世の中ほんとにへんなことばかり。日本国民としては、まず第一に、国民の8割ぐらいが反対しているオリンピックって何?と思うばかり。
へんだと思わない?ではすまないほど恐ろしいと思ったのは、ロケット弾の飽和攻撃(アイアンドームの球切れを狙っている)で市街地および一般人が燃え盛ることを念願したテロリスト集団をまともな集団のように扱っているこの現状。
イスラエルの行動に批判されるべきものは多々ある。それはそう。だけど、イスラエルは犯罪者だからこうされるべきで、ハマスは正しい行動をしているといった考えに私は賛成しない。
■ 破壊こそ目標だった
パレスチナ問題がこんなにダークな話だったとは私は想像できていなかったです。
思い返せば、何かおかしいと思ったことは何度もある。フサイニー一族もそう、また、トルコ、イランは常に親独派で、かなりナチだとも知ってたが、まとめて考えてなかった。エジプトが、ナチ戦犯の逃亡先だったというのも、話半分にしか見てなかった。思えば、なるほどなぁなわけですが。
総じていえば、パレスチナ解放というのは、実体は、ユダヤ破壊(destroy the Jews)のことだったんだな、ってことですね。だから妥協しない。ここからユダヤを追い出す、そうすれば明るい明日があるという発想でここまで来た人たちが強い影響力を持っていて、テロリストが一般人を盾にしているのがまるわかりでも、それを非難できない。そして、なぜだか私たちの多くはその行動を応援してる。ハイジャックもすれば無差別大量殺人(テルアビブ空港乱射事件)もする人たちが、英雄視される世界もあった。
過去100年フサイニー一族のナラティブは生き続け、ユダヤ破壊を念願する
他方、ユダヤ人の方は絶対ここを離れないとこちらも過激に過激化する
みたいな感じだったわけです。
■ 1941年11月28日
さてそこで、そのフサイニーとヒトラーが会談した記録をアップしておきたいと思う。
ヒトラーとフサイニーの1941年11月28日の会談の様子は、ドイツの公文書にあって公開されている。2015年にTimes of Israelが記事にしてた。
Full official record: What the mufti said to Hitler
アラブ人はドイツ人と自然な友人なのです。なぜなら、イギリス、ユダヤ、共産主義者という同じ敵を持っているからです。
The Arabs were Germany’s natural friends because they had the same enemies as had Germany, namely the English, the Jews and the Communists.
というのが、フサイニーが示した認識で、そのためには、サボタージュ等の間接的なやり方だけでなく、アラブの軍事組織を作って協力する旨を述べる。
ヒトラーはもちろん、ユダヤ人に対する妥協のない戦争を主張し、その中にはパレスチナでのユダヤ・ホームという計画も含まれる、それはユダヤのセンターになるのだ云々と述べる。
パレスチナにユダヤ人たちが移住してきて国を作るという計画を是が非でも潰したいフサイミーが、ドイツのユダヤ人殺害を推奨していたんだな、というところ。
繰り返し述べられているのは、ドイツもアラブも、イギリスとユダヤに苦しめられているから仲間なのだという認識。
で、1941年11月28日というのは、既にバルバロッサ作戦開始から5カ月たっているわけだから、ポーランド、ベラルーシあたりのユダヤ人は大量に殺害済み。西の欧州ではもっと前に既に始まっていて、殺される前に大量のユダヤ人たちが西欧州の他の地域やアメリカ、カナダに逃げた。東は、最後のポーランド、ベラルーシなどは地理的にソ連側に逃げた人たちが多く、ここからさらに移動してイギリス、アメリカetc.に逃げたという履歴を持つ人の話もよく聞くところ。シベリア鉄道を伝って日本支配地域に来た人たちもいましたね。
といった中で、パレスチナというチョイスはどれだけ優先度が高かったのだろうか?
■ ドイツの大国構想
また、現在(1941年11月28日)ドイツは北コーカサス地域への入り口で厳しい戦闘になっているが、そこに対する補給路としてもアラブ地域は有用だろう、とも言ってた。
Germany was now engaged in very severe battles to force the gateway to the northern Caucasus region.
これはなんとも、その後の展開を考えると皮肉なことかもしれない。だけど、ドイツにとっては、この時点では喜ばしい援軍に思えたのでしょう・・・
こういうことをアラブから言われることが、ドイツ軍がモスクワを落とせなくて相当苦しんでいる中で、ウクライナ方面への軍を増強していったことへの1つの理由付けになるような気もする。ロシア欧州部のコントロール以外にも、目先が南にもある。
1941年6月にバルバロッサ作戦という巨大なソ連侵略プランを開始したドイツ軍は、モスクワ正面で勝ちきれず、ソ連政府が半年で降参するといった類のドイツの前宣伝は与太話となった。だがしかし、まだ元気なドイツ軍は、42年にはブラウ作戦と呼ばれるウクライナからコーカサス征服をもくろむ大作戦に出る。
場所的に右下の方。ここからコーカサスに出て、バクーの油田を取ろうと思ってた、というのが通説。
だがしかし、コーカサスを支配したら、それはすぐイランなんだから、ここでイランと合流できたら、アラビア海、メソポタミア側から補給ができる、ドイツ支配は盤石だ、みたいなことをヒトラーは思わなかった?
