DEEPLY JAPAN

古い話も今の話も、それでもやっぱり、ずっと日本!
Truly, honestly, DEEPLY JAPAN!

「日米指揮権密約の研究」by IWJを視聴した

2017-10-04 21:09:29 | 太平洋情勢乱雑怪奇

 

午後、twitterを見てあちこち移動したら岩上さんのところのライブ中継が目に留まった。

末浪靖司さんという矢部さんたちが明らかにしている戦後すぐからの日米密約体制をこれまで解いてきた方たちの一人。

どんな方なんやろかと思って見たら関西弁をお話になるおじいさん。深刻極まる話なのだがお話が面白くて、ついつい見て、途中ご飯の時間なので後で動画化されたら見直そうと思って断念する。家事をすまして動画を開けるとまだ続いていた。都合5時間ぐらい話してはったのではなかろうか?

末浪 靖司さんがお話になったことは、この本でまとめられているそう。10月12日発売とのこと。

「日米指揮権密約」の研究:自衛隊はなぜ、海外へ派兵されるのか (「戦後再発見」双書6)
末浪 靖司
創元社

 

「戦後再発見」双書6
「日米指揮権密約」の研究
自衛隊はなぜ、海外へ派兵されるのか

https://www.sogensha.co.jp/productlist/detail?id=3812

 

一言で言って、前にも書いたけど、戦後の日本というのは、アメリカの属国ではなくて、アメリカの太平洋軍の属領みたいな位置づけなのだなと改めて知る。いやほんと、つくづくとそうなんだなと。

そして、自衛隊は、今日多くの人が知っている通り朝鮮戦争の時に日本の基地を守るための武装組織として整えられて、その後それが進展してきただけなので、基本的にとてつもなく米軍と一体化している。

さてしかし、ここに一つの歯止めがあってそれが日本国憲法なのだなと改めて思った。日本国は擬装にせよ主権国家であるわけで、それを規定するのが日本国憲法。これを持った存在として、日本は国連に加盟して一つの主権国家として他国から承認されている。だから、日本国民は、これを盾に、自国軍の行方を差配する権利は私たちにございます、と言うことができる形になっている(現実的には、これによって自衛隊が外国軍の指揮権下で運用される事態を防いでいる)。

現在自民+偽の希望+維+公が行おうとしているのは、この権利をはく奪すること、と私は理解する。

それによって、1945年以来営々と続けられてきた、米と日本の上流層による、日本という組織をまるごと太平洋軍の属領としておくこの現実の仕様が合法化される、と。

別の言い方をすれば、日本国民は現在 de jure法的権利を日本国民の統治に対して持っているが、de fact 事実上それは別の主体の下に置かれている。今般の安倍クーデターを含めた一連の動きは、権利に合わせるのではなくて、事実上の状態を正式な法的な枠組みにすること、というべきか。

 

でね。こう書くとそんな陰謀みたいな、みたいに思う人がいるかもしれない。しかしよく考えてみれば、成り行きこそ密約だらけだが、最終的に出来上がる予定の仕組みはそれほど見ず知らずではないのかもしれない。

つまり、欧州各国のそれと似るのであろうということ。

欧州各国はEUによって主権を半減されただけでなく、実はNATOによって、自国の意思の発動としての戦争を奪われている。NATO各国の国民は誰もウクライナで人殺しをしたいとかロシアと戦争をしたいとか思っていないだろう。しかし、NATOが仕掛けてそれを選択したら否応なしにそれに連動させられる。

誰か他の人が起こした戦争を自分の名で承認させられるような恰好。

で、それによって発生したあらゆるデマやあらゆる経済制裁によって欧州各国は現実の被害を受けている。経済制裁をかけることで自分の側でも損害が出ている。しかし、それでも各国はNATOが敷いた体制を拒否できていない。(相当程度、現実的な抵抗はしているものの)

というわけで、自民+偽の希望+維+公が行っていることは、日本をそういう具合にハンドルしていただくために、自ら進み出る隷属化というところなんでしょう。

だから、現在起こっていることは、イデオロギーの対立でもなければ左右対立でもない。もっと根源的な何かだ。が、70年このかたそのように条件付けられているため、多くの日本国民は多分気付かない。

ただ、現状完全に終わりでもないようには思うのは、前に書いた通り、この仕組みに気が付いた人が(仕掛ける側が想定する以上に)存在すること。

「偽の希望事件」

 

