ウクライナの騒乱は2014年から解決の見通しなくここまで来たわけだけど、その間に日本は潜在的にSSこそ正義と言い続けているような国家だったところが、何か一気に顕在化している感じで、どうするのこれ、と毎日驚いている。
それはともかく、先週は、ロシアでプーチン大統領が年次教書演説でまたまた長い長いスピーチをし、それに続いて中国の王さんがモスクワに行ってプーチンと会ったことが政治的に大きなイベントだったかと思う。
その前後、ロシアでは「祖国防衛者の日」のための巨大コンサートがモスクワであり、ロシア国民は、西側の報道機関という名の工作機関が熱望するようにはへこたれてもなければ、混乱してもおらず、元気に祖国防衛者を誇りに思っていることが明白になった。
■ ドンバスは待っていた
今年の年次教書はスプートニク・ジャパンの人が訳してくれていたので貼っておく。
【全文】プーチン大統領 議会で年次教書演説
何より重要なのは、
ドンバスは2014年から戦い、自分たちの土地に住み、母国語で話す権利を主張し、封鎖と止まない砲撃、ウクライナ政府からの露骨な憎しみという条件の下でも降伏せず、ロシアが助けに来てくれるのを信じて待った。
一方、あなた方もよくご存じのように、我々はこの問題を平和的手段で解決するために、本当にできる限りのことを行い、このきわめて困難な紛争を平和的に解決するため、忍耐強く協議を行った。
これですね。
ドンバスの人たちはロシアが助けてくれると信じて待った。ロシアの方は、最低限の戦いを支援しつつ(ワグナー・グループというのはこの産物)、下手に助けると大戦争に引きずられることを恐れて、欧州各国に働きかける方に注力した。ミンスク合意もその1つだし、8年間、いろんな話し合いも交流もあった。
いずれにしてもロシアとNATO諸国が共存していく道、すなわち、欧州の安全保障体制の確立に前向きになりましょう、ってのがここに横たわる主たる目標ですからね。武力衝突はその工程の中の1つのフェーズ。武力衝突ですべてが解決するという考えはロシアにはないね。ナポレオン戦争の頃でもない。
だがしかし、NATO諸国は決戦の方を選んだ。ミンスク合意は時間稼ぎで、ウクライナを強化して、また、ありとあらゆる機会を捉えてロシアの発展機会を失わせるために労力を注いだ。今も続く制裁は、今回で10回目以上のパッケージ。これによって何万人ものロシア人、ロシア企業と西側各国との取引が阻止されている。結果的に、ロシアの側は自国内での自給自足への努力追求に熱が入った。
SMO(特別軍事作戦)開始後は、EU諸国、米国は、ロシアの中銀資産を接収してみたり、熱心にロシア人の個人資産の没収を始めていたりするが、中銀資産以外の多くは、要するにロシア国民にとっては全然好ましくない、いわゆるオリガルヒとその仲間みたいな人たちが外国においている資産なので、去年3月頃は資本の流出の問題としてロシア政府にとってマネージが非常に大変であったろう、というところはあったが、全体としてみれば、いなくなるならそれでいい、でしょう。
今回も、プーチンがそこに言及していた。外国の銀行に置いた資産とか海外に置いたヨットだの宮殿だのを失った奴が気の毒だと思う国民は我が国には誰もいない、だそうだ。
PUTIN: "Not a single ordinary citizen in our country felt sorry for those who lost their assets in foreign banks, lost their yachts or palaces abroad... people have all recalled the privatization of the 1990s, when enterprises that had been built by our entire nation were sold… https://t.co/K7MhrHBDPk pic.twitter.com/6tYip5JZip
— COMBATE |🇵🇷 (@upholdreality) February 21, 2023
■ 新START
論点はいろいろあるけど、今回のスピーチで重要だったものの一つ、多分、アメリカ当局にとって最も深刻なのは新START条約を終わりにはしないが、履行を停止するという宣言でしょうかね。
状況についてプーチンはこう言っている。
今、彼らはNATOの代表らを通じてシグナルを送っている。事実上、我々に最後通牒を突きつけているのだ。お前たちロシアはSTART条約をはじめ、合意したことを無条件に実行せよ。我々のほうは好きなように行動する。STARTの問題と、例えばウクライナ紛争など、わが国に対する欧米の敵対行為とは関係がないと言わんばかりだ。
そりゃ、ロシアを攻撃してる米国が、一方でウクライナでの戦争プランをし、武器を供給しているのにもかかわらず、他方で、いや俺当事者じゃないんですよ、とか言ってロシア国内に入り込んで戦略兵器の点検できると思うのなら、お前はパーだ、って話し。
