新年あけましておめでとうございます。
おめでたい気分の中、1月1日は去年からバンデラ主義者をウォッチする日になってるので夜になったらウクライナ動向をチェックだわ、など思わざるを得ない。
ただ、今年は去年とは異なり、プーチン大統領とゼレンスキー大統領が電話会談をしていることにも象徴されるように去年までの「放置プレー」ではなくなっているとはい言えそう。
足元ではウクライナ東部のドンバスとキエフ政権の間で人質交換というか、互いに軍事的衝突の間に拘束しあってる人を交換する動きが続いている。こういう動きは一般的には、ちゃんとした停戦のための動きと言えるでしょう。
また、年末に書いた通り、スターリンとヒトラーを同一視して、第二次世界大戦の経緯を修正してきた動きに対しロシア政府がポーランドをやり玉に挙げて抗議している。これは、前から取り組んでいるものではあるけど、だんだんと周知されていっているようで結構なこと。
ナチ英雄化問題と西側はケツが拭けないお話
この件に関しては、総じていえば日本はバンデラ主義者と同じ側ですので、実はマズイことになってる側。
今年の5月9日のロシアのビクトリーデーは例年以上に注目だわ。
■ 不吉なイラク情勢
そんな中、イラクでは年末から騒乱状態が続いている。
在イラク米大使館を群衆が襲撃、トランプ大統領はイランを非難
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2019-12-31/Q3DRAIT0AFB701
イラクの首都バグダッドで12月31日、米大使館の敷地内に群衆が乱入する事態が発生した。米国は先に、親イラン派武装組織のイラク拠点を空爆。これに抗議する武装集団とその支持者が数十人、米大使館周辺に集結していた。
米大使館の警備員が催涙ガスや銃を使用し、抗議活動は直ちに沈静化したが、数十人は大使館周辺に設置したテントに立てこもった。公に話す権限がないとして匿名を条件に述べた事情に詳しい関係者によると、米大使はじめ外交官らは2日前に退去していた。大使館の建物自体は攻撃を免れたという。
つまり、報道されてるよりずっと危機感があるってことでしょう。あんなドでかい大使館を捨てるってことは。
アメリカがイラクを占領したまま動かないってことそのものにイラついているイラク人が多数いるってことを無視してる西側の姿勢は問題でしょう、まずもって。みんながみんな日本人みたいに占領に気づかない人たちばかりではないのよ。
Unrest at US embassy reveals Iraqis are fed up with American ‘occupiers’
https://www.rt.com/news/477210-iraq-embassy-siege-analysts/
ふと、ひょっとして、昔、イラン革命の時にテヘランにいた米の軍人、職員たちが取るものもとりあえず出て行ったという時のようなことになったりして、などと思った。事情は異なるとはいえ、そんなことあるわけない、と言い切れるのだろうか?というところまでは来てるなぁって感じ。
■ 新冷戦、ユーラシアと?
そんな中、アメリカの雑誌の中でまだしもマシな見取りを持った人が時々出てくるThe American Conservative(アメリカン・コンサーバティブ)を開けたら、
新冷戦って、ユーラシアとやるわけ?という記事が下の写真付きで出ていた。
A New Cold War…With Eurasia?
https://www.theamericanconservative.com/articles/a-new-cold-war-with-eurasia/
何に対して「???」と言っているかというと、昨年末、イランとロシア、中国がオマーン沖で初の共同軍事演習を行ったことを受けて、Financial Timesが、
ロシア、中国、イランが軍事演習をしたことを、「中東における米国の影響に対する直接的な挑戦」と書いていることに対してこの筆者は「?」と言っている。
The headline in the December 28 Financial Times was modest, even if it did appear on the front page: “US rivals launch Mideast war games.” As the newspaper put it, “Russia, China, and Iran launched their first joint naval exercises in the Gulf of Oman yesterday, throwing down a direct challenge to U.S. influence in the Middle East.”
