DEEPLY JAPAN

古い話も今の話も、それでもやっぱり、ずっと日本!
Truly, honestly, DEEPLY JAPAN!

俺らの生き方を生きる by ドンバス

2014-09-03 00:16:31 | 欧州情勢複雑怪奇

Press Conference - Formation of a state - 24 Aug 2014

 

こ のビデオは8月24日にノヴォロシア人民共和国連邦(つまり、ドネツクとルガンスク)が行った会見の模様。

オリジナルはロシア語だけど、現状、英語、フランス語、ドイツ語、韓国語の字幕を利用できるようになってる(有志の一般人がつけた)。現在86000viewぐらいだからまだ小ネタ扱いだけど、いやぁこれは大きなインパクトのあるビデオだと私は思う。

要するに、ノヴォロジアの最高会議議長Zakharchenkoさんが訴えているのはこれ。

俺らは俺らの生き方を俺らの土地でやりたいっていってんのに、それのどこが悪いんだ

キエフで革命だかクーデーターだかが発生して、俺たちはそれに従いたくない、EUにも行きたくないと決意したから州庁舎を占拠はした。しかし、別に暴力で何かを決しようとしたわけではない。

ところが、キエフ政府が次にやったことは、ドンバスの住民をテロリスト扱いし、砲撃しはじめた。自分たちは武器を取って自分たちの土地を守る決意をした。それのどこがテロリストなんだと当然のことながら怒ってる。

しかし怒ってばっかりいる会見ではなくて、非常に見識があるというか冷静というか、実際そうやって圧政から自由を求める行為のどこが問題なんだ、という訴求ポイントを正確に構成してる。日本人には受けないかもしれないけど、欧州人、アメリカ人には非常に訴えるものがあると思う。だって、みんなそうやって国を作ったようなもんだから。これもそマジでFreedom fighter(自由のための戦士)じゃないか、とのコメントを何度か見たけど、そうだと思う。

私としては、Zakharchenkoさん(右の人)が、ロシア軍が介入したと聞きましたがと質問されて、正規軍が介入したらこんなところでは戦ってないでしょう。キエフ攻略とか、リヴォフ(レンベルグ、リヴィウ、西の端っこのガリツィア地方)攻略だって可能性があるでしょう、と言ったところで爆笑してしまった。私も同意見ざんすよ。

ロシアの反攻に備える?モルドバ、ルーマニア方面雑記

また、the Westは、30年から50年おきに俺らのところを侵略しに来る。でもみんな同じ結果になってるじゃないか。そのたびにパリだのベルリンが落ちる、と か話してるのも面白い。ドンバス地方の人々からすりゃ、まさしくその通りなんだよね。カトリック教会、メイソン、クリミア戦争、第一世界大戦+ボルシェビズム、第二次世界大戦と、ずらずらと並べてみるとよくわかる。だから、現在の戦いを70年前のドイツのバルバロッサ作戦と重ねたくなった私もこの見方は理解できる。

バルバロッサ作戦 v2 の行方

何用あって俺らのところに押しかけるんだ、俺らは俺らの生き方を生きる、という主張は強い。このあたりは文明圏の分断線だからこそ、上のような数々の欧州側からの東進運動がたびたび発生して、ことごとく失敗しているわけだ。逆にいえば、ロシア文明側はずっと侵略されていると感じても全然無理はない。その上で、現在そこに住んでる人たちが、俺らはヨーロッパになりたいなんて思ってない、俺らはブリュッセルだのキエフにいってこうしろああしろと言ったことはない(≒だから俺らたちの生き方を尊重してほおっておいてくれ)というのは説得力がある。

にもかかわらず、西側(私たちもぎりぎり仲間らしいんだな)は、その文明圏を超えた侵略行動を止めず、逆らった奴らは「テロリストだ!」とかいって砲撃してる、と。Zakharchenkoが、誰か、常識のある人がいたらこのバカなオペレーションをやめさせてください、と言っていたけどこれも全くその通り。

で、この清々しくも力強い真実の当事者の言明の価値は、アメリカ人のPaul Craig Robertsが非常に上手にまとめている。

西側的でありさえすれば他国を侵略しても良いとばかりの方針を西側は取っているわけだけど、その大義がぶっ壊れたんだよ、と。まさしくその通りだと私も思う。

The West, the greatest cause of War in human history, stands stripped of all Legitimacy — Paul Craig Roberts
http://www.paulcraigroberts.org/2014/08/30/west-greatest-cause-war-human-history-stands-stripped-legitimacy-paul-craig-roberts/

ロシア軍が介入しているという話がマスコミで流れたのは、ウクライナ軍が崩れてることが明らかになり、ドンバスは意気揚々で、しかも確固たる考え方を持った、あきらかに清々しい人々がどうやら大勢いるということがこのようにして出て来た後だった。分が悪いからまた騒ぎ始めた、って話だと思うが、もうね、取り返せないのじゃないのかな。

西側という価値が相対化された記念碑的会見かもしれない。


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 金環蝕 /1975年 | トップ | 悪いのはロシアではなく欧米... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

欧州情勢複雑怪奇」カテゴリの最新記事