今日はお昼近くに安部さんが撃たれ、夕方死亡のニュースが流れた。
明らかに殺意を持って近寄って発砲して人を殺した山上という男の背景は何なのか、目的は何なのかというのはもちろん大問題で、いろいろ思うところはある。
だがしかし、それはそれとして今日は要人警護ってこんなのでいいの?という点をメモしておきたい。
そもそも、好むと好まざるとにかかわらず安部氏は元総理で、今もまだ完全に政界からふっきれた人でない、その意味で実力者なのに、なぜ、あんな平場で演説してるの???というのにまず驚いた。市会議員選挙の選挙ならまだしも、といった設定ではなかろうか。
いわゆる街宣車の上でやるというのが通常じゃないかと思うんだが、どうしてそうならなかったのだろう。ああいう高いところに登ると目立って物騒みたいだけど、上から警備の人が下を見張れるという利点もあるんだろうと思われる。また、車の上を狙うためには角度の問題からそれなりの距離を出せる銃が必要となり、それは通常長い。そうだと人の目につき、警備に発見されやすい、みたいな副次的な効果もありそう。
今回の惨劇の場所は、360度オープンな場所で、演説者はほとんど平らなところに立って、前や横は見えるが、後ろは見えない。その後ろが封鎖されておらず、犯人は、道を隔てたところからゆうゆうと狙いを定めることができた。(一方を交通封鎖して三方を見張る、みたいなことなら警備も楽だと思われる)
つまり、この警備計画がまずもって大問題でしょう、これ、と思った。
自民党奈良県連は何を根拠にこれでいいと思ったのか。私の人生の中で、応援に入る大物政治家があんな平場で演説するなんて見たことないです。
さらに、問題の銃撃の場面。夜になって最も近い場所から撮影されたと思しき動画を発見した。それで疑問が解けたのではなく、疑問が確定した、みたいな気持ちで、どうなってんのと驚いてるが。
安倍さんの銃撃の時の手前から撮影された映像からすると、これは
— くもどん (@ksg881) July 8, 2022
SPの失態100%だと思います。助けられたはずの命を怠慢で落としてしまった。。。 pic.twitter.com/EMoJ9hxI70
1発目が来た時の様子がこれ。安部ちゃんはまだ話してる。
警備に当たってる人たちを含めて狙撃犯の方を向く人と、反射的に身をすくめる人。
誰も、安部に接近しない。要人警護ならこの瞬間にSPの意識は圧倒的に警護対象の要人に向いて、要人を引きずるとか、しゃがませるなどして、自分がその上に伏せる、みたいなことが予想されるところ。
2秒後、あれ、と安部ちゃんも振り向く。
見えづらいけど、SPの人がカバンの盾を広げて応戦していて、位置的に安部と犯人の線上にいるんだろうと思う。
だがしかし、2発目を撃たれた。そして、ここでも、この2秒の間にも、安部が倒れる数秒の間も誰も安部を庇ってない。
どうなってるんだというのが私の率直な気持ち。
特別に安部だからどうのというのではなく、元首相をテロ行為を働く不法者から守るというのはどんな国でも重要な仕事じゃなかろうか。別に民主主義に限らない。ほとんど古今東西そうだと思う。
応戦する要員と同時に、警護対象者にかぶさる要員がいればよかったんだろうとは思う。上の2秒の間に誰かが安部を押し倒して、咄嗟に、せめてかがませていれば当たらなかった可能性はかなりあるのでは?