ともあれ、EUなどが、ロシアは新STARTの下での核兵器貯蔵施設のインスペクトを実行するべきだのなんだのと言っているが、もはやどうしようもない。
22 FEB
EU urges Russia to permit US inspections of its nuclear stockpile under New START
■ 祖国防衛者の日
22日には、モスクワのルジニキ・スタジアムで、祖国防衛者の日を前に巨大なコンサートが開かれた。中に入ってる人が9万人、外に10万以上、あわせて20万人ぐらいが参集していた模様。

プーチンも登場(1分25分あたり)し、会場が一層沸いて、はっぱかけて、満員の会場に「うらー」とか言わせて、みんなで国歌を歌い上げていた。
🛑В Москве проходит митинг-концерт «Слава защитникам Отечества».https://t.co/yF3cWxTOqy
— 駐日ロシア連邦大使館 (@RusEmbassyJ) February 22, 2023
もうね、西側のリーダー層は、いい加減、こんなすさまじくロシア愛のある人たちを解体しようという無謀な発想は捨てなさいね。無駄で迷惑だから。
そして、2月23日には、プーチンがいつものように静かに無名戦士の墓に花を手向けた。

この際に、現在の戦闘で負傷したり死んだりする兵士のための生活保障の法規制がロシア連邦にはあるが、去年の9月までロシア連邦じゃなかったドンバスの民兵の人たちはその対象になっていない、この法規制はどうなるのか、みたいなことが話し合われていた。要するに、9月以前の人たちも同じようになっていく模様。
名実共に、ロシア人によるロシア防衛戦争とその後方となっていっている。8年間の間に亡くなった多数の人たちが気の毒でならない。この人たちは西側の政治的都合で殺された。
■ 王毅さんモスクワ訪問
そんなこんなの最中、22日、中国の元外相の王毅さんがモスクワを訪れ、ロシアの外務大臣、安全保障会議議長のパトルシェフさん、そしてプーチン大統領に会った。

Встреча с членом политбюро ЦК Компартии Китая Ван И
折から中国がまとめたロシアとウクライナの紛争に関する和平提案が出されているので、ここでもその話しが中心だったのであろうと思われるが、それ以上かもしれないとちょっとした激震が走った。つまり、もうこうなったら、中露同盟を組むんじゃないかといった噂がずっとあるから。
多分、この2つは別に同盟を組む必要はないでしょう。軍事的な協力関係は、そもそもずっと前からソ連製の兵器の上に出来てる軍だし、ロシアの防衛システムを中国が導入している関係である上に、結構な期間様々な訓練を一緒にやっているのでいろんな協力が可能でしょう。でも、べったり一緒にやらないとならない事情には今のところないと思う。
しかし、一緒でないと明言すればそれでまた、西側が誇るデマと騒ぎのシステムに巻き込まれて不仲を作られる可能性もある。本当は仲が悪いのだと言いたがる人たくさんいますね。
そういうことだからなのかなんなのか、中国の環球時報は21日付けでこんな記事を出していた。
「中国とロシアの友好関係は、世界にとってポジティブな財産だ」

China-Russia friendship is positive asset to the world
いろいろ言うより、この記事に添えられていた上の絵が物語っているでしょう。中国とロシアの友情が固いことは、アメにとってとんでもなく嫌なこと。
というか、中露離反は戦後の米国の外交方針の柱の1つみたいなものでもあるでしょう。ところが、ああそれなのに、って感じでしょう。
■ アメリカが教えない中国とロシア
で、中国とロシアは本当は仲が良くないのだと言いたがる人たちはたくさんいて、それはそれで本当のところもあるでしょう。
しかし他方で、中国とロシアは実際友好関係を築いているという点ももう少し見てもいいと思う。貿易関係でいろいろ補完関係になって上手く行っているというのが1つ。
もう1つある。それは、このブログでは何度か書いたけど、現代中国が、自分たちの領土内に居座ったり、切り取ろうとした外国人どもを追い出して、自国を自分たちが支配、管理する体制にようやくできるようになる何十年かの戦いにおいて、ソ連はかなり大きな味方だったという点。
中国は、冷戦中期から中国がアメリカと組んでムジャヒディーン支援組になっていたので、ソ連に悪意をもちまくりだったわけだけど、最近になって、習近平政権は2015年にモスクワのパレードに行った頃からソ連が果たした役割を見直してる。
再び歴史的なモメントを迎えた中露 by 習
そんな昔のこと・・・って思う人もいるかもしれないけど、1930年代はまだまだ誰かのお祖父さんの時代であり得るのでそんな昔のことでもないでしょう。
