謎の台風というか迷走台風10号が東北地方に上陸するというのでメディアが騒いでいる。いや、それが悪いというのではないけど、これって本当の問題は台風そのものというより、
寒冷渦と台風のぶつかり具合がどうなるかわからない(だから予想が難しい)、&
オホーツクの高気圧、太平洋の高気圧が動かないので、台風ちゃんの移動範囲が限られている→だから日本列島を横断するだろう
の組み合わせだと思うんです。
これが数日前の組み合わせ。ネット上で拾ったグットな図。こんなに大きな寒冷渦がぐぐっと南に張り出しているところ(青)に、なんでまた暖かい雲の塊である台風ちゃん(赤)が挑むのよ、という話。
このぶつかり合いの最初の直接の犠牲は昨日の関西地方でしょう。線状に伸びた雨雲ベルトが動かずまる一日雨が降っていた。あれは結構じわじわと恐ろしい思いをされていた人もいたと思うな。だってもしこの雨雲がもう半日動かなんだら・・・と思ったと思うもの。で、あり得ないわけでもないし。
で、今日はついに、その寒と暖の頂上決戦。場所は、牡鹿半島あたりか、もうちょっと南、仙台あたりか?
このあたりは3時前後には満潮を迎えるらしいので、私が言ってもはじまりませんが、皆さんご注意くださいませ。なんてことなかったなぁ~と後で言えるのも用心あったればこそ。
■ふろく
東北地方への台風の上陸は初、と書いている人とか言ってる人を見かけるのだけど、これは観測体制が整ってから初であって、史上初でもなければ、前代未聞というものでもない。
というわけで、良い記事発見。
台風10号が関東から東北に上陸へ 東北に直接上陸した103年前の台風と駒ケ岳遭難(聖職の碑)
饒村曜/気象予報士
http://bylines.news.yahoo.co.jp/nyomurayo/20160829-00061605/
大正時代って、小田原だの東京湾、千葉方面での高潮被害もあって、最後には関東大震災があるわけだし、何かとっても自然災害が多かった時代だったように見える。
これこれ。これは東京ピーポーは知っておくべきだと思いますね。
恐怖の高潮被害 大正6年の大津波 - 千葉県ホームページ
http://www.pref.chiba.lg.jp/bousai/bousaishi/documents/dai2syou_3.pdf
その前には明治43年の大水害というのもあった。
このへんの水害で被害を受けた人たちのうちには復興をあきらめて北海道に集団移住された方たちもいる。
と、考えてくると、こういう被害と移住、移動、生まれ育った地からの離村、離脱を余儀なくされる事態というのは、北海道、台湾、朝鮮のみならず、その後、樺太やら満州を「別天地」「新天地」みたいに捉えるメンタリティーへと直接に繋がる、ある種の強い水脈になっている気がしたりもする。
といって政府が何もしなかったかというとそういうわけではなくて、明治43年の水害などが顕著な例だと思うけど、このへんから河川改修に本格的に乗り出してもいくわけで、こちらから見ると「頑張ったな日本」みたいな姿もある。
が、その努力が知られているほどには、自然水害を契機とした離村、集団移住と別天地、新天地への覆水流は調査研究されていないのかもな、とちょっと思った。社会学系統の方、やってくださいませ。