昨日、サウジのロシア訪問の余波で最も懸念されるのはイランの動向と書いたけど、
イランのPressTVを開けたら、
北朝鮮リーダー:核プログラムは米の脅威に対するパワフルな抑止
N Korea leader: Nuclear program ‘powerful deterrent’ against US threats
http://www.presstv.com/Detail/2017/10/09/537956/Asia-North-Korea-Kim-Trump
とかいうのがあって、そう、この線で、そうだからイランも核をと騒いでいる人はきっとイランの中にもいっぱいいるに違いないと思った。で、そういう人が例えばアメリカのエージェントと化して、騒ぎを作って、アメリカにあるイランを撃て~とかいう話に火がつき、イランと交わした核合意を放棄する、みたいな流れが恐ろしい。
とはいえ、ローハニ大統領がそんな愚かものとは思えないので、そこ(北朝鮮)と自分の現状の違いを適切に把握し、ハンドルしていくだろうと思う。
というわけで、なんてかこう、いわゆる西側なるところが勝手に先進国で何もかもが素晴らしいとされてきた時代は本格的に終わったよなと思わざるを得ないのはこのへんからも明らか。
ロシア・イラン・トルコが共同で地域の安全保障を考えられる事態が現実化したのも、もって各国のリーダーたちがしっかりしているから。自分たちではなくて、自分たちの国(国民を含む)にとって現状取り得る最善は何かを模索しているからでしょう。
それに対して、西側ときたらと言いたいけど、とりわけアメリカと日本のリーダーは、痛いというべきではなかろうか。(アメリカはしかし、現状は恐る恐る敗戦処理しているようなところがあるので、トランプの放言を責めてみても仕方がないところはある)
で、シリーズ今日の(壊れてる)日本の政治家。あはは。
(第一回はこれね。壊れてる政治家:「力なき正義は無効」だそうだ)
麻生氏「北朝鮮には危なそうな人がいる」
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20171008-00000540-san-pol
さらに、朝鮮労働党の金正恩委員長を意識して「北朝鮮には危なそうな人がいる」と表現。「私が10歳だった昭和25年に朝鮮事変(朝鮮戦争)が起きたが『朝鮮で戦争がおきる』と言った新聞はゼロだった。あのとき戦争が起きるなんて書いた新聞はありませんよ!」と、詰め掛けた記者団に言葉を投げかけるシーンもあった。
これって、麻生さんのお祖父さんの時代の話だよね。報道されていなかったのなら、それは報道させていなかったんだろう、としか言いようがないでしょ。しかも独立前だし。
それはともかく、朝鮮戦争がだしぬけに起きたかのような話というのは、日本におけるある種の神話だと思うな、私は。
実際には、金日成が南下する前から既に戦場のようなものだったことは明らかだし、金日成の行動がだしぬけだったか否かも異論がある。つまり、南の状況があまりにも酷いから状況的に彼はこれは統一可能だと考えた、という考え方もあるし、そもそもそれが既にひっかかってるんだ、という考え方もあるみたいだ。
いずれにしても、ある日突然だしぬけに金日成の野望が爆発したかのようなストーリーは間違いでしょう。
ブルース・カミングスの凄惨な朝鮮「内戦」
で、このへんでも書いたけど、アメリカ人とかで詳しく知ってる人や詳しくなろうとしている人は、北朝鮮の野望の問題から考えてる人はまぁいないでしょう。
対北朝鮮制裁決議と解かれていく南北成立過程
とか書いてるけど私にしても3年ぐらい前までそれほど深刻に考えてなかった。しかし、むしろ、いろいろ知ってそうな人でも、朝鮮戦争はだしぬけに北が始めたから北のせいなのだ、と断言しているのを聞くにつれ、むしろ怪しい気がしはじめたという恰好。あれ、なぜそこを言い切るの?、みたいな。
■ 一体何がかかっているのだろう?
いや、それはそれとして、書こうとしていたのはそこじゃない。麻生さんの危険さだ。
『朝鮮で戦争がおきる』と言った新聞はゼロだった。あのとき戦争が起きるなんて書いた新聞はありませんよ!」
本人は、マスコミ批判か何かしているつもりなんだろうけど、誘発しているのは、戦争がある日突然始まるかのような錯覚、恐怖でしょう。
戦争はだしぬけには始まりません。準備が必要だからです。
多くの場合戦争は、目的があるからその目的を巡って交渉し、それが決裂するから武力で決するという話になるもの。あるいは、武力で威嚇しあうもの。だからかかっている目的がはっきりすれば、武力によらない道はある(あるいは、武力を小出しにしつつ調整できる)。
では、日本と北朝鮮の間に、人が何十万人死のうが解決すべき問題があるのか?
一般にそれが核兵器の問題だとされる。しかしでは、なぜ核兵器が掛かってない時代に北朝鮮を承認できなかったのか?
ぶっちゃけ、日本と北朝鮮の間にある問題は、北朝鮮がというより、朝鮮戦争をきっかけとして出来た現在の日本のレジームの方でしょう。
やっぱりこう、イングダールがアメリカの元中国大使で、CIAといってもブッシュ父に報告するような上級者CIAだったジェィムズ・R・リリーから聞いた話として書いているこのセリフが俄然真実味を帯びる。
「早い話、冷戦終焉時に、もし北朝鮮が存在していなかったら、(極東)地域で第七艦隊を維持する口実として、我々は北朝鮮を作り出す必要があったろう。」
スイスと北朝鮮と極東ハンドラー上級者
ちょっとわかりにくいけど、我々は北朝鮮を作り出す必要があったろう、ってのは、現在見るような揉め事としての北朝鮮を作る必要があっただろう、ってことですね。
でさ、それならそれでもう起こってしまったことだからいいんだけど、だけどその時、それで作ったその「北朝鮮」をどうするつもりだったんだろうか、ってところからいくつかの利害関係者グループが生まれたんだろうと思う。現在過剰に安倍ちゃんを贔屓している人たちの一部はこのへんに利害のある人たちでしょう。
しかし、私が考えるに、多分そうは問屋が卸さない。そしたらどうするのか。その失敗はその特殊の利益グループではなくて、多分日本に跳ね返るっつー話になるんでしょうか。ああいやだ。
■ オマケ
「逝きし世の面影」さんを見たら、事態は既に個々の政治家のおかしさを指摘している場合じゃなかった。
何時の間にかリベラル(自由主義)が「左翼」になっていた日本
http://blog.goo.ne.jp/syokunin-2008/e/8777e1099828a16ef2c9744662b254b0
私もこのへんは深刻なんてもんじゃないだろうと思ってます。まぁその、米が占領してそれにつっくいたら昨日までのファシストがいきなり自由・民主主義者で~すってな展開をしたわけだから、その余波なんだというのはわかりきった話なのだが、しかし、それにしても70年かかってまだこれかよ、という思いはある。
矢部宏治さんが、今次の総選挙後の政治見通しについての“剛速球”を投げておられます。 http://www.asyura2.com/17/senkyo233/msg/623.html
これについてのTAKUMIさんのコメントを、待ち望んでおりますので。
リンク先、話題になってるみたいですね。後で考えてから書こうと思っているうちにお返事が遅くなりました。すみません。