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内緒の大戦争は容易ではない

2022-06-05 17:40:59 | WW1&2
3月末にはロシア軍の弾丸が切れるとか、なぜこんなにロシア軍は弱いのかといった話が西側の主流メディアでにぎわっていたものだが、最近はだいぶナラティブが変わってきた。

そして、先週末、ロシアの安全保障会議の副議長で、かつて大統領だったメドベージェフが、キエフ政権(いわゆるウクライナ)がアメリカが与えるミサイルをロシア領内に打ち込んだら、ロシアは「意思決定センター」を撃つ、と言ったというのが知れ渡ってきたことが、地味にアメの世論と政権に影響しているっぽい。

 

このウォーニングは別に今に始まったことではないのだが、今回はメドがいつものようにTelegramに書いたりするだけでなく、アルジャジーラで話している模様。



で、こうした認識はメドだけではなくロシア側から示唆され続けているし、自分でも何やってるかわかっていないこともない、ってことだからこそ、バイデン政権の閣僚が、アメリカはキエフがロシア領内に打ち込まないと信じていると言って見たり、そういうミサイルは送らないといってみたり、なんだりかんだり、整合性のないことを言う事態が繰り返されている。


まぁなんというか、当然なわけですよ。だって、2014年に傀儡政権化し、膨大な予算をかけて好きなようにウクライナ国内の各地を要塞化して、ウクライナ人をNATOが訓練して、その場にはNATO諸国からのトレーナーだの指揮官みたいな人たちが何百人も入り込み、かつ、NATO諸国から7000人ぐらいの傭兵が入り込んでいるのが現在ウクライナで行われている戦争。

これは、実のところまったくのNATO諸国 vs ロシアの戦争なわけです。

それなのに、ウクライナとロシアの中だけで撃ち合って殺し合ってくれ、というのは、ロシア人がノーと言ったらそれまでよ、というケースでしょう。

ロシアはそれを見越しているので、最初からいろんなウォーニングを出している。効いてないわけではない。むしろ、効いてるから暴発に至ってないというべきでしょう。だけど、NATO諸国は、自分は関係がない、という態度をパブリックには取りたがる。

こっちはこっちで、NATO諸国の国民に、「実はこれからロシアと戦争するんですよ!」とは言ってない都合上、もし万が一、ワルシャワ77年ぶり二度目の破壊になったり、NATOの大きな基地のあるイタリア南部、消えました、NATOの馬鹿みたいに巨大な本部の建物が瓦礫の山と化しました、みたいなことになったら、各国民に対して全く言い訳できない。言い訳しても遅いわけだけど。

ゼロヘッジがこの話を書いているので、さらに知る人が増えたっぽい。

Russia Threatens To 'Strike The West' If US-Supplied Rockets Hit Its Territory


で、私が見る限り、知る限り、こういう話しにビビッドに反応できるのは、基本的にアメリカ人が最大手で、ヨーロッパ人はこういうことにすら気づいている人が極めて少ないと思う。

ドイツは自分たちが一体どんなところと組んだのか、今もまだわかってない気がする。ウクライナのナチ・メンタリティーをこじらせたような人たちを一手に引き受けるリスクを勘案せずここまで来たわけだからなぁと遠い目。同情はしないことにしてる。


■ 長い対立

で、しばしば、停戦を求めれば停戦になると考えている人がいるようなんですが、誰が停戦するんでしょうか?

明らかにNATO(US/UK/EU)+日韓という西側(総じて、「ナチ組」)が一致して、何年も前から何事かひねりあげたあげくの果てに今日のウクライナという場におけるバトルがあるわけです。

(事実上の戦争当事者なのは、この青いところ)


しかしそのナチ組の国民は自分が当事者だなんて全然思ってない。ということは、各国の政治機構に詰め寄ろうという機運もない。であれば、このナチ組のリーダー層は各国民に対して、この件に関してフリーハンドのまま行く可能性が高い。

また、中身も問題。ウクライナでNATOとロシアが停戦するということは、西側はウクライナを諦める、黒海を諦める、ロシアを潰す取り組みを少なくとも当面諦める、ということになるわけです。できるんでしょうか? (逆には、一時しのぎだなと思えば、ロシアは応じない)

ということは、これまでの状況から考えて、多分、この対立は長引く。

そして、どうやって決着するのか、誰も定かなことはわからない、って感じじゃないだろうか。

前に、嘘つき帝国は未体験ゾーンに突入していると書いたけど、軍事力を中心としてみた時の未体験ゾーンのみならず、統治と政治に関する未体験ゾーンにも突入していると思う。総じていえば、西側の政治の仕組みって話半分だったよな、みたいな状況。

嘘つき帝国(集合的西側)とナチの敗北&未体験ゾーン


■ オマケ

8年前の6月、ルガンスクのなんてことのない市街地がいきなり空襲された。また地上では、意味不明なまでに場違いな戦車が市街を砲撃した。こうやってここの紛争は始まった。それを一切無視してきたのが西側ナラティブ。逆にいえば、そうまでして一致団結して戦争をしてきたということですね。

 




