唐突ですが、日本時間の深夜から今朝方にかけて、米ロ英仏中の5か国が共同声明を出した。
米ロ英仏中、共同声明で核戦争を否定 核不拡散を確約
ホワイトハウスの声明のリンク
声明の最初に書いてある一言がわけても重要なので記念にハイライトしてスクシャしてみた。
私たちは、核戦争に勝者はおらず、核戦争は決して戦ってはならないことを確認する
We affirm that a nuclear war cannot be won and must never be fought.
これはつまり、核戦争は勝てる派の敗北ということ。概ね、いわゆるネオコンのこと。または、ABM条約を破壊したブッシュ息子のこと。
あるいは、日本でいうならそれを信じ込んだ、にわかに表れた核武装をすべきだ派のことと言ってもいいでしょう。安部ぽんはこの場合、ブッシュ息子に相当するんですかね。似てるかも。
で、どうしてそんなことが持ち上がったのかというと、このブログで何度も書きましたが、90年代のエリティン時代のロシアは、アメリカの傀儡政権にされていたわけです。だから、ロシアの政府の中にCIAが堂々と入り込んでいるのみならず、軍事施設も丸裸になっていた(本当にすべてだったかは議論のあるところだが)。
だから、ロシアには報復能力はない、という想定が成り立ち、であれば、核戦争は勝てる、打ったもん勝ちやないか、となり、核戦略から見た時の冷戦期の安定の基礎であったABM条約をアメリカのブッシュ息子が一方的に破棄した。もう、ロシアは同等でないからこれでいい、という意味。
だがしかし、上述の通り、当時ですら本当に本当にすべてが丸裸だったかは疑問のあるところ(CIAが命じてロシア軍全軍が言うことを聞くのか?)。
だけど、いずれにしてもそれをそのままにしておくロシアなのか、という重要な問題が残り、事実、そうはならず、ロシアが体制を立て直して、今度こそ本当に、ロシアから「一極支配などという夢はもう捨てろ」という事態となったどころか、ロシアは極超音速のミサイルと防衛網を構築し、むしろ、西側の優位性なるものがPR作戦にしか存在してなくね???になっているのが今日この頃なわけですよ。
これが今日の声明への重要なステップ。
プーチンの2018年一般教書演説:強制MAD
MADとは、冷戦期に生きてた人ならみんな知ってる、相互確証破壊状態のこと。つまり、核戦争したら両方が確実に滅びる、だからやらない、という設計で冷戦時代があった。それをぶち壊したのが、ネオコンであり、そこにEUがくっつき、日本がぶらさがり、となって、あっという間に、相互確証破壊というアイデアが消え去っていった。まったく怖い時代。
これにより、NATO/USの蛮行が止まらなくなり、ご覧の通りの、ユーゴ、イラク、etc.における悲惨な結果がもたらされた。
とはいえ、ロシアは、声明だして「はい」おしまいというわけにはいかないので、多分、ルーマニア、ポーランドへのミサイル配備の問題が具体的なブツとして交渉されるんじゃなかろうか。もしNATO側が譲歩しないならロシアはベラルーシに同様の施設を作るぞ、になるのかな。
そこで悶着はあるだろうけど、ともあれ、内緒で戦争してるNATOの内緒が内緒でなくなってきたことはめでたい。
なんども書いてますが、ネオコン+一極支配妄想派というのは、本当に迷惑な存在だった。各国でその手先をあぶり出して裁判にかけて重罪に処していい存在。
■ オマケ
そこでロシア外務省の炎のザハロワ報道官が一言。
その宣言は、ロシアがイニシアティブを取って作ったものです。
Joint statement of five nuclear powers’ leaders initiated by Russia - diplomat
上述の通りもちろんそう。よーーやく、アメリカ+英仏が飲んだということ。
逆にいえば、ここまでの30年間、これらの国々は恐ろしいことを考えていたということをザハロワの発言は照らしだしている。
■ オマケ2
日本にとってはこの問題がとても重要。
先制攻撃が得意な日本が帰ってくるらしい
日本ってナショナルに、先制攻撃歓迎派だと思う。ナショナルに、ナチュラルにネオコンなの。そして、それで失敗したのにまったく学習能力がないところもネオコンと似てる。むしろ、ネオコンのプロトタイプは大日本帝国なんじゃないかと思うほど。
■ オマケ3
🇷🇺@mfa_russia on Joint #P5 Statement on Preventing #NuclearWar and Avoiding Arms Races:
— Russian Mission Vienna (@mission_rf) January 3, 2022
💬The P5 document complements & develops previously adopted bilateral statements of #Russia w/ 🇺🇸#US & 🇨🇳#China.
🔗https://t.co/u48oyTIaQy
[*a very satisfying addition to our graph below⬇️] pic.twitter.com/tffGvimpQQ
ミサイル+防衛網ですが、まぁそれはそれとして、仮にこれらのロシアのラインナップがなくても、核戦争をしたがる馬鹿を放置できないと思う正常派は西側にもいたと思います。
つまり、国境を越えて、総出で、基地外を操縦席から追い出しているようなものだと思う。
しかし鳩山政権が記者クラブを開放しようとしたけれど頓挫させられましたよね(それだけが理由ではないでしょうが)
私は民主主義が悪いとは思わないのですが、しがらみが多くて操作しやすい弱点がある(しかも間接支配なので責任の所在が誤魔化しやすく黒幕にたどり着きにくい)のでそこを突かれているのだと思う。
実際に所謂西側諸国に攻撃されている国は責任の所在がハッキリしていますよね。
だけど、きちんと機能すれば民主主義自体は良いシステムなので冷静さを失わない事が大事でしょう。
確か、私がこのブログに初めてコメントしたのは安倍がマスコミに叩かれているからと言って安易に擁護する事に疑問を呈した内容だったと思います。
安倍の悪事を叩き過ぎても逆効果でしたよね?
冷静に安倍の政策の問題点について議論すべきだったけれど、多くの人がいつの間にか安倍を叩く事(擁護する事)が目的へと誘導されていました。
やり方は巧妙になってきていると感じられるので「自分は何をすべきなのか?」「この方法でその目的は達せられるのか?」を見失わない様にすれば(そういう人が一定数になれば)日本も変われると思いますよ。
川内 博史
@kawauchihiroshi
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1月4日
外交文書は動詞が大事だと、外務省の方に教えていただいたことがある。
この場合「確認」しただけであって、核戦争しないことに「合意」したわけではない、ことに留意する必要があるのでは?
即ち「合意」は約束だが「確認」は約束ではない、ということ。
もう一歩必要だ。
安保理の核5大国の「確認」から「合意」への格上げは大事だが、
我々日本人にとっては一番近い北朝鮮との合意こそが一番大事で、まさに
「もう一歩必要だ。」