で、最近、こんなことがあった。The New Atlas という軍事関係のかなり具体的なことを観察してる、退役の米軍人がやってるyoutubeサイトで、アメリカ人と中国人のおにいちゃんが、ロシアと中国の関係を話してるのを偶然チラ見したんです。後で見ようとしてリンクを探すのが面倒でまだ全部見てないんだけど、チラ見したその数分が、私にとっては、おおおお、だった。
中国のおにいさんは、上海で日本軍にやられている時のことを話していて、その当時中国はけっこう独りぼっちになっていて、アメリカとかイギリスの飛行機ももうあまりなくて、ソ連の飛行機で戦った。上海の空を守っていたのはソ連の飛行機だったんだよ、と言っていた。自分でもちょっとぐっと来てることに気付いたおにいさんは、俺はemotional(感情的)になるよ、これは、と言っていた。
これは、第二次上海事件の時のソ連のI-15、I-16、I-153あたりのこと。
中国空軍の上海事件のハイライトといえば、1937年8月14日、中国空軍の高志航率いる第4飛行隊が出撃して何機か(6機?)の日本の航空機を撃墜し、これが中国が日本の飛行機を撃墜した初めての事件だったことから、中華民国政府は1940年になってこの日を「空軍の日」としたという出来事。
この件は、多分、アメリカ製のホークIIIではないかと思われる。だがしかし1日で決着したわけではないので、その間も、あるいはそこからソ連製の戦闘機が活躍していたという話しだろうと思う。
日本軍はこの頃、中国に産業基盤がなくて外国の飛行機は大した数がない、他方自分のところは産業基盤持って、自前の航空機を沢山作ってる、よーし、航空機でやれるという自信を持っているからこそこういう攻撃をかましたわけですね。だから、中国人にとっては、ともあれ戦える飛行機は重要で、まして落としたのは大変勇気のわく、やった!という出来事だった。
ロシア語のwikiのI-16の項を見ると、
1937年に、国民党に納入し、1941年までに215機に達したとあった。他の機種と併せて結構な数が行っていたのでしょう。
I-16は、その後、ハサン湖、ノモンハンでの戦いで日本軍にとっての敵の主力戦闘機となっていった。日本は有名な中島キ27とか三菱のなんだったかを投入してた頃で、日本側の飛行機は第一次ノモンハンの頃までは優位性を持っていたと言ってもいいのではないかと思われる。
で、お話し戻って上の中国人の若い男性が言うには、ここらへんのソ連/ロシアの話しはあまり語られてこなかった、中ソ対立の時代があったからだろう、だけど、最近みんな思い出して語ってる、だそうだった。
話したらいいと思いますよ。話せば話すほど、現代中国の形成にとってソ連がどれほど大きな役割を果たしていたかがわかると思う。
そもそも、中国共産党という存在そのものが、山東省を巡って、イギリスもアメリカも頼りにならない、だったらロシアだという強い動機付けの上に形成されたと言っても過言ではないです。
しかし日本が戦時中に中国当局と結んだ合意があり、さらに日本はイギリスとフランスのサポートを得ていたので、ウィルソンらが最初は相当がんばって中国の肩を持つものの、最後は英仏日に押し切られ、日本の利益が確定した。(略)
そこから、中国は抗日が強まり、それと同時に、アメリカって駄目じゃん、となって、急速にロシア、あるいはソ連に接近する人たちが出て来る。
だから、日本で多く見られる、民族自決みたいなことを言い出すもんだからとか、コミンテルンが焚き付けるから抗日になった、ソ連に惹きつけられたみたいなのは、事実関係としてはちょっと表面的すぎるでしょう。
上海条約機構サミット、山東省青島で行われる
というわけで、今週は、出来事を通して何かが起こるというよりも、よじれていたところがまっすぐになっていくような、そんな感触がちょっと垣間見えたような気がした。別に現実には何も変わってないですが。
■ インテグリティー
そこで折しもこんなことが。
2月24日、国連安保理でロシアに対する非難決議がなされたとかいうニュースがあったと思うけど、その際に、安保理はウクライナの外相を連れ出すという最近流行りのことをし、ウクライナ外相は、安保理のメンバーにロシアの攻撃によって失われた人命に黙とうを捧げろと言い出す。
それに対してロシアの国連大使ネベンジャさんは、立ち上がるものの、ちょっと待ってと発言を求め、黙とうに続いて、
我々は2014年以来ウクライナで起こったことによるすべての犠牲者を心に刻むために立つんです。犠牲になったすべての人たちです、すべての命は尊い、だから私たちはすべての人のために起立します
と言い、
"We will rise in memory of ALL victims of what has happened in Ukraine, starting in 2014. ALL of those who perished, ALL lives are priceless, and that is why we will rise in memory of them all!"
