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新大西洋憲章だそうだ & 不実のアルビオン

2021-06-11 10:34:53 | WW1&2
Guilty 7のミーティングを前に、ボリスとジョーが、新大西洋憲章なるものに署名していた。

NHKは勝手にキャッチフレーズを付けてた。

米英首脳会談 民主主義の原則を守る「新大西洋憲章」発表

デマ屋のUKの民主主義って何ともいうし、そもそも、クーデター政権のUSが志向する民主主義って何?とも言う。笑うに笑えない事態だ。


ホワイトハウスのサイトの文書はこれ。

The New Atlantic Charter

まぁ、ここまでの子分を従えた体制を絶対離したくない、現状維持のために頑張ってるみたいな感じだろうか。

中身的には、我々はリベラル・オーダーを追求して、巨大資本家にとっての自由こそ我らが自由(というカルト的思い込み)を今後も追及するとの宣言みたいにも見える。自由主義グローバリズム万歳宣言、とかいう名前にしたらどうだろう? 


思えば、2016年には、イギリスではBrexit派が勝って、アメリカではアメリカ・ファースト派のトランプが勝っていた。つまり、国民国家の利益を、グローバリズム万歳主義者の利益より優先しましょうというモードがとても大きくなった時だった。グローバリスト vs ナショナリストと言われたものだった。

そこから、イギリスは殆ど情報統制下になり、アメリカは生化学的イベントを利用した不正選挙をかましたクーデター政権となって、そこで、リベラル・オーダー派が復権しました、と宣言したという恰好でしょうか。

ある意味、ゲッペルスの総力戦演説のような気もする。


でも、現実的にいえば、RTのタイトルが示すように、世界はもう動いてしまってるかもしれないんだけどね、といった趣ではなかろうか。

Joe Biden and Boris Johnson sign ‘New Atlantic Charter’, but the world may have moved on


■ UKの小芝居

で、これは、バイデンたちがかましたというより、UK側の仕掛けじゃないの? 1941年もそうだけど。

ただ、今回は前回とは違って小芝居という感じしかない。

日本にいるとUKは、なんかこう「まだまだ隠然とした力があります」みたいな雰囲気で見られるけど、UKの影響力の最大の武器は、嘘と騙しと影の汚い行動(殺人を含む)なので、騙されてる向きには強そうに見えるといったものにすぎない。

多分、バイデンがアングロっぽい面立ちなので、これはいいと、騙すための知識には事欠かない人たちがイベントを作ったのでは?

冷静に考えて、ハリスが出てきたり、どう考えてもラティーノ色が強い人とか、アフリカ系であることが歴然な顔の人たちのアメリカでは、大西洋を挟んだ我々とか言っても、なんかピンと来ないわけでしょ。むしろ選挙民に嫌がられるかもしれない。


■ 不実のアルビオン

で、不実のアルビオン(Perfidious Albion)ことUKは、ロシアは敵だの急先鋒。思い起こせば、スクリパル親子事件、ナワリヌイ、現在進行中のチェコのごたごた、といった事件を作って、それを理由として各国からロシアの外交官を追い出すよう焚きつけたりして、話題を作ってる。つまり、こういうことぐらいしかもうできることがない、というのが現在のUKなわけです。

不実のアルビオンの情報機関であるMI6の新しいリーダーが、またまたロシアがどうしたこうしたとデマの流布に忙しいわけですが、それについてのロシアの大将の談話が今日の状況を物語ってる。2日ぐらい前のもの。

エッセンスとしては、

ロシアが下降線をたどる衰えた国だというのなら、何でそんなに心配するの?



でしょう。

動画そのものはこれ。

Putin Reacts To New MI6 Boss Dissing Russia: If We Are Declining Power, Why Worry? Calm Down & Enjoy  


で、不実のアルビオンの戦略は、ロシアを敵だと言いふらし(極東ではもちろん、中国、ロシアは敵なのだ、になる)、それによって、「味方」というチームを作ってるってことになるんでしょう。ロシアの脅威なんて飯のタネにすぎない、というのは軍産にも当てはまるけど、不実のアルビオンUKにとってはもっと深刻に当てはまる。

そして、自分で事件を作って、他国にはロシアと付き合うな、話もするな、外交官は引き揚げろと命令しておく一方で、現実には、UKの情報機関の長がロシアにコンタクトしてきている、と春先にラブロフ外相にばらされていた。

つまり、自分だけがコンタクトできる、他は俺を通して何かしろ=他者は俺に依存する、という状況こそ彼らの支配の骨子ですね。同盟などという語を使いながら、実際には他国の利益を犠牲にする。

上の動画でも、プーチンが、昨年各国との貿易高はパンデミックの影響から低下したわけですが、UKとのそれは上昇してました、と言ってる。

つまり、これもまた、UKは自国の利益を追求するが、他国はロシアと付き合うんじゃない、と言いまくってるということ。


■ 不実のアルビオンの頭痛の種

で、UKにとっては、ドイツとロシアの関係が良好でないまでも正常という状況が危機なのだ、許せないのだ、というのは昔から言われていることですが、結局これはUK存亡にとっての重要命題だったってことなんじゃないですかね。

