高浜原発再稼働を差し止める判決を大津地裁が出した。司法の側の判断だけど、考えてみれば、明日311から5年目を迎える中、原発再稼働方針は揺るぎませんという勇気は政権にはなかったという事じゃないかと言う気もする。
だって、もし政権が本気ならどんな手を使っても司法の判断ぐらいひっくり返す国でしょ、日本って。
でも、要するに日本のエスタブリッシュメント(または影の政府?)が簡単に動かせるのは三権の上層部だけであって、その下の一般人に支えられた部分を動かすことは容易ではない、ということなんじゃないかという気もする。
つまり、植民地によくあり、清朝末期では買弁政治家というテクニカルタームまであったそういう、外国資本のために働く部分と、一般民衆、つまりあえて言うなら「原住民」との戦いがここにあるのかなぁという気もする。
さてしかし、何かどうも流れが変わったような気がしないでもない。アメリカ国内の様子もそう。
で、どの地点が非常に大きかったかといえば私は前にも書いた通り、昨年9月28日のプーチンの国連演説とそれからいくばくもしないうちに開始されたシリア政府と協働したロシア軍の活躍だろうと思う。
これによって、シリアを取って、中東をスンニ派優位で占領し落ち着かせる(落ち着かないんだけどね)というプランが壊れた。そして、その試みはそこを拠点としたウクライナ、コーカサス方面へのジハードっつか傭兵ってかの投入というプランも実行不可能になってきた。
ということなんだろうと思うわけです。つまり、この達成に賭けていた側が負けたっつーことですね。
■ 西側は10月を目途としていた?
さてそこで、1カ月ぐらい前にロンドンの新聞Evening Standardに出ていたという、駐英ロシア大使のぽろっとした一言の話が思い起こされる。Alexander Mercourisが書いていた小さな記事によれば、この大使は、
昨年夏、私たちは西側のパートナーたちに10月にはダマスカスがISに落ちるだろうと言われていた。
彼らがその次に何を計画していたのか私たちは知らない。おそらく、彼らは過激派を白に塗って(善良なものにみせることに成功し)、その人たちをイラク、シリアにまたがるスンニ派の国として受け入れるつもりだったのじゃないか。
“Last summer we were told by our Western partners that in October Damascus would fall to IS (ie. the Islamic State - AM).
What they were planning to do next we don’t know. Probably, they would have ended up painting the extremists white and accepting them as a Sunni state straddling Iraq and Syria”.
と語ったのだそうだ。
今となって考えるにこれは本当だったようだ、って感じですよね。ダマスカスをISとアルヌスラ等のアルカイダ、つまるところCIA他が育てた勢力に取らせて、その後でどうしようーみたいな白々しい対策会議をして、シリアでアサドはどれほど酷かったか云々かんぬんやって、誰だか知らんおにーちゃんたちを、善良な奴らに見せかけてその場を取らせる、と。
思えばコソボを取った時と似てる。
で、ロシア側(+イラン他)はそのプランが見えていたから、国連総会を通して世界中になぜロシアが出張るのかを宣言した上で攻勢をかけたと。
誰がISなのかをプーチンが2014年のバルダイ会議で話す動画を前に紹介したけど、その動画は今みたら現在既に、7,117,085 ビューを記録していた。
じわじわ来てるプーチン in US
で書いたやつ。もう一回リンクしようか。これ。
Putin Tells Everyone Exactly Who Created ISIS
また、この意味も大きかった。
ロシア国防省、エルドアンとIS問題の資料を出す
http://blog.goo.ne.jp/deeplyjapan/e/80bcaff0336f8e63e093021e585b6e1f
途中、トルコがロシア軍機を撃墜するという騒動もあったけど、ともあれ、駐英大使がなんの気なしに「ぽろっと」なんてことはありそうにないので、だいたいこんな感じでしたとある程度振り返ることができます、という意味で言ったってことでOKでしょうか。
で、そのへんからシリア問題における米ロの協調路線がしっかりしてきたのは、ISを使ったダマスカス(シリア)奪還の目論見は失敗しましたの表明、というところ。
■ 日本の安保法制のスケジュール
で、思うのは、昨夏の日本の安保法制騒動はこの幻に終わった「10月にはダマスカスにはISの旗が翻るぜ」作戦のスケジュールに合わせてたんじゃないっすかね。
理屈はなんでもまぁ適当につけて、要するにこのスケジュールの後に、イスラエル、トルコ、サウジのためにピースキーパーを出すって話。
そのためには、何が起こるかわからないからできるだけ現場判断で動けるようにしたかった、と。最終的には存立危機事態たらいうへんな概念さえ意味がなかったわけだし。
さらには、最近安倍ちゃん回りにはアゲインストの風が吹いているように見えるのは、親分が失敗したってことじゃなかろうか・・・。少なくともその疑いは残ります。
なんてか、自衛隊をthe West がそこら中で買い集めてるがなかなか量が確保できない、質も確保できない傭兵と同列として使おうって話ですかね。お前らほんとになー、と私はあきれてる。
そうであればこそ、この法案に反対した志位さんの演説が保守派による大演説にしか聞こえないというのも無理はなかった、ってことでしょう。
これこれ。
ただし、ベトナム戦争のさいには、日本の協力は、在日米軍基地の使用にとどまりました。イラク戦争のさいには、自衛隊を派兵しましたが、「非戦闘地域」での支援にとどまりました。しかしこの法案が通れば、根本的に事態は変わってきます。米国の無法な戦争に、自衛隊が武力行使をもって参戦することになります。日本が侵略国の仲間入りをすることになるわけでありまして、その危険性ははかりしれないといわなければなりません。
国軍がわからない保守って何?
■ 仔犬あべちゃんの意味
ということは、9月の国連総会の時に、安倍ちゃんがプーチンに仔犬のように走り寄って本気でうれしそうだったのは、「ああよかった、会ってもらえた!」だったってことでしょうか。こんなことやってるから怒られると思ったけど会ってもらえた、みたいな(笑)。
で、プーチンも穏やかにうれしそうな顔してたけど、腹の中で思っていたことは、「まぁでも、あんたらそんなに危険なことにはならんと思うから、いいんじゃないの」みたいな感じ?
自衛隊に万一のことがあったらそれを利用してまたぞろ靖国がどうしたに利用しようという有意の勢力はあるわけです。
そうなって日本が暴走しはじめても日本人はそれを止めらない確率大。
それはロシアももちろん、中国もジャパンハンドラーズ以外のアメリカにとっても利益じゃない。
そこで、ロシアはシリアで精を出し、中米は適宜なんとなく東アジアにフォーカスするようにしてた、みたいな感じではなかろうか、と。
私らなんなのよ状態ですが、実際止められない私たちですから外部環境しか頼れないのね(泣)。
ここを読んだ時思わず笑い出したのですが、
笑いながら、涙が滲み出していたのでした。
何とも情けない国になったものですね、私達の日本は。
なんとかせな、ですよね、ほんと。
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/51186
平成30年4月27日
http://www.mofa.go.jp/mofaj/na/fa/page23_001541.html
アメリカ合衆国