— Maria ⏳ (@real1maria) February 24, 2023
Russian ambassador Vasily Nebenzya
UN Security Council pic.twitter.com/cd62bNI73I
1分30秒ほどの短い動画なので見たらわかるわけですが、ネベンジャさんは、国連事務総長グテレスさんに向かって、立って、立つでしょ、ほら、と手招きする。すると、グテレスが立ち上がり、それを注視していた全員が起立した。
ネベンジャの言葉ではなく、グテレスの起立に続いた各国外交官は滅茶苦茶カッコ悪いと私は思う。だがしかし、こうして全員が立ったことは、今の世の中では、いやもう、とても珍しい、とても貴重な出来事だと思った。
もしこれで立たなかったら、あなたは全員のために祈らないんですかという話しだし、もしそうであるのなら、もう国連の意味はないよなとも思った。わずかばかりとはいえ、インテグリティーが保たれてよかったなと思った一瞬だった。
(もしここでアメリカがサマンサ・パワーを出していたら叫んだのだろうかとも思った。今回はブリンケンが出席していたので事なきを得たのかもしれない。ブリンケンには叫びの技はない。)
https://forbesjapan.com/articles/detail/61262
実際にロシア国内ではインフレは小さい誤差レベル、ウクライナ空軍は丸一年機能停止のまんま、義勇兵やら傭兵やらは国外へ逃げ出してますやん。そんなに不満なら自分がウクライナ軍に従軍させてもらうべきでしょう。
亡きフィデル・カストロを世界トップレベルの富豪だと称して、その根拠が「『独裁者』だから国中の資産は全部彼のもの」なんて喚いてた頃からまるで成長してませんでした。
https://www.youtube.com/watch?v=70APz_PCA_g
https://www.youtube.com/watch?v=Ex1iZx4GyKw
https://www.youtube.com/watch?v=dWym4uVAHCk
番組冒頭ニコノフの言葉
「100年ごとに全世界支配に挑戦する国が現れる。世界中を奴隷化し強奪しようとする。ナポレオン帝国、ヒトラー第三帝国による世界覇権への挑戦はロシア占領に向かったがロシアで敗れた。今現在、我々は再度、強力で極めて残酷で悪魔のような狡猾さと偽善性を持つ敵と対峙することになった。アメリカ合州国は自身が世界を支配する使命にある覇権国であり、食物連鎖の頂点に位置し、全ての投資商品の流れを囲い込んでいると考えている。彼らは常にそう在りたいのだろう。しかしそうはならない。」
ロシアのドキュメンタリー番組の特長は歴史記述にこだわることでして、第1部のアメリカについて説明でも、ジェフリー・サックスの言葉を引用し、「レイシスト集団が彼らエリート層の既得権を護ろうと精力を傾けた。その結果1787年にある国が設立された。それは白人文化擁護の為にアメリカ原住民を殺害する奴隷所有の虐殺国家だった。」これを聞けば、自由民主発祥のアメリカという国は、建国時点で既に「嘘の国」だったのかと印象付けられます。
僕が特に印象深かったのは第3部のウクライナ編で、その「転落」の経緯が冷静に説明されています。歴史的に根深い「ウクライナ独立」の動きとその民族主義が、ロシア攻略の為にこの100年間で3度、外国に利用された。革命後のドイツ帝国、ナチスドイツ、アメリカです。最後のアメリカによるウクライナ浸食の厄介さについて特に詳しく説明しています。番組全体のトーンとして一切ウクライナへの恨みは感じませんでした。恨みが向けられるのは民族主義者バンデラ信奉者とそれを支援する西側連中に対してです。現時点で国内の「一部勢力」と言えるかどうか分かりませんが、倒すべき敵は「ネオナチ」であると具体的でハッキリしています。これに対してウクライナではというと、憎悪それも異常な憎悪がロシア全体に向けられ「ロシア人全員」を攻撃対象、殺害対象にしています。ロシアの何を憎むのか具体性が見えません。とにかくロシアは悪だと決めつけ、悪を倒すのが正義だ使命だとプロパガンダは叫んでいます。これは、西側でも同じことで、去年はヨーロッパでロシア人への嫌がらせが問題になっていました。