ここ数年、UKが常にも増して狂っているのは、結局、ドイツとロシアを離せないことに尽きるんじゃないですかね。

特に、「ノルマンディー4形式」、あるいはそこから引き出されたミンスク合意がこのハイライトだろうと言われている。ノルマンディー4というのは、ウクライナ危機の時に、ドンバスがキエフの馬鹿ナチ政権に反発して出ていく騒ぎになったのを収拾するために、ドイツ、フランス、ロシア、ウクライナが話し合ったもの。この問題の当事者の認定みたいなもの。

つまり、イギリスもアメリカも入ってない。戦後の欧州の重要案件でイギリスがリーダー格でなかったものはほぼないと言われる中で、なんの当事者にもなってない。そこで、英、カナダ、アメリカetc.が勝手に馬鹿ナチに武器支援して、さらに混乱させ、次第にこの4者の会談を難しくさせ、その上で、英米はなんとかして解決のフォーマットを自分たちが中心になったものにしようと奮闘してる。

ノードストリームも、英米はタッチできてない。そこから、ポーランド、スウェーデンのような妄想組みを利用した英米の反撃が始まったと言ってもいいでしょう。

しかし、ここでもまた、アメリカは実際にはロシアから石油も買えば、原発の燃料さえ買っているという事実が次第に明らかになってきて、ドイツはノードストリーム決行の意思を変えず、ヨーロッパのエネルギー問題はワシントンで決まるものではない、ぐらいまでは言うようになった。

そこから考えれば、大西洋宣言の主要な目的は、NATO温存宣言ですかね。

(そして、むしろNATOを現状通りで温存するために、馬鹿ナチのウクライナに吹き込んだNATO入りをどうやって宙ぶらりんにするかで苦心している。)


■ 1941年9月連合国共同宣言へ

今回何をしたいのか知りませんが、ルーズベルトとチャーチルが大西洋憲章を結んだのは1941年8月14日。

ドイツが1941年6月22日にバルバロッサ作戦を開始し、かつ、親ドイツ派のイラクの政権が起こした騒動にイギリスが対処して、8月後半にはイランをソ連とイギリスが保障占領して、大西洋憲章の調印をした。

その後、1941年9月には、ソ連を含むいくつかの国がこの憲章に賛同して、連合国共同宣言が出る。これが、後の国際連合の基礎。

英米ソが揃うにあたって、英ソが協力関係になったというのが非常に重要だったのは言うまでもない。英ソは1941年7月に協定を結び、翌1942年、アングロ・ソ連協約(Anglo-Soviet Treaty of 1942)が結ばれる。これによれば20年間、英ソはナチを敵に同盟関係になるはずだったわけだが、英はNATOを作って勝手にナチ後継国の西ドイツと軍事同盟体制になっちゃったので、ソ連がもうこれは無効だと判断した。

ここらへんの経緯は、ソ連が議論に登場しないのをいいことに英が無茶苦茶なことを言いまくる&隠す、をしてきていると思う。

不実のアルビオンを信じることは、詐欺師を信じるのと同じこと。


■ オマケ

日経の解説によれば、

モデルとなる大西洋憲章は、第2次大戦下の1941年8月にフランクリン・ルーズベルト米大統領とチャーチル英首相が戦後の国際秩序を構想してまとめた。憲章の刷新は中国やロシアが米国主導の国際秩序を塗り替えようとする動きに対抗し、民主主義陣営を代表する両国の結束を打ち出す狙いがある。 


なんだそうだ。多分、「民主主義陣営を代表する両国」に強調、みたいなお触れが回ってるんでしょうね。

でも、ふと思えば、オリジナルの大西洋憲章は、アメリカが入り、実はその舞台裏でアングロ・ソ連の協定を通じてソ連を引き込んでいたことによって、全体としてパワーとして強力だったため、いうところの「新しい秩序」が可能だったというのが歴史の真実でしょう。

それを裏切ったのが不実のアルビオンと仲間たちだった(冷戦の構築)。

今般は、何を宣言しようとパワーの裏付けが足りてない。

■ オマケ2

New York Timesでは、「80年経って、バイデンとジョンソンは新しい時代のために大西洋憲章をリバイスした」だそうだ。

Eighty Years Later, Biden and Johnson Revise the Atlantic Charter for a New Era


ソ連を抜いて、ノルマンディー作戦こそWW2の転回点などというデタラメを語ってきた西側のご都合主義史観のツケを見ているような気もする。

チャーチルとルーズベルトが合意したから何でもできた、国連が出来たと思ってるんだと思う。




コメント (3)    この記事についてブログを書く
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3 コメント

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Unknown (かつまた)
2021-06-11 18:27:44
なるほど~
UKくんはRUちゃんを独り占めしたい片想いのボクちゃんみたいなメンタリティなんだな
かなりたちが悪くてあくどいけど
島国だからなのか?
返信する
白い国アルビオンでは無いイギリス (ローレライ)
2021-06-12 15:15:53
イギリスの外交は腹黒で、白い国アルビオンとは烏滸がましいのが、現実!大西洋憲章も、ソ連と同盟してからアメリカに持ちかけた!
返信する
でも兵は送る (ブログ主)
2021-06-12 16:57:49
イギリスは、不実は間違いないですが、イラクに兵を出して事態を収拾したのも、イラン進駐の段取りをつけたのもイギリスなので、口だけでもないところが始末が悪い(笑)。

イラン進駐の実質的な戦力はアメリカだと思います。
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