今朝の日経のサイトのトップはこんなだった。

今日初めて分かったことではあるまいよ、というのが問題なわけです。
ここらへんは、去年までにさんざん踏み固められていた話。ロシアを挑発して、ロシアを世界経済から外すなんてことをしたら、ロシアに与える打撃より、その他世界に与える打撃の方が大きい、だから、馬鹿なことをするんじゃない、というのが殆どの専門家たちの見解でしょう。
上に、「米は石油備蓄を放出し、イラン産輸出拡大にも期待」とあるけど、それはイランとの例のディールをもう一回立て直さないとならない。そして、ここでは触れられていないけど、実はバイデン政権は、ベネズエラにも期待して、現実的じゃない、となった。
ここで問題なのは、石油は1種類の石油じゃないというところらしいんです。アメリカは量的には石油は自前でというのが成り立つが、質的には軽い石油が多すぎて(重油がなさすぎて)全部自前で、とはならないだろうとは、前から言われている。
そこで、重油主体のベネズエラが恰好のパートナーだったのに、トランプがくだらないことをして政治的に取引不可能になっていて、仮に政治的にできたとしても、資金凍結だのなんだのとベネズエラ経済を壊しているので、石油関連施設自体もボロなのでとても急な供給などできない。
イランも政治的にダメ。そこで、必要あってロシア産を輸入していたのが真相。それなのに、「ワシントンの馬鹿ども」(copy rights by ロバーツ)が、ロシア産原油などほんの少しの輸入だから、アメリカには影響はない、全面禁輸だ!!と高らかに言ったわけです。
結果的に、ディーゼル危機が生じてる。
Rationing Looms As Diesel Crisis Goes Global
輸送用途が多いディーゼルの供給が逼迫すれば、その影響は物品の価格に及ぶ。つまりインフレの要因になっている。
ということは、ここで戦略備蓄を放出しても、マーケットの原油価格には影響を及ぼしても、石油精製施設がスムーズに稼働してもって需要と供給がマッチする、という形にならない可能性があるのではなかろうか? これは推移を見守りたい。
イラン産の手当てがついてから行動に移すというのがよかったかもしれないけど、イラン・ディールの当事者にはロシアが含まれる、というのも大変。交渉のテーブルで、ロシアを叩きのめすことにしたいので、おいイラン、お前穴埋めに石油出せと言っているという構図。大笑い。
「ワシントンの馬鹿ども」の希望が叶うためには、制裁に苦しめられている中で原油と物品の取引をしてイランを支えている側だったロシアを簡単に裏切るほどイランに信義がなく、自分に不利になる目の前の出来事を見過ごすほどロシアが阿呆でなければ成り立たない。
ロシアにかけたほとんど史上最大の制裁というのは、一事が万事こんな調子と言っていいでしょう。去年までにさんざん考えられて、総合すればやめましょうよ、という声が多かったにもかかわらず、バイデン政権とNATO集団は突っ走った。
西側世界はどうなってしまうんでしょうか。「ワシントンの馬鹿ども」も問題だけど、輪をかけて強気なブリュッセルの馬鹿どもとか、ロンドンの狂人、東京の薄ら馬鹿、みたいな一群もまったく問題。一体、これらの「エリート」集団はどうしてこうなんだろうか? 思えば、過去20年ぐらい西側各国においては政治が機能していないも同然でしょう。
ここから、どうなるんだろうか?
どうしたもんだかわかりませんが、欧州戦線があらかた済んだら今度は極東戦線が舞台になるんだろうと思うので、私たちにとっての混乱はこれからですね。
金融含め大変化の時ですね。
テキサスから義勇兵として、2014年からウクライナのドンバスで戦っているアメリカ人の記事「ナチズムは病気」(スプートニク)を訳しました。
https://quietsphere.info/nazism-is-disease/
ガスは貯蔵施設でプールして使うものらしいので、しばらく余裕はあり、かつ、夏に向かうので需要は減る。だがしかし、工業系の大きなところがいろいろと問題。
どうもこうもEUの態度次第でしょうね。