いやしかし、日本の指導者層というのはなんという人たちなのだろうかと呆れるばかりだし、どうしてああも普通でないのかといえば、やっぱりそれは戦前期に仕込んだ天皇こそすべてといったカルト的なものの見方、考え方のせいだろうとしみじみ思う。といってこれは現実の生身の天皇またはそれを生み出した家系に対する敬意ではないの。全然。雑駁にいえば、天皇を利用して、「上」には逆らわないというメンタリティーを作って、それを維持しているということだと思う。

 

まぁねぇ、こういう体制こそが戦前で、生き延びた多くの人はその体制を二度と繰り返してはならないと思ったからこそ現在の憲法は支持されてきたわけだが、最近になってこれを「押し付け憲法論」という情緒で押しまくって、現在に至ったんだなぁと遠い目をしてしまう。

 

■ オマケ

前原は裏切られたのか、バカだから騙されたのかという考えをお持ちの人が多数ネット上に見られるけど、そうじゃないでしょう。この人は、つい最近Iwjのインタビューで、緊急事態条項を知らないと言った人ですよ。嘘に決まってる。

岩上安身の取材で「緊急事態条項」について「まさにナチス」と危機感を示した枝野氏と「自民改憲案? 読んでいない。緊急事態条項? 初めて知った」とトボけた前原氏――両者の違いは明白! 2017.10.3

http://iwj.co.jp/wj/open/archives/399880

 

■ オマケ2:主流ジャーナリズムはジャーナリストたちじゃないから

テレビをほとんど見ないんだけど3極と言っているらしい。それ現実的なわけ?

 

■ オマケ3

砂川事件判決(1959年3月)というのが本当に大きなターニングポイントだった。なぜならここでミソがついたら、翌年の安保改定ができなくなるおそれがあったから。

ということは、砂川事件から判決を超えて、安保闘争というのは実に理解しやすい話。外国軍基地を日本に置くことは果たして正しいのか、日本にとって危険ではないのか、と疑問に思った人々が安保に反対した、という話。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A0%82%E5%B7%9D%E4%BA%8B%E4%BB%B6

しかし、最近まで60年安保についてそのような視点は提供されていなかったのではなかろうか? 何か、左翼学生の騒動のようにしか受け止められていない。これって最初からそうなのだろうか、それともナラティブが変化したのだろうか。

 


 


コメント (4)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 希望というより単なる日本会... | トップ | プーチン大統領、北の核につ... »
最新の画像もっと見る

4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
『主権返上したがる日本上級国民カースト』 (ローレライ)
2017-10-05 07:57:04
『主権返上したがる日本上級国民』とは『日本のカースト制』をアメリカ軍に保障させたい!と言う事。『ヨーロッパも新アンシャンレジーム制』だから『国民主権を否定』する体制。
返信する
それならそれで (ブログ主)
2017-10-05 14:24:33
ローレライさん、

日本国民としては腸煮えくり返ってますが、それが我が国国民の選択ならもうどうしようもないってところはありますね。勝手に没落しよう、みたいな。
返信する
憲法改正 (私は黙らない)
2017-10-10 06:55:33
だからね、私は最初から言ってるんです。これは三極じゃなくて、二極だって。争点は安保と憲法改正。原発だ、消費税だって言ってるけど、立憲民主、共産党、社民党は、改憲勢力が何を言おうと、この選挙は憲法改正を問う選挙だと声高に言い続けなくちゃいけない。バカメディアが何と言おうと、この選挙の争点は安保と憲法改正だと。昨年夏の熱気を忘れるでない。
それからね、小池のマーケティング選挙、何とかなりませんか。政策を置き去りにしたイメージ選挙の元祖はクリントン夫か。クリントンのチェンジ、オバマのイエス、アイキャン(だったっけ?)トランプのメイクアメリカグレート、そして小池のしがらみからの脱却?この人、この手法、どこから学んできたの?中身のないスローガンに騙されるでない。「いや、小池は違う」とのたまうのであれば、では、小池と自民の違いを具体的に述べてみよ。
返信する
いやでも皆さん気付いてないですから (ブログ主)
2017-10-10 15:17:11
私は黙らないさん、

私もそう思ってますよ ^^;
でも、多くの日本人はそうは思ってない or なんとなくそうなんだろうがどうでもいい、のどちらかなのでこのまま進む可能性が大でしょう。

テレビがダメなこともあるけど、自民党ネトサポ等の影響でネットに来てもへんなのものが多すぎ、というのも大きかったですね。ここが北米とは異なりました(終わってるみたいですが)。
返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

太平洋情勢乱雑怪奇」カテゴリの最新記事