スプートニクVの話をしばらく書いてなかったので、ちょっとメモ。
今日はベトナムが承認して、現在使用を承認した国は56か国。
インドVirchow Biotechが、2億回分生産で合意したそうなので、ここが世界最大の生産基地になりそう。
そんな中で、面白かったことを3つほど書いてみたい。
■ サンマリノ
1つは、サンマリノという世界有数の小さい国でのスプートニク接種の様子が、アメリカNBCで流れたこと。
サンマリノは、イタリアの中にある小さい国で、現存する世界最古の共和国としても知られている。
そこが、スプートニクVを承認して、既に接種してる。でもって、このレポートによれば、周辺のイタリアのみならず、フランス、ドイツからもサンマリノに来てスプートニクVを注射しようとしている人がいるんだそうだ。問い合わせは何百もあるとのこと。
European Micronation San Marino Begins Administering Russia’s Sputnik V Vaccine | NBC News NOW
近いから観光がてらでも行けるわけだしね。そういえば、ドイツとかフランスからロシアに来て注射してる人もいるとも読んだ。
そういう動きは、EU内のあの重苦しくも禍々しい、パスポート、パスポート、パスポートといった動きをよりやりにくくしているとも言えるでしょう。Good!
いやしかし、このレポートがアメリカのNBCが作ったというのが興味深い。そして、全体にレポートには、テレビ朝日が作るロシアものみたいな気持ち悪さがない。どうしてこうなった? いや、もともと日本のルナシーさが度を越してるというのが本当のところではあるけどね。
で、レポート内で、もう1つ、面白いことに触れている。
サンマリノは、2014年、ウクライナでのクーデターの最中に起きたクリミアのウクライナ離脱、ロシア連邦への編入願い、承認といった手続きの後に、EU各国が雁首揃えて対ロシアに制裁をかけた際、この小国はそれに同調せず制裁しなかった。
その後、だいぶだってだけど、ロシアの外相ラブロフが、ロシアとサンマリノの歴史で初めて公人として訪問し、その際に、こうであらばこそ主権国家を続けていけるというもの、感服仕った、といたく感激していた。
実際、これって小さかろうが大国だろうが、主権とは何かを考えさせるエピソードとして、私も好ましいと思った。
その話を取り上げてくれるなんて!! いやぁ、面白い。なんででしょうか? 謎だ。でも、うれしい。
■ 東西ドイツ
もう1つは、ドイツのお話。ドイツは、EUが承認すればスプートニクVを打ってもいいよ、という人がかなりいる。それどころか、バイエルン州あたりは積極的にスプートニクVの製造をしたいと言ってる。これは実現する可能性があるんじゃないか、といわれてる。
ドイツの調査では、51%(上2つ)が、打ってもいいよ、と答えた。
そして、下の方にあるように、その比率は、東西ドイツで違う。左側が西ドイツ、右が東ドイツ。
51 % of Germans would choose to be vaccinated with #SputnikV, provided that it receives approval from the European Union. This number is even higher in East Germany - 59% would choose to do so.
— Sputnik V (@sputnikvaccine) March 19, 2021
👇https://t.co/5ituN8OV77
西では、OKとNOが拮抗しているのに対して、東では約6割がOK。
この差は結局、だってソ連/ロシアはワクチンに長い歴史あって、別に悪いもの打たれてたわけじゃないしな、と知ってるか否かなんだろうなと推測する。
そして、その旧東ドイツだったところの3州が、スプートニクVを承認すべきだ、購入すべきだと表明してた。
というわけで、全体として、EUが頑強に抵抗して、ロシアのワクチンなんかいらねー、と差別丸出しのことを言う公人が出てきて、そのたびに、そういう態度はいかがなものか、人々の健康の話を優先すべきで、ワクチンを政治案件にするなとEU批判をする人がたくさんでくる、といった状況。
■ Sputnik Vちゃん
Sputnik Vというオフィシャルのtwitterアカウントが、ここ3週間ぐらいで10万人以上増やして、21.7万人のフォロワーになっているというのも、このワクチンへの関心の高さを表していると思う。今でも毎日1000人から2000人ぐらい増えてる。
私が去年の晩秋だったかにフォローした時には4000人かそこらで、地味な連絡ボードみたいな感じだったのに、だんだんと、みんなで頑張ろう!といったムードが出てきてる。
スプートニク承認拒否みたいな、ネガティブことを言われたニュースにもめげず、大丈夫、頑張りましょう、Together, we're stronger(一緒なら私たちはもっと強い)、みたいなことをコメントしたりして、この仕様はとてもよいと思う。
みんなで病気を克服するのよ、というロシア国内のキャンペーンをそのままやっているとも言えるけど、なにせ、西側にはそういうポジティブなトーンはないから(むしろひたすら脅かしてきたわけだし)、このサイトで世界中の注射の様子とか、コメントとかを読むと、何かしら前向きな気持ちになる人がいるのかもしれないと思ったりもする。
実際、各国の様子を手短に毎日なにかしら見せてくれるサイトはそうはない。