つまり、この3つを相手に何かしろってか、って意味。
大変ですね。
■ 1979年はもう来ない
で、この話はこういうことではなかろうか。
80年代のアフガン戦争のムジャヒディーンは、パキスタン領主体のいわゆる「ペシャワール・セブン」が有名だけど、他に、イランの「テヘラン・エイト」と呼ばれるグループもいた。中国もマオイストの一派が加担してた。
つまり、ソ連領の南側に万遍なくムジャヒディーンが走り回れるネットワーク(ロジスティックス)を構成してた。これは改めて考えるにまったくの世界戦争だったんだなってな趣。
また、政治的には、西側(欧州、日本、米国の3極)が、イランと中国を従えてソ連と戦争していたわけだから、これがつまり後の西側の万能感の温床だったのかもしれない、とも言えるでしょう。
イランと中国が西側の手の中にある状態で、ソ連をぶっ壊した。それによって一部に基地外じみた金持ち集団が出来たが、他の人にとっては別に何もいいことはなかった。
しかし政治言論を支えるクラスター(アカデミア、ジャーナリズム)は、まだこの「夢の競演」みたいなのを願望しているのではなかろうか。つまり、中国、イラン、ロシアを団結させなければ、そして団結から抜けた奴を西側に付ければ、まだ西側は強いのだ、って感じ。
流れとしてはこれ。
ボルカー:ペトロダラー→アフガン→ソ連崩壊→911→今ここ
だけど、中国、イラン、ロシアの側に立って考えれば、どっちみち使ったらポイ捨てして、翌日から敵にするような奴ら(巨大な例:想像を絶する作戦)に付いてて何がどうなるよ、って話でしょう。
北朝鮮問題も同様。リビアのガーダッフィ―は、ブッシュ政権時代に核プログラムを捨てた。だからアメリカとはある種の手打ちになっていた。ところが、政権が代わったら、リビアをNATO軍が攻撃してガーダッフィを惨殺して、リビアという国を崩壊させた。
つまり、アメリカとの約束というのは今日何の価値もないことがここに例としてある。
これがアメリカが、あるいは西側が置かれた現状。
誰も信用してない。破られてもいいもの、あるいは破られたらまだ対策が取れるものしか約束できない、みたいな感じですね。
ということで、西側各国に求められるのは、もう「夢の競演」はないってことを早く認めることになるんでしょう。その上で各国の国内事情を立て直す、と。
しかしながら、こういうことがなかなか出来ないのが世の常でもある。ってことは、より一層混乱していく以外に道はない。これも世の常。
さて、小生の昔話を少し。ペレストロイカ後期にモスクワのロシア人友人宅に数ヶ月居候したことがあります。あらゆるものが壊れたように見える時代で、「生きる為の闘い」という言葉を非常に多く聞きました。人間、パンと塩と水があれば死ぬことはないさ、と言っていたものの、砂糖が配給制になり次は塩かマッチ(ガス着火の必需品)という噂に怯えていた記憶があります。そして現在の年の瀬モスクワの景色。
https://www.youtube.com/watch?v=eLdM_4PkWH0&t=
https://www.youtube.com/watch?v=CM6inBswsbo
僕は全くの田舎者なので都会の新年の飾り付け等想像出来ませんが、この動画でも評されているように今やモスクワのそれは世界一流のものになっているのではないでしょうか。テレビではモスクワはヨーロッパ有数の観光都市になったと報じられています。30年前、自分の目の黒いうちに、少しでもマトモな街になれば良いかなと思っていたのですが、今の状況には喜びを通り越して唖然としています。
翻って、今住んでいるこの国の状況。明るい未来は見えるでしょうか。一時のロシアで感じた「絶望」に近いものがあるように思えます。打開手段は、ブログ主様が仰る「西側という宗教」の洗脳から目が覚めることが第一歩ではないでしょうか。そのきっかけになるような「衝撃」が走る年になることを期待しています。
あたたかいお言葉をかけていただき大変ありがとうございます。
モスクワの様子はあちこちで素晴らしいと歓迎されているようですね。
クレムリン広場のスケート場はいつ見てもうらやましいと思ってましたが(ヘタですがスケート好きなんです)、だんだんと飾りが素敵になってきてそこは良い意味の変化ですね。
https://www.youtube.com/watch?v=YsrzhcoWLX8&feature=emb_title
人々が街に出て楽しそうにできるような場にしようという意図がいい。
買い物させよう、どうやって買わせようじゃないというのもポイント高いと思いました。
今年もどうぞいろいろと教えてください!