スプートニクに出ていた、アメリカ人の元外交官の小さな記事の翻訳。
米元外交官「我々はまるで殺人民族、国内でも外国でも」
http://jp.sputniknews.com/us/20160102/1399152.html#ixzz3wFoqND87
ダン・シンプソンさんという元外交官の人であるらしい。
元記事を探した。ここ。
Dan Simpson: Peace on Earth? Not until the U.S. stops selling arms and making war
December 30, 2015 12:00 AM
http://www.post-gazette.com/opinion/2015/12/30/Dan-Simpson-Peace-on-Earth-Not-until-the-U-S-stops-selling-arms-and-making-war/stories/201512290018
地上に平和? 米国が武器取引をやめて戦争を作ってる限りないね、という感じ。
外では俺らはkiller(殺人者)だとみなされてるし、自分があった人はみんな私たち(米国)は狂ってると思ってる。事実上ほとんどの人が、世界にとって危険なのは私たちだと思ってる、という下りがあるけど、まぁ実際、少なくとも最近の米国はへんですよ、と言わない人はポジショントークをする関係者かニュースに疎い人以外いなくなったというのが思えば2015年の結論のような気もする。
日本にとっても無関係でないのは、最後から2番目のパラグラフか。ジブチについて。
米国はソマリアに政府がなく、ジブチ政府は金でどうとでもなることを利用して、そこに軍事拠点を確立した。そこには正当な理由もなく何千もの米兵がいて爆撃機、ドローンがおいてある。これはペンタゴンによる不要で供給主導型のアフリカへの介入を表している。
The United States also has used the absence of government in Somalia and the venality of the government of Djibouti to establish a military outpost in Djibouti. There are now thousands of U.S. troops, fighter bombers and a drone base there, with no good reason. This represents an unneeded, Pentagon supply-driven intervention in Africa.
イエメンは、なんでそんなのありなの的にサウジアラビアが攻撃しまくってるけど、そこに米軍が介入していないのか否かは誰もはっきりしたことを言ってないとも書いている。
このへんは、アメリカの保守派の一部がず~っと懸念していること。
で、まぁその、このペンタゴンという供給側がリードしてなんかするというこの姿勢がまったくもって問題の本質なんだろうなと思いますね。
つまり、武器を売りたい、売るためにはそこに戦争がなけりゃいかん。じゃあ作ろうってんでバカみたいに紛争の種を作っていく。そこにCIAだの、ムジャヒディーンとその変容(アルカイダとかISISとか)として雇ってる傭兵だのという彼らのアセット(資産)がそれぞれの必要性(供給側)のために関与していく。
ついでにいえば、この記事でもインドとのからみで非常にさりげなく示唆しているけど、武器を売るというのが実際には突破口に過ぎないってのもポイントなんだと思うな。
武器を売るとなったら軍事顧問だのアナリストだのなんだのという一式が投入されていって、当該国にある種の米軍の拠点ができていくというスキームが問題。で、それは逆に考えれば当該国は事実上軍事的に抑えられてしまう、ってことになる。
しかもそこに、政府と大企業が一緒になってついてくるから、米国に拠点を作らせたら最後、インチキな反政府キャンペーンだの自由だ民主だのをスローガンにした各種キャンペーンを背後の軍事組織込みで許してしまう結果になる。南米では長いこと米大使館こそクーデーターの拠点とか言われていたと聞くけど、これは実際正しいわけでしょう。
(日本の場合はこれを日米合同委員会が代わりにやってました、みたいな感じなんでしょうね。)
と考えてくると、殺人者と呼ばれているよりも事態はもっと悪くて、騒乱を起こしてそれを利用して自己の目的を達成しようとするから、ほとんどなんてか、彼らは人類の敵扱いされているようにさえ思う今日この頃ですね。
■ 追記
上の元記事を読み返して思うに、やっぱりインドを米軍の武器の大顧客にしようとアメリカは何年も工作してきたのにできなかった、ってのは結構な大事なんだろうなと思いましたです。
Could it be that India is aware that American arms are invariably accompanied by American military advisers to train and support their foreign customers?
ひょっとして、インドはアメリカの武器には顧客を訓練しサポートするためのアメリカ人の軍事顧問が常に伴われているってことに気がついちゃったんだろうか?
と冗談っぽく書いてるけど、そんなことはインドは先刻承知でその中で妥協できるラインを探していただけでしょう。(このへんで書いた通り。ロシア&インド:BN-800効果は存在するのか)
で、問題はインドだけでなく、イランもそうだし、エジプトは知ってたけどどうしようもなかったけどそうでない道があるのならと方向変えるだろうし、ってんで、地域の大国グループがまるごとアメリカを排除したくなる機運になっていくってな方向に行ってることじゃないでしょうか。上海条約機構もあることだし。
ますますNATOと日本に売らな、になるんでしょうが、そうすると、これら西側諸国はそのためにユーラシア全域と戦争せないかんになるんですかね。バカみたいな話。