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ダレス兄弟体制以外思い浮かばない&孤立派

2019-07-01 01:00:13 | 太平洋情勢乱雑怪奇

トランプはタレント性を活かして今日も大活躍。日本のNHKの7時のニュースはトランプ。といって別に何か進展があったというほどのことはない。

で、その一方で、トランプは日米安保条約を撤退はしないが、不公平なものだと考えているという話がにわかに日本の中で飛び出している。

普通に考えて安倍の選挙を手伝って、憲法改正して、早くちゃんとした子分になれという話だろうと思う。単純にここをがっちり取ってからじゃないと、北朝鮮問題は解決させないということかもしれない。

その意味で、基本的には、櫻井ジャーナルが今日書いてらっしゃる見取りに私も賛成。

米大統領が日本に求めているのはアメリカの侵略戦争への参加

https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201906300001/

 

だって日本は第七艦隊の司令部が置かれている場所なんだし、演習し放題、国土の中の北にも南にも基地を置き、日本列島の長さ一杯を米国の支配下にしている。

しかも、日本国民はこうなっていたことが対岸の国々にどれほど圧力になっているか、つまり冷戦時代といったって実は熱戦一歩手前になっていたことを理解していないし、今だって中国やロシアを脅すために日本を基地として使っていることをまってく理解していない。

つまり、日本人はロシア、北朝鮮、中国に対するアメリカの前進基地にいながら、アメリカさんって邪魔よねとか、ソ連ってほんと酷い国だわとか中国は云々とたまにガス抜きのようなことを言って過ごして来た。

ヨーロッパ人も似たりよったり。

ここまで手をかけて洗脳した集団を手放したいと思うわけないじゃない?

そして、こんなに「資産」がある。

現在、米軍というよりそれと一体化した西側がどう配置しているかというと概ねこんな感じ。これは米軍の基地のマップ。全世界に基地だけで800カ所、関連する小施設を含むと4000カ所ぐらいあると考えられている(調査している人たちもはっきりしたことがわからない)。

ユーラシア vs 西側:マッキンダー理論とSCO

 

じゃあトランプは何を言っているのかというと、トランプ政権はこれまでとは違う時代になってるんだが、お前どー思うよ、と一応方向性を示して、国民と同盟国の反応を見ている段階というあたりではなかろうか。

トランプは孤立派(isolationist)集団を支持基盤として、NATOは時代遅れだといって喝采を浴びて選挙キャンペーンをやっているので、この路線は引き続き堅持しているということだろうと思う。

今更の話ではあるけど、冷戦後のNATO東方拡大はない、とゴルバチョフは確かに西側首脳らから約束されていたのだ、という件の詳細な研究がアメリカの研究所から出てきたそうだ。

NATO東方拡大:ゴルバチョフはマジで約束されていた

 

ちなみに、去年あたりトランプがドイツ相手にどう言っていたかというと、

NATOってのはロシアを敵対勢力にしてんだよな

しかしドイツはロシアから資源買って、パイプラインなんか敷いてる

おかしーじゃねーかー

と凄んでみたりするのが主流。

「ドイツはロシアに完全にコントロールされている」とか断定してみたりとか、いろいろスゴイことを言っていた(最近静かになった)。

動画の冒頭で、Germany is totally controlled by Russiaとかホントに言ってます。

'Germany is totally controlled by Russia': Trump at Nato summit

 

ドイツは様々な政治家がいろいろ反論して(外務省とか首相が思い切ったことを言わないですむようにという戦略でもあるね)、結果的には、よく考えると論理的に全然かみあってないのだが、軍事予算を一時的に増やしたり、LNGのための施設を作ってアメリカから天然ガス買ったりして、なんというか金で済ましてるような感じ。

結果的に、わりとこの、NATO拡大阻止、解体、みたいなのはドイツ国民というより米国内で固く支持があることが確認されている。

もちろん、ヒラリーリベラルと軍・諜報はそういうことを国民が支持するようになってもらっては困るから、次から次からへんな情報を出したり事件作ったりして、ロシアは敵対的、攻撃的、アグレッシブ、アグレッシブなロシアに対応するには云々カンヌンと日日言い続け、NATO存続のために懸命な努力をしている(笑)。

 

で、東アジア側の場合も同じくダレス兄弟時代に作ったハブ&スポーク体制なんだからこれに似てる。

ただ、東アジアの日韓米体制はNATO東方拡大みたいな拡大をしたことはないので、拡大の結果の衝突(ウクライナ危機)は発生していない。

発生していないが、北朝鮮を朝鮮統一という聞こえのいいスローガンの下にレジームチェンジしようとしていたのなら、それは潜在的な衝突だと思う。

また、台湾、尖閣問題もある。どちらも国力を使い果たしてまでやる問題とは到底思えないわけだが、日本はオバマ時代、尖閣という岩を巡って衝突のきっかけ作りに奔走した。

といったように、東アジアの日韓米体制は、表面上おとなしく見えるが実は衝突の危険性がある。

アメリカの孤立派はここで米中戦争なんかされた日にはかなわないと思ってると思う。孤立派の有名人パット・ブキャナンなんかは、イギリスが倒れたのは第二次世界大戦という必要もない戦争をしたため、とマジで説いてる人なので、前から、日本も韓国も金持ちなんだから自分でなんでもすればいいということを書いている。

