NHK大河ドラマ総集編DVD 元禄太平記 | |
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中村勘三郎さんが亡くなって、ついには密葬が終わってしまった。
大の歌舞伎ファンの友人は、話すと悲しくなるから話せないの、といったまま、今に至るもあまり話そうとはしない。考えてみればアカの他人だというのに、こんなにも深く悲しいとは、とも言っていた。そういう役者さんだったなとしみじみ思う。
歌舞伎座で見た勘九郎、勘三郎も素晴らしかったけど、映像作品でもよかった。
元禄太平記は、1975年の作品で、主演は石坂浩二、江守徹。江守が大石内蔵助で今からはちょっと考えられないぐらい、清清しい目をした、利口で腹の据わった内蔵助だった。
勘三郎さんはまだまだ非常に若い 中村勘九郎 時代で、大石主税を演じていた。切腹に至るときのあのすがすがしい立ち居振る舞いが忘れられない。いいドラマだった、ほんとに。
昭和後半から平成にかけて、考えてみればわずか50年かそこらの間にも世の中はずいぶんと変わった。その中で、いつでも、どういう作品でも、華のある役者さんとしてそこにあった勘三郎さん。氏そのものがなくなったことは無念でならないけれども、映像の中に、舞台を見た記憶の中に、いつまでも、私たちと共に生き続けることでしょう。私は、さよならはいわないことにする。