アメリカの心配をしても始まらないので日本の心配をしたいが、日本は外交方針を全部アメリカに丸投げしている国なので、そのアメリカがぐじゃぐじゃになると、それはもうとても大変。
そこでアメさんにはできるだけ正常化していただきたいと私だって思う。
だがしかし、毎日の「ロシア侵略」騒ぎによって、そうでなくても痛んでいた体制が本当にぐだぐだになっているという感じしかしない。とりあえず、ポジションを作らず、どうも痛んでいるようだというのを観察しておいた方がいいと思う。
昨日あたり出回って、アメリカ国民の怒りを買うというより諦めを買っていたのは国務省のブリーフィング。
Reporter: “It’s an action that you say they have taken, but you have shown no evidence to confirm that. [...] This is like - crisis actors? Really? This is like Alex Jones territory you’re getting into now.”
— The Hill (@thehill) February 3, 2022
Must-watch exchange between @APDiploWriter Matt Lee and @StateDeptSpox. pic.twitter.com/RPIPb2zwf5
ロシアが偽旗作戦するっていうけど、証拠はあるのかとジャーナリストとして当然のことをベテランのマット・リーが尋ねる。
その回答にもならないやり取りによって明らかになるのは、
国務省が伝えていることが真実だ、という報道官の態度なわけ。どこに証拠があるのだ→私は言った→あんたが言ったのはallegation(主張)だろ→私は言った、みたいな展開。
そして、その私の発言は情報機関が出元だとはいうが、それがどれぐらい確からしいのかを問題にする気はない、すなわち、情報機関が言っていることがすべてだと思えという態度だとも言えるね。
笑いを誘ったのは、このジャーナリストが、
ロシアがクライシス・アクターを使って偽旗をするとかどうしたこうしたって、それはもう、
あんたたち(国務省)が入ろうとしているのはアレックス・ジョーンズの縄張りだよ、
This is like Alex Jones territory you’re getting into now
と言う下り。
私ならずとも、みんな笑ったと思う。アレックス・ジョーンズは稀に真実を語るが、かなり大げさな陰謀論をこさえてくることで名高いアメリカの右派のおじさん。(何か不味い時に騒ぎを作ることで、CIAが目くらましに使ってるだろう、とか言われる)
だがしかし、笑えないのは、こうして、この手法によって、匿名のアメリカの情報機関がこういった、ああいったを根拠として、ユーゴスラビア、イラク、リビア、シリアと人殺しと破壊に向かったという大きな実績があるから。
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さらに、その後、この顛末を、Foxニュースで1人だけトーンの違うタッカー・カールソンが取り上げ、あわせて、現在、彼がアメリカの中の影響力のある人たちから、ロシア工作員と言われて脅かされてる状況をさらけ出してた。
Tucker: Republicans and Democrats are 'hysterical' about this
前に書いたウクライナでの戦争を焚きつけている、クーデターをかました張本人たちに非常に批判的なことをがんがん言ったことが大きいでしょうね、そら。
ヌーランドはウクライナでクーデターを組織した人 by タッカー
ウクライナ問題というより、反ロシアのスパイラル問題
これはもうタッカーはもっとがんがん言った方がいい。そうすると、そうだそうだ、その通りという視聴者が盾になってくれるから、タッカー潰しをしようにもやりづらくなる。
とういわけで、バイデン政権の大日本帝国化が止まらないといった感じがする。
言論界というのは現状ヨーロッパ出自の人たちが多いからか、つい、なんでもかんでも「ナチ」に比喩を求めるわけだけど、カルト的な住民支配(偽の希望をかかげて人を扇動する)という意味では大日本帝国の方が参考になると思う。参考にされて嬉しいわけでもないが。
■ オマケ:左右でなくなってきた
今のアメリカの状況を見ていて思うのは、タッカーなどがまさにそうだけど、共和党(右)も民主党(左)も大差なくデタラメだという主張の方が勢いがある。
というか、実際そうなんだけどこれまで、左右で上手くコントロールされていたし、今もその路線で行こうとしている人たちが主流派ではある。例えば、共和党は、現在、すべて悪いのはバイデン政権のせい、という路線で中間選挙を勝とうとしてる。
だがしかし、事態はそれで落ち着くようには思われない。どうなるのかわからない。でも、どんなものなのかわからない地平が見えてきただけ弾幕は薄まったというべきなのかもしれない。
■ オマケ2
忘れていた。昨日は、ブルームバーグというマーケット情報の主流どころが、
「ロシア、ウクライナ侵攻」(Russia Invades Ukraine)
という見出しを出し、30分ぐらいそのままになっていた。
Bloomberg Had Fake Headline "Russia Invades Ukraine" On Homepage For 30 Minutes https://t.co/nRe3MUxjx1
— zerohedge (@zerohedge) February 5, 2022
それを受けて、ブルームバーグは謝罪の声明を出した。
だがしかし、ニューヨークタイムス紙がその後も、ロシアはウクライナを侵攻しようとしている、と主張している模様。
Russia about to invade Ukraine, NYT insists after Bloomberg fiasco
言うまでもなく、危険な状況。