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7 コメント

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Unknown (一読者)
2022-06-05 21:14:13
ウクライナ政府のフェイクニュースメーカーのデニソワが解任された件が私の知る限りちっとも国内で報道されていないのは日本のマスメディアのレベルが知れた一件だと思いました。欧米メディアはテキトーな解説でお茶を濁してはいるものの最低限報道自体はしていますからね。
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溝は深まるのみ (地球戦国)
2022-06-05 21:47:23
何日か前に前首相のメルケルさんが、ロシアのウクライナ侵攻は国際法の露骨な違反であるとか、ドイツを含めた西側のロシアの侵略戦争阻止するための取り組みを支持する。さらにブッチャにおける銃撃、人権侵害等、無限の悲しみなどとロシアを批判。

これは西側諸国のウクライナ支援を肯定していると、私は受け止めました。

石井さんが2022年3月20日にコメントされたプーチン声明を読み返しました。プーチン大統領の声明を理解でき、特殊軍事作戦に踏み切った大統領の決断を支持出来るのです。

人権侵害を語るなら、ミンスク合意も反故にして、8年間も人でなし軍隊に人権を奪われ、さらに命を奪われた人々にも触れるべきでしょうに。前首相も所詮西側の一方的な立場に過ぎなかった。今になり自覚した己を恥じます。

ヴァーゲンクネヒト議員は、ウクライナへの武器の供給に反対し、対話による解決策を主張されている事に微かな光を見出してもいるのですが。難しい。解決策はあるのでしょうか、と。

かなり前ですが、サッカーの試合が始まる前に、スタンドに反人種差別という標語が掲げられていました。クラブの為ならば国境を越えて良い選手を獲得する。偏見も生まれて当然だったからでしょう(?)

DEEPLY JAPANさんの投稿を拝読しながら思ったことですが、西側諸国のロシア嫌い、敵意、恐怖症とうこれが西側と東側の溝が深まる原因と勝手に考えています、その原因はロシアに対する「偏見、差別」等に起因している?あるいは単に世界征服の一環。

名無しの在日さんのコメントを拝読して、私は在独の立場として、異なる行動や感覚で生活していて、異端にみられてもいるのだとも思います。心の底で、死に場所は生まれ故郷の日本、そして両親の墓にと。
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昔なら,ウクライナ事変! (ローレライ)
2022-06-05 22:17:32
西側は,国内ジノサイトしたウクライナにロシアの救援軍を呼び込むして、朝鮮戦争の手口でウクライナ事変を勃発させて局地戦争にロシアが治める甘えた姿勢で経済的には第三次オイルショックを発動している!
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正義の仲間 (地球戦国)
2022-06-06 03:27:29
DEEPLY JAPAN
@DTJTakumi
Westはロシアに対して団結したが他の国を含められなかった。by ベルルスコーニ

まさにその通り。Westだけが世界じゃなかった。ロシアにはお友達がたくさんいる。ただそれだけ。

DEEPLY JAPANさんのTWがすべてを語っていいると、心底感じます。

アメリカが怖くて我慢していたけど、ロシアが強くなって、正義を語る。西側以外は大喜び。真実を知って、西側の多くの市民もお友達になれると良い。
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なるようになってほしい (ブログ主Takumi)
2022-06-06 07:01:47
地球戦国さん

どうも、こんにちは。

インドの外相が、ヨーロッパは自分のマインドセットから抜け出る必要がある
ヨーロッパの問題は世界の問題じゃない
世界の問題もヨーロッパの問題じゃない

と言ったというのがちょっとした話題みたいです。

“Europe has to grow out of the mindset that Europe’s problems are the world’s problems, but the world’s problems are not Europe’s problems. If it is you, it’s yours, if it is me, it’s ours." — Subrahmanyam Jaishankar, Indian Foreign Minister


そう、なんというか、the Westの締め付けを喜んでる人たちばかりの訳はないというただそれだけだと思うと、気が楽になりますね。
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意思決定センター (地球戦国)
2022-06-06 18:32:50
かつて西ドイツの地図製作会社の担当者が東ドイツの情報収集力は凄いものがあった。東ドイツは西ドイツの高速道路や一般道にかかっている橋の強度を入手していた。これらは西ドイツでは一般には知られていなかった。戦火を交える事になれば重車両や戦車の重量に耐えられる橋を進軍せねばならず、その為に強度情報を完璧に収集していたと。東ドイツはソ連占領下で正しく情報収集能力を高めていたんだろうと、勝手に想像していました。

ロシアの言う「意思決定センター」も正確に把握しているんでしょう。米軍の欧州アフリカ本部とNATOの空軍本部があると言われる場所は直線距離にして100Kmほど、その中間に我が家はあります。

知人によると米軍の駐屯地、平常時ならば犬の散歩に最適な敷地に戦車を多く見かけるようになったとの事。少々怖くなりました。

アメリカは自由だ民主主義だと難癖をつけて弱い者虐め的に侵略略奪を繰り返してきたと思うのです。ですが、ロシアには通じない。経済制裁でも制裁をかけた国々の方がダメージは大。ロシアの戦闘能力の高さをもアメリカが悟ればと願っています。利己的ですが「意思決定センター」が我が家近郊で無い事を!!!!
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ケジメ (セコイアの娘)
2022-06-07 08:23:12
非常にこの状態、Uncomfortableです。
停戦→終戦のシナリオが全く見えない、しかも、メディアの態度が微妙に変化していて、うやむやのうちにフェードアウトさせたいのかと勘ぐりたくなる。
ケジメを付けないということは、ずっと続くということです。たとえ、それが表に出ないとしても。

ウクライナには終戦(停戦、休戦ではなく)
コロナには安全宣言

それだけです。私が欲しいのは。
もう、うんざりだ。
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