 

気がついてみると、日本も欧州各国も米との同盟のない世界が考えられない世界になってる。これを多少なりとも思考実験的にでもほぐせるようになるまで、劇的な変化を招来する勢力は出てこないと思う。

 

■ オマケ

ちょっと米の孤立派(isolationist)について。

このへんでもちょっと書いた。

自由というよりマフィア化していく西側世界

この派というのは別に昨日今日出てきた人たちではなくて、どこかと同盟して他国の戦争に巻き込まれることを嫌う、というのはむしろ第一次大戦までのアメリカの基本的な立ち位置だったといえるのではなかろうか。

その一端が垣間見えるのは、第一次世界大戦の時。最後の最後に欧州に兵を送って、ある意味大儲けして、ここからアメリカ覇権が確定していくのだが、それは一部支配層の考えであって、アメリカ国民はそんなこと了承した覚えはなかった。そして、軍隊というのは一般国民が望んでくれないと成り立たない(英米はかなり最後まで志願制だから余計にそう)。

で、結果として第一次世界大戦後は、欧州が混乱しっぱなしであってもかまわず直ちに軍を撤収した

これは第二次世界大戦後とほんとに大きく違う。第二次世界大戦後は今だに占領軍が居座ってる

前に、戦後世界というのはダレス兄弟が暗躍して作ったわけだよね、みたいな話を書いたことがあったけど、この人たちは支配層の代理人みたいなもの。各国民の知らない間に秩序が作られた。

ダレス兄弟の半世紀

これを米国民が喜んでいたかというと必ずしもそうではない。東部海岸のエリートらが俺らを欧州に連れていったとして非常に不穏な、反エスタブリッシュメント感情を持った人たちがいたし、今もいる。テキサスのロン・ポールなんかはアイソレーショニストの代表例みたいな人だと思う。

まとめてみると、米国の政治勢力というのはこんな感じではなかろうか。

民主(D)

D1 世界を一律に支配したい派(ウィルソンとかFDRとか。世界を語る理念でリードする/操作する。上から目線の主流ジャーナリズムがこれを担う)

D2 アンチウォー諸派(世界制覇に戦争を使ってることに疑念、反植民地主義、反帝国主義、組合運動 etc.その時々による)

D3 リベラル原理主義者(トランプを倒すために暴動を厭わないような人たち。バークレー派?)

 

共和党(R)

R1 ウォールストリート・リパブリカン(金持ち支配層による資本主義万歳派。ナチを主導。親英≒親シティ的な人もいるし、逆に反英の人も出現していたかも。基本は金の動き)

R2 孤立派(アメリカは共和国である、欧州の戦争に関わるべきでない)

R3 スーパーパワー妄想派(いついかなる時もアメリカは強いと思いなす、戦争と喧嘩の区別がつかないようなタイプ)

 

で、言うまでもなく2つの世界大戦の利得者はD1&R1。そしてここがいずれにしてもエリート集団。

2の方は両方とも1を警戒しているという点で実は一致点があるが、民主と共和で分かれているため、イデオロギーとか、その時々のアジェンダ、pro-lifeとか、ゲイがどうしたこうしたといった話で分断させられている。

1はよく考えると、その時々で目標は異なるんだろうが最終的には結託する。すなわち、資本家は団結できるが、労働者は団結できない、みたいなもの。あはははは。

3は、1のツールとして徐々に、むしろ70年代あたりから出来て行ったのではなかろうか。

ネオコンとシオニスト(クリスチャン)はどこに入るのか。

ネオコンは基本は民主党に巣くっていた、東欧ユダヤ系の多い、いってみればトロキスト集団なんだから、D1の世界制覇ツールでしょう。ブッシュ息子が使ったから共和党みたいに思ってる人がいるけど、違います。ネオコン集団はレーガン政権の時に共和党に移ってきた。

思えば、そこからD2よりもD3が大きくなって、一般に民主党ってこんな感じでしょと思っていたそれと大きく変質していったと言えるのではなかろうか。(つまり、ネオコン下部組織なんじゃなかろうか)

 

クリスチャンシオニストはアメリカ建国と共に存在しているから、どこからというのは難しいんだろうと思うけど、テレビを使った伝道者みたいな人たちは基本的には共和党の金城湯池で、彼らの方向性は、親イスラエルと著しい反共。まぁR3を支えてるってところだろうか。

一般に日本のアメリカ解説では、R2とR3を分けずに、福音派みたいな感じで括っているのではないかと思われる。実際どちらもクリスチャンが多数であることは間違いないと思う。共産主義者は無神論者だからいけないと教えられていた層ともいうね。

また、朝日とかとかといったところは要するにD1御用達だと考えればいいんじゃないでしょうか。高いところから見てるつもりの人たち。

 

どうだかわかりませんが、しばらくたったらまた見直してみたいと思う。

 


 


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