恐らく日本人の多くは、プーチンの専制政治によりロシア人は「本当のこと」を知らず、プロパガンダに洗脳されていると思っているのではないでしょうか。何年か前、僕はロシア人窃盗犯の取り調べ通訳をやったことがあります。逮捕後の取り調べは長時間になるので、結構よもやま話をします。その中で彼がやおらアメリカの犯罪性と偽善性をしゃべり出したので驚きました。ロシアではコソ泥ですらアメリカのことを「正確に」知っているのかと。これを「洗脳」と言う人もいるでしょう。しかし僕はそう思いません。むしろ教育の結果だと。翻って西側、日本の状況はどうでしょうか。1周年ということで特にNHKでウクライナ戦争がらみの番組が作られたようですが、その中でひとつでもドンバスの8年間それと今の状態を報じたものがあったでしょうか。
西側のソ連ロシア関連の報道の特長は、常にロシアの行動が始めに来ます。例えば、「キューバ危機」の場合、原因はソ連のミサイル配備とされます。しかしソ連に言わせるとアメリカが前年にトルコに配備したミサイルの対抗措置となります。そのことについては沈黙する。最近の「グルジア侵攻」「シリア介入」全て西側の行動が先にあり、それに対する反応です。ロシアの内実を報じないのは故意だとしか思えません。ネオナチがキエフで政権を取って最初にしたことは、モスクワからの放送の禁止です。西側でも実質これと同じことをやっています。本当のことを知られるのが怖いのだとロシアでは考えられています。モスクワの番組を見ていると毎日BBCやらCNNや主流新聞を引用し、西側でどういう風にロシアのことが報じられているか伝えています。殆どがロシアを否定的に見る内容で、討論番組ではこれらを材料に反論するというのがひとつのパターンになっています。西側のテレビで真面目にモスクワのニュース番組を取り上げることがあるでしょうか。フェイクの一言でお仕舞いにしていないでしょうか。どういう目的か定かでありませんが、西側は100%善でありロシアは100%悪ということが絶対視され、全ての前提条件でありこれを外れることが許されないということになっていないでしょうか。アメリカの根本的な悪を指摘するのはモスクワの報道だけです。西側ではそれがタブーになっており、ソ連末期のような硬直した社会になってしまった気がします。「我々には問題は存在しない」というのがソ連上層部の口癖でした。今の西側支配層に当てはまると思います。
詳しいレポートありがとうございます。
いいですよね、こういう番組。素敵!!
ニコノフさんが司会というのがまた良いですね。石井さんもお好きだとおっしゃってた気がしますが、私も大好きです。
で、ウクライナ人を憎むのではなくて、これを焚きつけた奴らを許さんと考えるという持って行き方が維持されていて、本当に嬉しいです。
その時々には、あんな奴らとか言うこともあるだろうけど、大枠でみればそういうことじゃないんだと返って来れる議論があるのはとても健全。
そして、事実問題として、これらの「焚き付け」こそある意味、このアングロ覇権の裏部隊なんだと思われます。実はいろんなところの「過激派」が繋がっていたりもすると思われますしね。
そこらへんはアメリカでも「発掘」している人がいたりします。こういう仕事こそ、暗いですが、しかし、前向きなことだと私は信じます。
またよろしく!
そう言いたくなるのは私も同じですが、そここそ、こんなことをもうしないようにしようというバネになればいいんじゃないかと思ったりします。