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ベネズエラ雑報と情報戦

2019-02-03 17:07:33 | アジア情勢複雑怪奇

ベネズエラのマドゥロ大統領が、野党に早期の大統領選挙を提案したというニュースを見て、これはますますウクライナ化なのかとビビった。

とはいえ、この野党というのは1つではなく、ベネズエラでは確かに野党、つまり反マドゥロの人たちが多数いるのだが、そうはいっても、それはあのCIAのグアイド支持を意味しない。

ということは、建設的野党が頑張れるのなら、話し合いの機会を持てる可能性もあると読むこともできる。マドゥロは話し合いを前から提案しているが、断っていたのは野党の方なのでもし乗ってきたら、前向きになる可能性もある。

グアイドの派は、隣国のブラジルの大統領を生み出した勢力と似たいわゆる極右で、野党の中でも大きくなくて、むしろヘイト集団の常として嫌われていたという証言も多数ある。さらにこのあんちゃんはその中でも別にリーダー的存在ではないのでは?という話も最初からあった。つまり、巨大野党にもなってないし、この男も有能ではないが、アメリカのポンペオ様がお選びになり、天下のニューヨークタイムス他がご推奨になったので、このようなものになった。

The Economist グアイド支持鮮明に

2019-02-01 21:36:52 | アジア情勢複雑怪奇
 

 

と、そこでいろんな人たちがこの話をしているのだが、今日は、アメリカ人のガッコの先生であるらしい在ベネズエラの女性が状況を説明している動画を発見。

The real Venezuela: From Caracas, Prof. Aline Piva explains US coup attempt (E35)

 

日常は結構普通らしい。外にも出られるしスーパーマーケットに行けば食べ物を買えるし、という状況なので彼女が言うには、なにより驚くのは、ベネズエラ国内のグアイドと、国際的なグアイドが違うことだ、だそうだ。

つまり、国内では小物で、デモを集めても大して集められないのに、国際メディア上ではとてつもなく大物になってる、と。

 

そう、ここで書いておきたいのは、野党のプロテストが大規模に起きていますと世界中のメディアが動画を出して来た時、実に大量の人が外に出ていたのを見せられたわけだけど、あれは当日がベネズエラで、グリンゴ(アメリカ人に対するある種の蔑称)が支援した独裁者を民衆が蹴散らした日なのでみんな外に出てお祝いしろと政府機関こぞって奨励していたから大量の人が外に出ていただけで、別にグアイドを支持して出て来たわけじゃない人もたくさんいる、という話が1/31のMoon of Alabamaさんの掲示板に出ていた。

私にはこの真偽を確かめる手立てはないんだが、その後のグアイド支持者の集会というのが結構ショボいんだなというのはわかる。そしてニューヨークタイムスなんかも微妙に認めている。

やたらに、次から次からネタを出してきてはいるものの、なんかこう、一生懸命ベネズエラ状況を有利にみせようと話を作ってるという感じがとてもする。

ボルトンは、予想通り、グアイド側に医薬品等の支援をもたせるみたいなことを言っている。つまり、ベネズエラ国民を金で買おうという作戦なのだが、その金がアメリカ国から出ているというよりは、ベネズエラ資産から略奪した金を使っているところに、何かこの作戦のだらしなさが見えているような気もする。

自由というよりマフィア化していく西側世界

2019-01-31 17:55:37 | アジア情勢複雑怪奇

 

ウクライナで起きたアメリカ+EUによる暴力クーデター騒動では、ゴールド泥棒はあったものの(いつものように)、基本的にあのネオコンのヌランド外交補佐官は、誇らしげに、アメリカはウクライナにもう50億ドル(約5000億円)も使ってるんだから失敗させられない、とか言っていたものだが、そこから考えると今般のアメの側の資金繰りは略奪資産以外にちゃんとあるのかどうか、怪しまれる。いいけどそれで。

 

■ 情報戦

いやほんと、西側の武器はメディアですわ、ほんと。

前にも何度も書いたけど、ソ連は西側のメディア媒体の85%はアメリカのコントロール下にあると考えて対策していたそうだが(多分、だからこりゃ言ってもダメだと思ったらあんまり争わなかったんじゃないかという気もする)、現在それは90%ぐらいになってると、元ボイス・オブ・ロシアの編集者だったバビーチさんが2014年に言っていた。