でもできなかった。調整が全然できていなかったということなのか。
警視庁から奈良に行ったSPは1人だけで、残りは奈良県警の人らしいので、そこらも含めて、考え方に一致、集中が見られなかったということだろうか。
多分、通常の警察とSPって職掌が異なるでしょう。警察は犯人に気がいく、SPはどうあれ、犯人が逃亡しようとも要人の身体保護優先、ぐらいの差はあるのでは? こういう齟齬が咄嗟の判断に影響するんだろうと思われる。
ということで、いやもう、しかし、こんなんありなのかと驚いた。
でもって、何か、今の日本を象徴しているところがあるのかもとも思った。各種の組織はちゃんとしているはずだ、とみんな思ってるが、なにかあんまりちゃんとしてない。
しかし、60年代とか70年代みたいに、どうなってるんだー、何をしてるんだーと怒声を含んだ元気な批判もない。主要紙は遠回しに疑問を呈してみる、ぐらいしかできない。人々もそれに慣らされている。結果、問題点を正せない。でも大きな声の批判がないから、人々は適当に満足していることにされてしまう、みたいな感じ。
■ 暗殺が多い国
で、日本では、なにかこう日本は治安が良いという言い方を無批判に受け取る向きが多いけど、実際には、戦前の首相は暗殺された人多数。ネットでも書いてる人がいっぱいたので、ちょっと拝借。
・1906 伊藤博文 ハルビン駅で射殺
・1921 原敬 東京駅で刺殺
・1930 浜口雄幸 東京駅で射殺
・1932 犬養毅 5.15事件で射殺
・1936 斉藤実 2.26事件で射殺
・1936 高橋是清 2.26事件で射殺
わずか30年でこれだけってスゴイ。
戦後は首相は未遂だけど、でも、浅沼稲次郎暗殺事件のように、非常に重要なインパクトを伴った事件もあった。また、石井紘基さんのような物凄い、誰が見てもおかしな事件がおかしな事件のままに放置される事件もある。
そういうわけで、日本はどちらかといえば重要時の暗殺が結構多い国なんじゃなかろうかと思う。困ったことだ。
いずれにしても、安部さんの奥さんとご高齢のお母さんにはお悔やみを申し上げたい。
まるで令和の伊藤博文暗殺である。
元総理(しかも長期政権)の警護がこんなもんかと。
ありえないです。
日本、どうしちゃったのですか?
電気が足りないだの、通信障害だの(実家の老いた両親に連絡が取れず、心配した)、土石流で集落丸ごと流されるだの、インフレなのに、給与が上がらないだの、挙げ句の果て、元総理がいとも簡単にパーンって暗殺されて、何故こんなに劣化しちゃったの?
年寄りの繰り言のようで恐縮ですが、昔はこんなじゃなかった。
そうでしょ。私もこの手薄さ加減に驚いた。
そして、犯人が悪いというのは当然だけど、でもその前に重要人物の警護がこれと知り、へなへなへなという感じなわけです。
通信障害もそうだし、思えば、原発の予備電源がケーブルあわなくて使えませんでしたという世紀のずっこけもあった。
これからが夏も本番。ブログ主様お元気でありますよう。
昭和の暗殺犯は、戦後も元気。浜口雄幸の時の佐郷谷留吉、5・15事件の三上卓など。ある方のブログで(小日向白朗を調べていて見つけた)そういう方々が戦後、お家に集まってこられていたと読みました。「スメラミコト、バンザイ」とか言うらしいです。浅沼稲次郎暗殺犯の少年を事件の前、面倒みて指導していたのは、このブログ主のお父さんの友人杉本正義。
2・26事件の青年将校とは、扱いが違っていると不思議に思いました。彼らは暗黒裁判で即死刑でしたから。永田鉄山暗殺犯も死刑でした。
違いがずっと気になっている。
この動画の体勢とはまったく矛盾しています.
また,2発めでは間にSPが入っていますが,弾を受けていません.にもかかわらず安倍元首相は被弾とは,散弾であれば考えられないことです.
闇が深いと思います.
いやもう、辻褄あわなすぎだと多くの人が感づくぐらい辻褄があってない。
これをこのままにするんだろうか、というのがむしろ焦点のような。どうなることやら。
振り向かずに、即、伏せたら無事だったと思う。
後方で警備の人らしき人に突き飛ばされた女の子が心配です。仰向けにひっくり返された。こういうのって後で後遺症出るので。普通の人はどうでも良いのかな?
犯人とされた男のいう宗教団体の名前が表に出てこない。
安倍さんは一発目は失敗だったから、優秀なSPがいれば無事だったかも。
昨年暮れのモスクワでのエネルギーサミット、プーチンさん、薄暗い廊下でCNBCの記者につかまって、長いインタビューに応じていた。お付きもそんなにいる気配なく、いれば、こんな所で外国の記者が質問なんか出来ないだろうし。
凄い警備がついていると思っていたので、ビックリした。プーチンさんなら自分で警戒しているだろうけれど。