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国家と社会福祉などという前に

2016-03-08 23:52:59 | 太平洋情勢乱雑怪奇

この間

ネオコンとの戦い@ジャパン

これを見ると、何年か前に見た、非常に貧乏な人を国家は支援すべきかの統計調査で34カ国中日本だけがダントツで数値が低かった(救うべき、という人が少ないという意味)という調査結果を思い出す。出どころはピューリサーチのもので私も気になったので原文で確認してある。後で(また?)衝撃の図表をキャプチャして貼ろうかなと思う。出典はここね

http://www.pewglobal.org/files/pdf/258.pdf

と書いてことを守って下のとおりキャプチャしました。

この調査は、ピューリサーチが2007年に行ったものなのでいささか古いんですが、最近の保育園問題とか子どもの貧困問題なんかを見ているとやっぱりこのリサーチは示唆的だったなと思った次第。

下図は、「非常に貧しい人々を国家はお世話すべきだと思いますか」

という答えに対する世界34カ国の答えの一覧。上のURLの原文18ページにあった図を見やすいように横に並べました。

青は、「完全に同意」

水色は「だいたい同意」

 

この図を見ると、非常に多くのところで青と水色を足して8割から9割の人々が、非常に貧しい人々に対する国家の支援に同意か、だいたい同意している。

左3番目のブロックは西欧州、その下は東欧州+ロシアって感じでこのへんが高い止まりなのはまぁ通常見ててもそんな感じだけど、その他も押しなべて高いことがわかる。

それに対して青と水色を加えて7割前後なのは、アメリカ、エジプト、ヨルダン、日本、ガーナあたり。

その中でも日本の様子は他とはかなり異なることがわかると思います。青がとても少ない。

で、私がこの図をずっと以前に見た時に、げげげげげと思ったのは、日本でなにがしかの生活の苦しさ(直接的な金銭だけとは限らない)に直面した人はこの数値が表すよりおさらに苦しいだろうと思ったから。

■ 国家支援がなければ民間?

何を言いたいのかといえば、

アメリカやカナダなどで、貧しい人々を国家は支援すべきかと問われてノーと言った人々は、そういう人は勝手にしろ、自己責任一本、ではない可能性が高いということ。

アメリカもカナダも、あるいはイギリスも、キリスト教をはじめとした各種宗教団体のコミュニティーや、移民してきた各民族、各地域ごとのコミュニティー、あるいはなんらかのヒューマンライツ系の団体が非常にたくさんある。だから、国家が支援しないでもいいじゃないかと考えた人たちの多くはおそらく、こういう、人々による自発的な支援体制が望ましいと考えた可能性は高いと思うわけです。

私自身、北米のその2か国の居住体験があって、その中でそれら多種多様なコミュニティーなるものがあることを見ていたし、私も何かの機会にそういう中に入ってというか、顔だして、覗いて、みたいな程度ではあるけど体験したことは幾度もある。

なんてのか、窓口みたいなのが多くあるということは、苦境(繰り返しますがお金だけじゃない)のピーク時に一呼吸できるところがあるということだと思うんです。止まり木みたいな。で、そこで誰かに話してそこから打開の方法が見てて来たりもするんですよね。社会福祉関係の知識、心理学的知識等々のある人へのルートも見分けやすい。

その他、スープキッチンはもちろん、スーパーマーケットチェーンが何カ月かに一回食料の寄付を募ってるのを見たりもした。大型の箱みたいなのが入口にあって、そこに個人が思い思い缶詰とか袋菓子とか入れていって、どういう仕掛けなのか聞かなかったけど、後でスーパーの人だかNGOなんだか知らないけど食料を必要としている人たちが取りに来るか届けるかするんでしょうね、多分。

でね、この多分という温さもいいと思うんですよね。誰かが不正をしてみんな食べちゃうんじゃないかと見張ってるみたいな雰囲気はゼロ。そもそも、自分が誰か見知らぬ人に届くよう入れた缶詰がどうなろうと知らないと言うのがいいんじゃなかろうかと私は思った。つまり、あくまで善意を信じる作りだったんだろうなと思う。スープキッチン(いわゆる炊き出しみたいなもの)だって、誰が食べに来てもいいわけだしね。そうそう、年末になると大金持ちの人がそういう場に大金を寄付するみたいなことがローカルニュースになることもあった。

まぁジェネラス(物惜しみしない)な場があるというのは社会的に良いことだと私は思いました。

エジプト、ヨルダンなんかはイスラム教の教会組織、いろんな団体ってのがありそうですよね。

で、日本ですよ。日本って見渡す限りそういうのが少ない社会って言っていいと思うわけです。別に個々の日本人がそうだというのじゃないのに現状はそうだよな、とか思う。

日本の宗教団体って完全クローズ型の囲い込みか、世俗にはかかわりませんっぽい「ありがたい」感じのところが大部分じゃないかと思うわけで、これってどうなのとしばしば思う。

ということは、日本国民が困った時の一時止まりの場所は役所だのみになっちゃう。ってかそこしかない。これはいかんと私は思ってるけど、しかしオールタナティブとまで言える宗教組織もない。

その上さらに、そういうことを考えると、お前は左翼だとかいう風潮が本当にあるというのも実は地味に大きいと思う。

というわけで、上の表の結果が示唆するものは、日本人にとって芳しいものとは思えないとかつて思い、今も思う。

これ以上こうならないためにどうしたらいいんだろう。とりあえず、私は注意を喚起したいのでしました。


 

 

 


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2 コメント

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『セーフティーネットを嫌うサーカス』 (ローレライ)
2016-03-09 05:28:33
日本人は『セーフティーネットを嫌うサーカス』嗜好があって自身の首を絞める幼児的な社会である。『マイノリティ』な皆さんもちゃんと『セーフティーネット』を確保しているか疑問?
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幼稚というより抑圧的 (ブログ主)
2016-03-09 07:19:54
いや、私は最近日本人個々人が幼稚だからという説は可能な限り取らないようにしてるんです。

だって、一人ひとりを考えると他国人とそんなに差があるようには思えないから。取り立てて悪くもないが、取り立てて(特に日本人の多くがやたらに自国を褒めるほど)良くもない、って感じ。

ということはこれは何かの抑圧装置があると考える方が合理的だ、と思ってるわけです。
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