で、だからこそ西側各国はロシアメディアが憎いわけ。小なりといえども、そのお化けみたいなメディアのスクラムに入ってなくて、別のことを言うから。

しかしそれでもなぜ、RTがイギリスやアメリカで報道できるかというと、RTを停止しろと命じたら、ロシア政府はBBC他の西側メディアを停止させるに決まってるから。

つまり、西側各国は様々な媒体をロシアに入れてるわけ。なんとかして洗脳しようと膨大なカネを使ってる。ロシア国内のメディア媒体数、特に紙媒体主体のものでいえば、西側傘下のものの方が断然多いとは前から言われている。

そこで、ロシアが、おそらく政府込みで編み出してきた方法は、私が思うに、だったら全部見せとけ、なんだと思う。

その上で、どれほどバカなことを西側メディアが言っているのかを、一拍おいてロシアメディアが、ここは違う、これもへん、そうでしょ?という見せ方をする。

国民は、ホントの情報を得ると同時に、いやもっと大きく、西側メディアの馬鹿さ加減を知る、という仕掛け。

これはこれで政府の仕掛け(だと私は思ってる)なので、あまり好ましいことではないのだが、ウクライナ危機からこっち、嘘ばっかり言ってるのは西側メディアなので、反撃しないことにはそれが広がってしまうので、止められない。

 

結果から見ると、ロシア国内ではこれは大成功で、アメリカ人他の諸外国人も、西側の主流メディアの言ってることは嘘だらけであることをよく知るようになり、MSM(メインストリームメディア)をそのまま飲み込む人は本当に減った。

すると、MSMの方は、頭使って読む、知る、去年のことを覚えていたり、調べたりする層をもはやターゲットに出来なくなってきた。そこで、パッと見てわ~っと反応してしまうような層をより一層顧客ターゲットにするしかなくなってきて、さらに劣化が止まらない、という感じになっているのではないかと思う。

大多数の人間は西側メディアの報道に接するという前提で対策を作ってるロシアのやり方は、大多数の人間は結局のところ自己利益の追求に余念がないものなので資本主義がなくなることもないと見切って、部分的かつ戦略的民営化を追求している姿勢と同じだと思う。


 


コメント (4)    この記事についてブログを書く
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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
里帰りのイランアナ逮捕のアメリカ (ローレライ)
2019-02-03 17:34:01
里帰りのイランアナ逮捕したのもイランメディアがアメリカにとってはイヤな仕事をして効果があるから、と言う話。
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直球派イラン (ブログ主)
2019-02-03 17:46:36
ローレライさん、

そうそう、イランのあの女性はまさしくそう。
ただ、イランはロシアとの比較でいえば戦略性より直球好みで、それがファンを唸らせるみたいな。あはは。

ロシアは西欧文明の流れだという点を有利にそして優位に使ってると思う。ロシアの声はWestern Civilizationの諸国民になんのかんのと届く。
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拝啓、グアイド様 (私は黙らない)
2019-02-05 06:51:23
拝啓、グアイド様、

賢明な貴殿のことですから、自分が使い捨てであることは、もうお気づきかと思います。
老婆心ながら、忠告します。そろそろ脱出の準備をされておくべきかと思います。
こちらには、貴方のような「政治亡命者」がごまんといます。
こちらにご到着の暁には、亡命政権なり、反政府政治団体なり、おつくりなさいませ。名称は「自由ベネズエラ」あたりが無難でしょう。
その筋からの献金を着服するには、ぜひグアイド財団を設立なさいませ。
貴方様がチンピラから太った豚に立派に成長される日を、楽しみにしております。

ブログ主さんが、トランプ支持層には2タイプあるとおっしゃっていましたが、その通りです。トランプ大統領は神の思し召しのような人達以外のトランプ支持者、即ち反ヒラリー、オバマ体制でやむなくトランプ支持に回った輩は、とっくにトランプを見限ってます。
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騙され続ける米国民 (ブログ主)
2019-02-05 17:11:15
私は黙らないさん、

いやほんと、アメリカ国民のうちの神のおぼしめし派以外のトランプ投票者は、怒ってたりがっかりきたりと大変。

結局のところ、案外騙してないのはブッシュ息子ということになるんじゃないの(笑)。
最初から変なんだから。
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