さっきエントリーした、宮台さんと神保さんのビデオニュースのコメンタリーで、もう一つ面白いところがあった。
アメリカ国内の変化を語って終わりに向かう途中、40分から、宮台氏が、ちょっとだけいいですかと言って自分から話題を降り出した。
以下、文字起こししちゃう。
・・・朝鮮戦争を中心とする冷戦体制の深刻化を背景にして、一回公職追放した人たちを公職復帰させて、なおかつ、わかりやすく言えば中曽根的な意味での極東の「不沈空母」のように1940年体制を復活させたんですね、それアメリカの意図。
もちろんその前の段階で天皇制を残したのもアメリカの意図。
結局、ここ(ビデオニュース)でも扱ったように、イタリヤやドイツは戦前の体制を完全に払しょくするわけだけど、日本はアメリカの意思で国体を温存させてもらっちゃったんですね。
そうすると2つのことが生じる。
国体を温存させてもらっちゃった人たちはアメリカに足を向けて寝れない、と。
もう一つ僕が繰り返し強調したいことは、そういう存在、つまり、国体は、やはり、切れていなかった。要するに、ポツダム宣言、あるいはサンフランシスコ講和条約第11条、要は極東裁判図式ですよ、
A級戦犯が悪かった、国民は悪くなかった
っていうんじゃなくて、
A級戦犯も悪くなかったんだ!という人間たちが生き延びている、
というのはアメリカのおかげなんですよ。
もっと言えば、対米ケツなめ路線をずっと続けるがゆえに、存在できるんですよ。
安倍晋三さんが安保法制を通じて対米ケツなめ路線スロットル全開みたいなのと、
靖国神社参拝を含む、ポツダム宣言的なものを拒絶するかのような、アメリカでも不人気な振舞いを
両方やるのはどういうことなのかと、学生からも聞かれたりしたこともあったんですが、
そんなの一目瞭然じゃないか、アメリカのケツをなめているから、それこそカッコつきの言いたい放題が許されているというだけで表裏一体なんですよ
私もこの理解に賛成。
前にも書いたけど、安倍ちゃん内閣とは、同床異夢で、あっちにもこっちにもおいしそうなことを言って、何一つ実行しない。でも、そのムードだけでも人は集まるでしょ? 事実、ネトサポだかネトウヨだか知らないけど、安倍ちゃんは日本のために、日本の名誉を回復するために行動しているのだ、みたいな雲をつかむような話に乗った人たちがたくさんいる。
他方、実際支持している多数は、むしろアベノミクスでトクした人たちではなかろうか。こっちの人たちは、株価の上昇やら規制の緩和、博労の復権(派遣法の改正)等々、どう考えても保守派が今後の国の行方を心配する際に選択するとは思えない、単なるグローバリスト系メンタリティーの人たちを喜ばせる。
そうかと思えば、軍需産業に大盤振る舞いしたり、各国にばらまいてキックバック路線を作ってあげたり、と、こっちも怠りない。
と、これら同床異夢を他人に見させて、総合的にみればみんなを裏切るんだけど、そんなことの何が悪いのかわからないのが安倍ちゃん政権の本質でしょう。
支持したのはお前だ、で終わり。
満州を取りに行って最後に敗戦した日本とやっぱり似てる。
一般人は戦争指導にあたってなんらの権利も権限もないのに、盛大に人命を失い、財産を失ったがそれは等しく受忍せよと言われ、最近では敗戦責任まで負わされる(A級戦犯だけが悪いのではない、とは国民全体が悪いのだという意味)。
一方で、指導した側は、責任を問われた人すら少数で、戦後も社会復帰し、将官は高額の軍人恩給をもらい、最近では戦争責任までなくなる模様。
それもこれも、お前は国民だから仕方がない、で終わりという理屈なんでしょう。
■ 生き延びた勢力の妄想はマジ
ぐちゃぐちゃ書いてるけど、要するに根幹にあるのは、「主権在民」「基本的人権の尊重」「戦争放棄」へのシステムへの変更を破棄したいということなんだろうね。というか、最初から今までずっと認めない、と。
自民党が出したあの憲法草案は、最低でも一部にとって本気だった、ということ、と。
そういうわけで、自民党内をよく知る小林節先生が頑強に安保法制反対、立憲主義を守れとおっしゃるのも無理はない、と再度、再再度思う。
安保法制を開けたら日本会議が見えた
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