これが、第一次世界大戦で負けなかった場合のドイツの構想だろうと言われているもの。青がドイツとその同盟国。トルコの右がイラン。
NATOはドイツの後継組織として東方拡大しておるなぁってところです。
あるいはこちらの戦線との接続と考えることもできるでしょう。
■ 明らかなナチス支援地域だったパレスチナ
いずれにしても、前回書いた通り、
フサイ二ーはナチス側についてユダヤ人破壊に奮闘した
1945年ナチスドイツは連合国に降伏した
したがって準同盟者であるフサイ二ー他のドイツ協力者もそれに準じた扱いを受けるべきだった
という考えは合理性を持つと思う。
それによって、エジプト、パレスチナ、シリア、トルコといった地域から親ナチであることの危険性(虐殺志向とすべての責任をユダヤ人に持っていこうとする大量のデマ)の除去が可能であったのではなかろうかと思ってみるが、実際には、これらの地域が大量殺人犯の恰好の隠れ家になっていのたが戦後の歴史。
■ オマケ
イランの前の海からドイツに補給をしようというのは、アラブのおじさんたちだけではなく、日本にもそう考えている人たちがいたらしい。
仲小路彰さんあたりがそういうことを考えていたらしいという噂がある。どこまでどうなのかわからないけど、一部の右派の人たちが根強く、そうなら勝てた、みたいなこと言うんだけど、いやぁ、でも、イランはイギリスとソ連が保障占領して、実際にはアメリカ軍ががっちりいた。ここをどうやって破るの?
ドイツ(東を除く)、アラブ、日本というのは、つまり敗戦しても敗戦を認められない3つの極でした、みたい感じだったのね、とも言えそう。合言葉は反共、反イギリス。
いろいろ壊れてる世の中の断片&見え隠れする過去人脈?
だけどまぁ、それこそ「グローバル支配機構(仮称)」の作った黒いクモの糸って感じがする。それはちょうど、どうやってもイスラム過激派は西側の駒だろ、ってのと一緒。
ヘイトを専業として怪しい人たちしか集まらない集団にどんな希望が託せるのよ、って話。
■ オマケ2
イスラム・テロリズムとナチコネクションの本。今見たら、在庫がない模様。う~ん・・・。
もちろん他にもあるんだろうけど、第二次世界大戦ものとしては完全に忘れられていた分野には違いないと思う。
■ オマケ3
この間、ハマスとイスラエルの騒乱が始まった時に、オーストリアがイスラエルの旗を掲げて立場を鮮明にしたことを書いたけど、上のドイツの方も、親パレスチナの人たちが通りに出る中で、メルケルの広報官が、
私たちの民主主義は、アンチセミティズムの抗議で苦しむことはない
"Our democracy will not suffer" antisemitic protests, said Seibert, quoting Merkel.
と言い、シュタインマイヤー大統領は、
「ダビデの星の旗を燃やしたり、私たちの街で反ユダヤ主義のスローガンを叫んだりする人は誰でも、デモする権利を乱用しているだけでなく犯罪を犯してる」
「私たちはユダヤ人へのヘイトを容認したくないし、容認するつもりもない」
と言ってた。
Israel-Gaza crisis: Police break up pro-Palestinian rallies in German cities
これってもう、現在の問題がどんなものをかフルに理解しているという表明みたいなものだと思う。
■ 参考記事
ハマス vs イスラエル9日目:アーミン・フサイニーを思い出してみる
https://blog.goo.ne.jp/deeplyjapan/e/cf979494db42a38f9a5d91734a094517
https://blog.goo.ne.jp/deeplyjapan/e/cf979494db42a38f9a5d91734a094517
フサイミーから親ナチネットワークまで
ユダヤもキリストもイスラムも同一宗教であり、キリスト者(キリスト教徒)という言葉はあるがキリスト人は無い。
同じくユーゴスラビア連邦瓦解でのボスニア紛争でのムスリムも民族とか人種や民族ではなくて単にスラブ系イスラム教徒の意味
ユダヤ人が国家を無くして世界中に流浪したとの伝説ですが、当時はユダヤ王国だけではなくて地中海沿岸の欧州から中東、北アフリカが全部ローマ帝国に飲み込まれて、ユダヤ人だけではなく国家を失っています。しかも当時のユダヤ人の大部分は農民なので土地を捨てて移住することなど例外的な話。
世界中に広まったユダヤ人は伝説ではあるが事実ではない。
人種的に見れば、今のイスラム化したパレスチナ人がローマ帝国時代からおユダヤ人の末裔の可能性が高い。今のイスラエルは単に欧米白人のユダヤ教徒の植民国家。元々のアラブ人(ユダヤ人)を追い出した欧米植民地主義の悪しき残滓で到底擁護出来るものではない。
ビルマのアウンサンもインドネシアのスカルノも日本軍に協力している。民族自決を目指すなら当然そうなる。
ユダヤ人の言葉を使うから本質が見え名が、ユダヤ教徒と言いかえるだけで別の景色が見えてくる。
今回の一連の記事は不味すぎるでしょう。
WWⅡ当時はイギリスなどの植民地だったのですから、当然民族解放運動なら、敵国であるドイツに接近するのは当然な結果。それ以外の選択肢はありません。