中曽根がただの政治家ではなく、なにやら背景のある政治家だとは知っているが、これは一体何事なの?
内閣・自民党の合同葬儀に際して、国立大学、私学振興・共催事業団、公立学校共済組合などに、黙祷、半旗で弔意表明をしろと言ってる。
しかも、その手順は「大正元年閣令第一号に準拠し」だそうで、これは明治天皇の葬儀に際しての「大喪中ノ国旗掲揚方」の件であるそうな。
さらには全国の裁判所にも依頼している模様。
弔意表明を最高裁に依頼、内閣府
https://this.kiji.is/689423672536876129
■ MRA
私としては、これはやっぱりMRAがらみだろうかと思ずにはいられない。
中曽根&戦後政治とMRA
道徳再武装運動というのは、Moral Re-Armamentの訳でしばしばMRAと呼ばれている。では一体何を武装しようというのかというと、コミュニズムの進展に対し、我々はクリスチャンの道徳によって対抗する、精神を武装せよ、というのをメソジストの牧師ブックマン氏が1920年代に言い出した運動で、
これが、戦後も生き延び、1949年から、ドイツ、フランス、オランダ、日本等などの国々のリーダーとなるであろう人々を多数呼び集めて、贅沢な会合を持って、そこで、互いに過去を悔いて、反省してる、私も悪かった、今後は和解をとかいって仲良しになる。我々はダークなコミュニズムに抗さなければならないのです、としっかり路線も決められる。
これがつまり、日本の片面講和路線なわけですね。
つまり、アメリカとそのお友だちとだけ講和して、ソ連、中国とは講和しないという路線。
片面講和じゃ講和になってないじゃないかと学者などが反対するものの、吉田他がぶっちぎって、ばんざーい、となってサンフランシスコ会議に行って、そのついでに体育館の裏に呼び出されるようにして日米安保条約に署名させられた、という成り行き。
中曽根さんは、1950年の会議に招かれ将来のリーダーと位置づけられる。wikiの「道徳再武装」の項にはこうある。
1950年(昭和25年)◇中曽根康弘ら国会議員7名・広島市長・長崎市長、石坂泰三・本田親男ら経済人、労働組合代表など72名がMRA国際チームの招待で、スイス・コーを始め独・仏・英を歴訪。吉田茂首相は「1870年日本の代表が西欧に行き、日本の歴史を変えた。今回の日本の代表がコーに行くことによって、新しい日本を築くことになろう」と述べた。
で、そこから、英米の大金持ち、経済人、政治家等々と親しくなるチャンスが生まれ、中曽根は将来の首相と目されるようになった、と昔から言われている。というか、中曽根さんはわりとあっけらかんとそれっぽいことを書いていたりするみたいだ。
ということは、中曽根をあえて一回葬儀も終わってるのに、再度自民党と内閣が称えるということは、この路線の継承の表明という意味なのではあるまいか?
折からの、第二次冷戦みたいな恰好と軌道があうでしょう。
■ EUとロシアの関係はかなりボトム
他方で、西の方ではEUの欧州委員会議長のドイツ人、フォン・デア・ライエンが対ロシア強硬派で、ナワリヌイ事件をきっかけに盛大なロシア悪玉論を展開するのみならず、ロシアはEUの戦略的パートナーになどなれない、と言い切ったことから、
ロシア外相ラブロフが、EUとは見える将来対話できないかもしれないと言ったことがここ数日静かにニュースになってる。
Russia-EU relations unlikely to be good in foreseeable future, says Lavrov
https://tass.com/politics/1212181c
この真ん中のおばさんがフォンデアライエン。
この間ここで書いた通り、
ワイマールからヒトラーへ v.2(ただし気分とカッコだけ)
ナワリヌイ事件は、ドイツがわざとやって、ロシア敵視を確定して、このような世の中では仕方がない、かくなる上はドイツは強くあらねばならない、みたいなことを言っているという成り行きを見ても、ドイツの対ロ強硬派がもちゃもちゃと、いやそこまでは…という態度を取るドイツ外務省を中心とする折り合いましょう派みたいなところを蹴りだした、外交クーデターみたいなものだと思う。
ナチスの国会議事堂放火事件並のインパクトだったと言えるでしょう。どうする気なのかは知りませんけど。
■ ダボスな人たち
で、このフォンデアライエンは、2013年から最近話題の世界経済フォーラムの評議員(理事)でもある。たけなか某と同じ。
since 2013, Minister of Defence. Member of the Board of Trustees of the World Economic Forum.
https://www.weforum.org/agenda/authors/ursula-von-der-leyen
こんな写真が世界経済フォーラムの公式サイトに載ってる。
https://www.weforum.org/about/leadership-and-governance
■ グローバリストの団結?
というわけで、グローバリストさんの本体みたいなところが、なにかこう、一般人のあずかり知らぬところで勝手に団結とかしているらしい気がする今日この頃。
MRAと世界経済フォーラムの関係は、全然わかりません。一般的には前者が右、後者が左のアイデアをよりよく使っていると思う。両建てとか?
だけどまぁ、国民国家、主権在民、民主主義って何だったんだろうかとしみじみと思わされる今日この頃とも言えますね。
でも、これを機会に、学校で習ったような話じゃない話をじゃんじゃんしていけばいいんじゃなかろうかとも思う。
いやしかし、思えばダボス会議みたいなところのアジェンダをそのまま怪しまずに受け取っちゃう風潮とか、たけなか某がなぜそんなに力を持っているのかとか、このおばちゃんに欧州の将来を決める資格がどうしてあるんだと誰も、声の大きい人が真面目に問い詰めていかないところをみれば、グローバリスト会議の後ろは相当に大きなものなんだろう、と考えるべきなんでしょう。前に出てきてる学者等が重要なんじゃない。彼らは小間使い。
私もそれに驚いてる。神嘗祭に全国で弔旗をあげよと指令する政府って、いいのそれ??? みたいな。
神嘗祭は10月17日。これは戦前までは一般人にも影響が及んだが、基本的には伊勢にとって、つまり宮中にとって重要な日付けという言い方もできる。
新嘗祭はいわゆる勤労感謝の日。こっちの方は昔からの一般的な感謝祭のようなもの。
今回の内閣は反伊勢派なのだろうか。それはそれで私は多いに結構と言いたいものがあるけど、いやしかし、だからといって弔旗はないだろうと驚いてる。
http://blog.livedoor.jp/dendrodium/archives/84176812.html
こちらの記事を参考に書いて、フェースブックに出したのですが、
私の記事にしては多くの方がシェアしてくださいました。
やっぱりこの件への関心は高いようですね。
異常ですものね。