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クリミアと沿岸部の鉄道復旧、水も来た、ヘルソンはクリミアの後を追うかも

2022-06-08 01:44:16 | WW1&2
日本のテレビだか新聞だと、ロシア兵はついに腹をすかして犬をくらう、というところまでいったようなんだけど、

ロシア兵、死者数が急増「食べる物がなく犬を食べている」“出兵拒否“相次ぐ


そんな話は多分、かなりの確率で、いやほとんどまったく本当ではない。というか、どうしてそんなことがあり得ると思うのか、まったく謎。想像力って素晴らしい???


むしろ、最近は、確かにドンバスの残りの部分などでは戦闘をしているけど、それ以外の東部、南部はむしろ復興ネタが増えてきたように思う。

クリミア半島の真北の部分であるヘルソン地域は、クリミアの後を追うかもしれない、という記事がTASSにあった。これはどうやってロシアに編入するのかの話。犬食べてる人たちのやってることとは思えないわけだが(笑)

Kherson Region may follow in Crimea’s footsteps — authorities

前にも書いたけど、クリミアの後を追うとは住民投票をやって、住民意思でウクライナから抜けてロシアに復帰願い出して、ロシアがいいよという、という手間がかかるけど、確かに正式ではある方法。

しかし、こうしてやったところでクリミアは何年経ってもヨーロッパ人もアメリカ人も自分のものだと思ってやまない(笑)。そこで現地民は、そんなこといってないでこのままロシアになっちゃう、とかある種感覚的なことを言ってたんだけど、多分、正式でなければならない、法的に申し分ないことをしないとならないとクレムリンに説得され、対策を考えているところなのでしょう。

さてそこを含めて、今日は、ロシア領内から、黒海沿岸部経由クリミア行きの鉄道が復旧した模様。

Russia announces opening of mainland road link to Crimea


記事によると、ロシア国防省とロシア鉄道が共同で、約1200キロの区間の鉄道再開を目指して仕事していましたが、このたびようやく条件が整いました、ということである模様。

クリミアへはロシアから海峡大橋を通って行けるけど、そういうことじゃなくてウクライナ内部でクリミア半島との行き来が可能になる、ってことなんでしょうね。

googleマップを切り取るとこんな感じ。食料足らなかったら鉄道でも車でも運べばいいだろう、と、この地図みたらそうとしか思えない。日本の報道陣は地図すら見られない人だらけなのか。南方の島でやってんじゃなくて、陸路でやってるってのがわかってないとか?(笑)



わざわざ横長に取ったのは、ふとボルゴグラード(スターリングラード)が目に入ったから。今度もまた西側はここらへんで負けたわけだなとあらためて思う。

1850年代の事例を含め、なんとしても黒海が欲しいthe Westさんの目論見は今度も潰えたようですね。


それはともかく、マリウポリ、ヘルソンへの商品の配送は既に始まっているという説もあるし、他方で、マリウポリの港は再開され、貨物船が入ってきたらしい。ということで、ここらへんの利便性はぐんとあがっていくことでしょう。

Mariupol seaport receives first cargo ships — Defense Minister

そういえば、解放した場所でロシア軍のトラックが焼きたてのパンを配って歩いてたわけだが、日テレの理解では民間人にパンを焼き過ぎて兵士が腹をすかしているのだろうか。

クリミア半島は北部からの運河も復旧したので、農地も拡大する。また、ドンバス周辺の土地は鉱物資源もあるけど、なにしろ名高い黒土地帯(チェルノーゼム)。多分、パン不足はない(しつこい)。

いやしかし、こんなところでナチを養成して、8年もかけてそこら中を要塞化する暇と金があったら、みんなを豊かにする方を選んだ方がずっとましだったでしょう。そうすれば、今頃みんな親・西側の人間になってたかもしれない。思えば、ナチもこれができなかった。結局、共存型でない人たちの行く末ってみんな同じなのかもしれないね。

そして、これだけのことをするので、ロシアは財政負担も大変だなとは思う。だがしかし、今のところは財政的に苦境という感じは全然ない模様。

なにしろ、第一四半期の国家の収益は35%増、だそうです。どうしてかというと、石油、天然ガスの価格が前年度比で1.8倍になったから。

Russian budget revenues up 35.3% in Q1 — Accounts Chamber
Oil and gas revenues soared by 1.8 times


そもそも、ロシア政府の予算は原油価格は40米ドル以上なら利益、として組んでいると前に言っていた。つまり非常に低い想定で組んでる。そして、60ドルぐらいだと好都合です、とも言っていた。(どうしてかというと、法外に高いと文字通りのテロ支援国家群に利益が行くのを嫌ってた)

そこから見ると、現在、西側が買わない、買わせない運動をして、結果的にインドあたりが市価よりずっと安い割引価格で大量に買っていて(原油はなかなか止められないから売るか貯めるしかない)、そこでの割引価格が70ドルぐらいじゃないかと言われていたんだけど、それでもロシアの企業は利益が出るし、財政的にもOKのラインだ、ってことになる。実際、そうらしい。

じゃあ、プーチンの戦費を減らすのだとかいってEUが一丸となってロシア産原油を禁輸にするという話から、一体どんな「成果」が出るんでしょうか? 

単に、ヨーロッパ人がインド経由の石油製品をこれまでの倍ぐらいの価格で買うようになった、以外に何かあるのだろうか? 

