昨日は、予定されていた通りフランスのマクロン大統領がロシアのプーチン大統領と会談した。
最初に納得しておくべきことは、NATOというアメリカ支配の道具の親方はアメリカ(とその後ろのディープな人々)なので、マクロンが何かブレークスルーできるわけではない、ということ。
だがしかし、
安定と平和を維持し、ヨーロッパの信頼メカニズムに再び関与するために、私たちの義務は協力することです。私たちは、対話を伴わない合理的な解決策はないと確信しています。 ということで、続けましょう。
Pour préserver la stabilité, la paix et réenclencher des mécanismes de confiance pour notre Europe, notre devoir est de travailler ensemble. Nous sommes l'un et l'autre convaincus qu'il n'y a aucune solution raisonnable qui ne passe par le dialogue. Alors, continuons. pic.twitter.com/fOr5a7j8M0
— Emmanuel Macron (@EmmanuelMacron) February 7, 2022
みたいな言葉が出てくるのは、いやほんと、基地外の海(膿?)の中に足場が出来たみたいな思いがする。
マクロン本人のtwitterアカウントにあった写真。なにか、象徴的な気がする。ようやく人間が会ってる、みたいな。
ウクライナ危機などというのは英米がメディアを使って作ったものだと多くの人が知るようになったが、フランスは最初からウチの情報機関はそう見てませんというスタンスを取っていたので、いろいろ考えてたのは明らか。そもそも、NATOは脳死してると言ったのはマクロンその人だし。
本当の問題はNATOを東方拡大して、徐々に徐々にロシアとの戦争態勢を作り上げているという異常事態をどうするかということなわけです。
フランスは、そこを直視する方を選んだので、英米が言わせるさるぐつわを外して、自分の言葉で語り始めました、といったところですね。
ロシア人もヨーロッパ人も無秩序と不安定に関心はありません https://t.co/UvMhxHTDrc
— DEEPLY JAPAN (@DTJTakumi) February 8, 2022
他方、プーチンは、長いマクロンとの会談の後の記者たちとのやり取りで、
ウクライナがNATOに入ってクリミアを軍事的手段で取り返すと決意したら、それはつまり、あんたらヨーロッパ諸国が自動的にロシアと戦争するということなんだぞ、という点を強調してた。鈍いthe Westの記者どもに、怒鳴って見せた、って感じ。
Putin says that if Ukraine joins NATO and decides to return Crimea using military means, European countries will be automatically at war with Russia and ‘there will be no winners’. pic.twitter.com/Bea9iMo3ZR
— RT (@RT_com) February 7, 2022
しゃれにならないほど危険なことをしておいて、ロシアはいつウクライナに侵攻するんですか~みたいなことを語っている西側のジャーナリストというのは、本当に、パーだと思う。軍事ブロックが拡大しているという意味を考えずにNATOを語るのは間違ってる。
ロイターは、英連邦とアメリカの、つまりアングロ支配こそすべてのメディアなのでこうなる。
マクロン仏大統領がプーチン氏と会談、ウクライナ問題「正念場」
毎年毎年、アメリカのパーの代表たる国会議員どもが、自分の利権作りもかねて、何百億円も投入して武器と傭兵を集めているという状況をどこまで放置する気なんだね、と考えてみたことはないんだろうか?
つまり、アメリカのアホ議員たちは、ヨーロッパにアフガニスタンを作ろうとしている。これを放置して、自分たちは無事だと思えるドイツ人というのは、もはや捨てるしかない人たちだとも思う。
■ 今後
で、どうなるのか誰にも全然わからないけど、わかるのは、NATOを使った戦後の支配構造に大きなヒビが入ったことは間違いないということ。
バルト+Pを、アメリカとイギリスの道具にして騒動を作る構想は当面続くんだろうけど、誰が見ても長持ちする上手くいく仕立てでないことは明らか。
昨日と同じ明日にはならない。
そして、もう1つ。突き詰めていけば行くほど、2014年にクーデターを起こして、ウクライナをボロボロにした張本人が大統領をやってて、そいつ以外にもウクライナを商売にしていた米の関係者も多数いるという状況は、このままいくのだろうか?
航空機撃墜の話1つ取っても、ほんとのことが明らかになったらどうするの?って感じ。これはNATO問題とは別に、えらいこっちゃだとしか言いようがない。
■ オマケ
そしてここにまた奇妙なことが。
プーチンが、ポロシェンコにロシアは政治亡命先となってもいいよと当時約束したので、今またそのオファーを思い出してもらってもいいよ、と。
Putin claims Russia promised political shelter to Ukraine’s Poroshenko
プーチンによれば、ポロシェンコと自分はドンバスの問題の解決で立場は違うし、ポロシェンコは多くの間違いを犯したと思ってるけど、現在ウクライナで行われている反逆罪で起訴というのは政治的すぎだと思う、だそうだ。
何を考えているのだろうか・・・。
多分、ポロシェンコは自分がもう負けだとわかっているだろう、だが彼の地盤であるウクライナ西部におくとそこの声に従わないとならなくなる→ 連れ出した方がお互いのためだ、みたいな感じ?
連れ出さないと米英に殺されるだけなので、それはもったいないから来い、とか。
プーチンさん、かっこいい!
中国は習近平が主席になってから変わってきたと思う。彼と彼の父親の経歴から、親ロシアとなるのは当然だったのでは。ロシアと中国は上手くいかないと宣伝している方々が見られますが。
彼の父、習仲勲は若くして、陝甘辺ソビエト政府主席となり、共産党が長征の果てに辿り着いた延安にいたのが彼。彼がいなければ中国共産党はどうなっていたか分からない。周恩来の後継者と目されていたようですが、鄧小平の陰謀によって失脚させられた。習近平自身も中学生で4回監獄にぶち込まれ、紅衛兵に何度も吊るし上げられていたそうです。
娘が住んでいたアパートの大家さんは、紅衛兵(学生ではなく、レンガ工で労働者)だったとの事。上からの命令で暴力行為をしていたそうです。日本人の娘の事を心配してくれて、とっても優しいオジサンだったらしいですが。子供に昔の話をしても信じないそうです。良いお父さんですからね。オバサンの方がふんぞり返っていたそうです。