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ウクライナ危機の余波: 中国 インドのインフラ支援に意欲

2014-06-12 23:01:55 | 太平洋情勢乱雑怪奇

中国 インドのインフラ支援に意欲
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20140610/k10015100801000.html

インドでは9日、議会で大統領がモディ政権の施政方針について演説し、遅れている国内のインフラ整備について、日本の名前を挙げて支援に期待を示したばかりです。こうしたなか、中国としてもインフラ整備の分野で存在感をアピールすることで、経済立て直しのために日本重視の姿勢を示すモディ新政権を中国側に引き寄せたいというねらいがあるものとみられます

これも一つのウクライナの余波だと私は思ってる。

NHKが言う通り、モディ新政権を中国側に引き寄せたいというねらい、でしょう。

で、こういう問題は目先の経済の効率性がどうした、どっちの技術が優れているとかいう話ではない。つまりこういうことじゃないかとここで考えてみる。

  • まず、去年まで、日本、インド、ロシアがテーブルの下で手を取り合うようになんとなく協力体制になって、やんわり中国包囲網風ができるんじゃないかなになっていた。
  • 米は日本に綱がついている限りいいかな、と。さらに日本、オーストリア、インド、アメリカで準同盟にしちゃおうかな、そうしたらインドをこっちに取れるしね、という大きな欲もある。
  • ところが、ウクライナ危機なんていう迷惑行為発生。アメリカはロシア孤立化を高らかに宣言し、欧州はロシアの敵にまわることになり、さらに世界的にも反露だ、反露とアメリカがうるさい。
  • ロシアはこれは短期的には終わらんなと踏んでチャイナとの関係アピールに出る。
  • そう来ると困ったのはインド。インドは、純粋な経済関係はともかく、軍事でロシアかアメリカを選べとなったら、選択肢はロシアにならざるを得ない。アメリカは内陸にてんで弱いし、同盟しても裏切る人たちだし、パキスタンは敵だし・・・
  • そこですかさずチャイナが、そうでしょ、中露ですよ、中露、ここにあなたも加わりませんかとアピール。11月には軍事演習もします、とさっそく仲良しをアピール。

Sino-India military exercise in November, China stresses on 'mutual trust'
http://economictimes.indiatimes.com/articleshow/36398660.cms?utm_source=contentofinterest&utm_medium=text&utm_campaign=cppst

  • インド、チャイナ、ロシアの関係は、インド、チャイナに紛争があったらロシアはインドに付く仕様(輸出兵器のレベルはインドが上、みたいにしてる)。が、最近ロシアがチャイナにいいもの売るし、インドはちょっとヤキモキしてる。
  • でもここでチャイナの側から、紛争は話し合いで解決しましょ、仲良くしましょ、と来られると、ヤキモキは解決。
  • 一方、ロシアは最近パキスタンへの武器輸出を再開し、インドはロシアに噛みつくという小さいが妙な出来事発生。インドは、私がパキスタンと敵対してるの知ってるくせに、なんでそんなことするの!と大激怒。この意味は何だろう? そんなこと言ったってお前は、アメリカ・日本・オーストリアと組む気なんだろ?というロシアからの鞘当か?(軍事的に問題の大きいものを売ったわけじゃないんだよ、ね、とロシアは一応ごめんね、みたいなことを言っている)

そういうわけで、ウクライナ危機なんていう不要以外の何ものでもないものをやった一団がいたせいで、ひとまず内陸3国は喧嘩しないで組みます、という動きに出ている。

その余波として、沿岸というか海洋というかのグループはそこからちょっと離される可能性が出て来た、ということじゃないかと思う。

で、ロシアも日本もインドも、アメリカの一部(アメリカA)もこれを長期化させたいと思ってないと思う。

しかし、チャイナとすればこのまま行ってもらってOK。しかも、ここで日本とロシアの関係を離せば、チャイナ包囲網は不発に終わる可能性も出て来る。逆にアメリカBを動かして日露離反を強行すれば日本国内がアメリカというものに反感を覚える可能性もある。チャイナにとっては両建て可能な状況かもよ。

(チャイナ包囲網の鍵は、インドとロシアの縦の線を梃に、ロシアと日本の間の線を太くする、っていう仕組みなんでしょうと思う。

しかしこれは、日本を信頼していない米のグループ(アメリカB)から見たら、日本の敵対行為となる可能性が大きい。このまま日本が離れていく切っ掛けになるんじゃないのか、だから。だからこそ南で米を中心とした日本、オーストラリアのグルーピングを作りたい。なんならもっと東南アジアもいれたい。でもここは日本国内でも対立してるのかもね。北信論と南進論みたいに)


ここが落ち着くまでは、内陸国の結託は続くんじゃないんですかね。

何度も同じことを書いてるけど、私は、今回のウクライナ問題では、日本は対露関係で欧州(特にドイツ)に歩調を合わせたわけだけど、これはあんまり賢くなかったかもと思ってます。なぜなら、ドイツはアメリカBと取引してる可能性大だから。(バルバロッサ作戦やってるわけだし

うちはG7だけど、アジアなので関係しません、という態度ですっとぼけた顔をして、対露、対印関係を友好的にもっていくという事業平常通りの姿勢を貫いていた方が良かったと思う。アメリカが~ではあるけど、最終的にその方があんたのためにもなるんだと説得する価値はあったのではなかろうか。

アメリカの外交政策はかなり変な集団が握ってしまっていて、アメリカ人の多くがもう酷く嫌っている状況。世界中の多くの国も国民もちょっとついていけなくなっている(だから国対国というより利害グループをかいくぐるように応戦している感じ)。で、この認識が日本では足らないことがかなり問題だと思う。二国間ではいいとしても、大向こうを前にしたとき、そのアメリカにへいこら従う日本という姿は芳しいものではない。従うにしても自分なりのdiscipline(規律)やら思想、尊厳、戦略が見えないと。この、見える、というのが大事だと思うのよ。

でもまだ全然終わってない。組み合わせはこれからっしょ。

あ、アメリカBとかAとか書いているけど、確実にどのグループなのかがわかって書いているわけではありません。しかし、かなりの確率で利害、考えが対立しているグループがいると想定して考えた方がいいと思うわけです。でもってこのアメリカの分裂状態こそがアメリカの外交方針がぐじゃぐじゃに見える原因なんだろうなぁとか思ってる。


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