プーチン大統領、北の核について2000年頃から語ってみる

昨日、プーチンが妙なことを言い出していた。

モスクワで開かれたRussian Energy Week(REW) Energy Efficiency and Energy Development International Forumという、エネルギー関連のフォーラムに出てきていったらしい。

これまでのところTASSとノボスチしか伝えていない模様だが、私はTASS国際版で読んだ。

これ。

Putin says Kim Jong-il told him about North Korea’s nukes back in early 2000s
Russian Politics & Diplomacy
October 04, 15:40 UTC+3

http://tass.com/politics/968939

 

プーチンが言ったのは、TASSの記事を順番に追いかけるとこんな感じ。

2001年、日本を訪問する途中で北朝鮮に立ち寄った。そこで、現在のリーダーのお父さんである金正日さんに会った。彼は、原爆を持っていると私に言った。さらに、ソウルは標準的な砲撃体制の射程内内にあるとも言った。

これは2001年ですよ。そして今は2017年。北朝鮮はこの間恒常的な制裁下にあって、そして原爆じゃなくて水爆を持ってる、と。

しかし、北朝鮮の銀行口座をブロックすると決めたのはちょうど一週間後でした。誰かが、北朝鮮が負った義務では足らないと考え、まだ何かできる、そうすべきだと思ったからです。しかし、それこそまさに彼らが合意したものでした。彼らを挑発した理由は何でしょう？　彼らは直ちにあらゆる協定から抜け、核プログラムを開始し始めました。そして私たちは現在こうなっているわけです。

 

原文は長いから省略。タスはNHKと違って1カ月後には存在しないってことはない仕様。

3番目のパラグラフはほとんど謎解きしないとわからん、って話。

2001年（2000年かも。後述）という早い時期に金融制裁をかけて口座取引をできなくした、それがきっかけとなって核プログラムに移行した、と言っているんですよね、これは。

 

多分、プーチンが2001年と言っているのは全部2000年ではなかろか。2001年は911があった年。

プーチンの訪日は2001年ではなくて、2000年7月と9月。7月は九州・沖縄サミット。9月が公式訪問。

http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/russia/cv/r_putin.html

 

北朝鮮の方はどうかと思って wikiのロシア・北朝鮮関係を見るに、

金正日氏は、プーチンが出て来た時、これでようやく交渉できる奴がでてきたわい、みたいなことを言ったらしい。そして、2000年4月にはプーチン大統領の平壌訪問の準備が密かに進められ、同年7月、ロシア・北朝鮮の共同宣言に署名された、という成り行き。

ロシア語の方を見ると、ソ連が崩壊してエリチンが権力を握ると、ロシア・北朝鮮間の契約関係は大きく弱められた。これは例えば、金日成が亡くなった時ロシアが公式にお悔みを出さなかったことに見て取れる。その後2000年にプーチンが登場し、平壌の訪問が成って、様々な協力契約が成立した、とある。

つまりぶっちゃけて言えば、エリチンはアメリカの傀儡政権だったのでそこでソ連・北朝鮮の関係を壊されたが、プーチンが登場して回復を図ったってことですね。

その翌年からは911をきっかけとした「大野蛮人時代」みたいなことになって現在に至る、と。

ちなみに、2000年の日本は、4月小渕さんが倒れ「五人組」の跋扈により森が登場、その後11月に森内閣打倒をめざした加藤さんの乱が発生した、奇妙な奇妙な年で、ここから清和会時代がやってきた。古い人が知っている自民党が終わった年でもあったわけですね、今から考えれば。

 

で、プーチンの昨日の発言は、要するに、事ここに至ったビッグ・ピクチャーを俺は見てるからな、という表明でしょう・・・。

 

■ オマケ

プーチン大統領、「北」の核で新証言

https://headlines.yahoo.co.jp/videonews/fnn?a=20171005-00000464-fnn-int

プーチン大統領は4日、モスクワで開かれたフォーラムで、「(2000年ごろ)日本に行く途中で、北朝鮮に立ち寄った。今の指導者の父(金正日総書記)と会ったが、彼は原爆を持っていると言った」と述べたうえで、「北朝鮮は長年にわたる制裁下でも、原爆から水爆を保有するまでになった。力ずくで、ものをいっても、体制を強くするだけだ」と語り、北朝鮮問題を対話で解決するよう、あらためて訴えた。
プーチン大統領は、2000年に平壌(ピョンヤン)を訪問し、金正日総書記と会談している。

 

 

この記事には、上の謎めいた第3パラグラフは載ってない。