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シリア:停戦できるのか 51:49:0(3)

2016-02-19 01:25:02 | 欧州情勢複雑怪奇

いやいやいろいろ押し詰まってますね的な状況ですね。

日本のパーな国会議員の話もいろいろ言いたいことはあるんだけど、そんなパーな話は後回しって感じ。

今日のトルコの爆弾事件をトルコとその仲間たちはどう蹴りをつけるのか。これは重大な局面でしょう。

で、興味深いのは、日経が日本の報道としてはかなりちゃんとしたまとめを書いていた。

テロ再発、揺れるトルコ 「イスラム国」掃討に陰
http://www.nikkei.com/article/DGXLASGM18H7C_Y6A210C1FF2000/

このまとめも、大きな欠点はあるもののうまい。

 

大きな欠点とは何か。

それは、トルコはIS支援の現地総大将みたいなポジションだということがすっぽり抜けていることでしょう。なんせ、石油強盗を完全バックアップしてた話が日本の報道ではほとんど出なかった。

ロシア国防省、エルドアンとIS問題の資料を出す
http://blog.goo.ne.jp/deeplyjapan/e/80bcaff0336f8e63e093021e585b6e1f

 

あらためて見るに、ラッカの意味がまたわかりますね、これ。(この続き

で、そうやって恣意的にいろいろ抜いて、話の骨格を作り変えていくのが、まぁプロのプロパガンダ部隊なんでしょうね。その意味では感心するけど。

で、その結果としての日経の記事の最後は、でもやっぱりバカなまとめになっちゃうんですよ。

シリアのアサド政権の打倒を優先するトルコやサウジアラビア、延命を模索するロシア、IS駆逐を最重要視する米国、難民流入を抑制したい欧州――。シリア 内戦を巡る各国の思惑はバラバラで、終結に向けた糸口をつかめないでいる。トルコを襲った新たなテロは各国の足並みの乱れをさらに助長しかねない。

IS駆逐を最重要課題にしているのが米国で、ロシアの思惑はアサドの延命、なんだそうだ。

IS対策を最重要視するならロシアと組めと、多くの政治家、軍関係者が言っても言ってもできず、現実には地上の米軍の一部が暗々裏にというより、部分的には協定を結んでロシア(というよりシリア連合だが)と協力し、ケリーもだいたい承認してる、が、ケリーはアメリカに帰ると別のことを語り、オバマはあられもない、意味不明なことをただ演説してるという、ある種の分裂病状態なのがアメリカなのね。

だから、各国の思惑が異なるというより、各国に2つの系統があり、一方がサウジ、トルコを前線とするハイパーアクティブ側で(その先兵がISで)、もう一方はシリア連合を前線とし、他の国は別のこの連合が好きって話じゃないけど、ハイパーアクティブ勢力が狂人すぎるので恐々と最悪の事態を回避する方向で、なにごとも中和してまわってる、みたいな感じにみえる。

そうやって考えると、日本はどこなの? ハイパーアクティブに全部かけました、みたいなまたまた真珠湾式じゃないでしょうね!!

 

いずれにしても、オールタナティブが充実しているアメリカ、英語圏、それにつられた欧州各国語圏、あるいは逆にロシアを発信源としたその周辺のスラブグループ、そして中東、イラン、中国では、西側の説明とは異なる説明を享受することができるのに対して、日本は本当にあっさりと単線の公式理解が主流になってしまうんだなぁと、これが怖い。ってか、結局昔もこんな感じだったのかもなぁとかも思う。


 

満州事変はなぜ起きたのか (中公選書)
筒井 清忠
中央公論新社

 

昭和陸軍全史 (講談社現代新書)
川田稔
講談社

 


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1 コメント

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『IsNATO連合のガラパゴス』 (ローレライ)
2016-02-19 08:05:55
『IsNATO連合のガラパゴス』空間が日本でオウムのサティアンみたいな国。
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