まったくわからない。

いずれにしても、意味不明なことを言おうが、騒ごうが、デマ新聞が仮想戦記を作ろうが、この青いところが外れていくんだろうな、という予想が徐々に実現化している。




■ オマケ

アメリカ財務省の、というか元FRBの、というか、金融屋のお使いのジャネット・イエレンが、上院の財務委員会で、

ロシアの石油は市場に流し続けたい、だが、ロシア政府の収益は減らしたい、と述べた模様。

Yellen told the Senate Finance Committee that US officials were keen to keep Russian oil flowing into the global market.

"But absolutely the objective is to limit the revenue going to Russia," she said.


結局、それでアメとEUがロシア中銀の金は盗むし、ロシア人の資産を差し押さえるし、といった泥棒行為に走ったわけですね。もう、マーケットさえ理解しておらず、私有財産の保護が資本主義にとって、とりわけ信用経済にとって重要であることすら理解していない奴に経済を任せるのは危険だと気付くべきじゃないのか。

まぁそれもこれも結局いきつくところはナチなわけですよ。強奪こそすべて。邪魔なものは排除する。まんま現在の西側ですがな。



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6 コメント

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ヘイトと掠奪のナチスに出来ない国土経営! (ローレライ)
2022-06-08 06:07:31
ヘイトと掠奪のナチス信仰には出来ない国土経営システムを制御するロシアのシステム思考な戦争経営がウクライナ南部で始まった!
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本来のウクライナ (石井)
2022-06-08 07:11:07
2月の「特殊軍事作戦」開始時に、プーチンは「レーニン記念ウクライナ」と言っていましたが、これを裏付けるようにレーニンの書き残した文書がニュースで紹介されていました。要は、「本来の」ウクライナだけでは単なる「農業国」である。ソ連の建前として「労働者と農民の国」にするためにドンバスをくっ付けた。これが、今のウクライナの発祥です。今後どうなるか分かりませんが、「本来のウクライナ」に戻って欲しいと思っています。
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犬を食う (地球戦国)
2022-06-09 16:12:54
犬を食う、これにはびっくり。
リンク先で記事を確かめようとしたのですが、ヤフー日本へは接続できなくなっていました、残念。
「ロシア兵士犬を食う」で検索すると、4月5日にも同じ様な内容が報いじられていることを知りました。

誹謗中傷、ここまでくると、本当に気持ち悪いです。

日本、ここまでロシアを誹謗中傷する手先になって、ロシアの報復が怖い。嘘の仲間入りの日本だから天罰を受けて当然なんでしょうが?

人でなしの手先にさせられたウクライナの人々とも最近は感じ、気の毒であり犠牲者とも思います。最近、ドイツに避難してきたウクライナの人々で故郷へ帰還するという話も伝わってきています。
平穏の訪れだと良いなと思います。
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Unknown (kiyo)
2022-06-09 23:50:42
これが20年前だったらと思うと隔世の感がします。制裁しても産油国はアメリカの言いなりだったわけだし。それが蓋を開けてみればロシアの敵は「先進国」だけだった。しかも、やることなすこと裏目に出て矛盾が噴出。メディアの嘘報道だけが頼りの西側になってしまった。で、このフェイクニュースという名の主流メディア、ウクライナが降参しても勝ったということに仕立て上げるのでしょうか?
どちらにしても世界は大きく力関係が変化していたということが分かります。 
ゼレンスキーは西側に守られているけれど、いずれ内部から排除される可能性はあるのでしょうか?
デニソワの件、ウクライナの現政権は腐敗しきっているので自浄作用が働いているとは思えないし、西側はデニソワの与太話を問い詰めることはまずしないだろうし。何か変な感じがします。
Why Ukraine's human rights chief Lyudmila Denisova was dismissedという記事には
「ゼレンスキー大統領の政権政党「国民の奉仕者」を含む異なる政党のウクライナ国会議員の大多数が、5月31日に不信任投票を行い、リュドミラ・デニソワを解任した。
ウクライナの野党であるティモシェンコ率いる祖国党と、ペトロ・ポロシェンコ元大統領の欧州連帯党は反対票を投じた。デニソワの解任を予想した人はほとんどいなかった。
彼女の任期は来年までだった。憲法も他の法律も、通常、早期の解任を認めていない。しかし、議員たちは、すべての任命権者の解任を認める戒厳令を利用したのである」 
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“ウクライナ”の中身 (ミール)
2022-06-11 06:55:18
Google 地図だから仕方がないとは言え,このウクライナ語式の表記はいやですね.ノヴォロシア地域ではこんな発音はしないのに.

今の“ウクライナ”はガリツィアがキエフを簒奪したようなものですが,彼らがもともと独立国であったと強弁するためにザポロージエ・コサックを我々の先祖と言っているのだから,無理があります.

お示しの地図の Ukrainian Territory in 1654 はそんなウクライナ政府の嘘を認めたような感じがあります.そもそも "Ukrainian Territory" なるものは 1917 年以前には存在しなかったのですから.Ukrainian Territory in 1654 を別の表記にすれば完璧になりましょうか.
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作り直したい (ブログ主)
2022-06-11 16:17:10
ミールさん

そうなんですよ、私もそれは気になってました。この地図は2014年に広まったものですが、その時点ではこれぐらいでいいか、だったのでしょうかね。

しかし、そもそもその「ウクライナ」というアイデアが17世紀に確立されてないわけだから、この部分も嘘なんですよね。

最近、プーチンがピョートル大帝の展示の時に北方大戦争の話をしてましたが、その時期のことが人口に膾炙するにつれ、「ウクライナ」なるものの実体もまぁそんなもの、というのがわかっていくといいなと思いました。

まずはロシア世界での認識が固まればそれでいいので、その他世界は、なんというか、スウェーデン+イギリス+ドイツが作った噓話に付き合わされていたことに「いずれ」気がつく、という成り行きになるものと想像します。
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