさましい話。
日本ってほんと、2世代分ぐらいまるまるアメリカ以外に何も見えない的に人材教育していったことのツケが大きすぎる。そうであれば、まぁその米属領とか米準州になる他ないってのもある意味当然なんですよね。怖くて独り立ちさせられないと周辺が全員そう思ってると思うもの。
現在サウジアラビアの石油輸出先は、1位中国2位日本になってて、米国はしエールガスと海底油田で上位から外れてる状態だから、世界の警察もやめたくなりますよね。
脱原発のドイツは結局ロシアのガスとパイプライン頼み。パイプラインが通じるとどれだけ暖房費が下がるのか。知らないのは日本人だけなんじゃないかなあ。お隣の国はもっと暖房費が切実だろうから。かといってパイプライン頼みになってもおそろしあは、おっかないし。日本が自国内の海底油田を掘れればこんなに苦労しなくてすむのに、と冬になるたびに思います。