エド・シュルツというアメリカ人のTVパーソナリティーが亡くなった。64歳。
Legendary anchor Ed Schultz dead at 64
Published time: 5 Jul, 2018 17:30
Edited time: 5 Jul, 2018 18:15
https://www.rt.com/usa/431834-anchor-ed-schultz-dead/
このおじさんは、アメリカで有名なパーソナリティーで最初の方は私はよく知らないのだが、近年はMSNBCに出ていた。
見た目は保守層に受けそうなもっちゃりしたおじさんで、アメリカの労働者階級にシンパシーを持ったデモクラッツ側に立場を取っていた人と言っていいんだろうと思う。
が、彼の周りが騒がしくなったのは、彼がバーニー・サンダースを熱烈に支援したから。
支援して、エド・シュルツ・ショーという自分の番組でバーニーの話をし続けた。しかし、実はMSNBCの中ではそこに問題があって、首になって、その後、去年からロシアのRTで彼の時間を持つようになった。ラリー・キングに続くTVで有名な大物の人がRTに移ったということになる。
こんな風に。多分、日本の中で90年代にアメリカの報道を見た人たちが知ってるような話しっぷりは、現在RTアメリカに多くあると言っていいかもしれない。
で、私はRT国際版を見ることが多いので、RTアメリカは全然熱心におっかけていないのだが、おおむね集まってる人はどちらかといえばデモクラッツで、反ヒラリー、つまり反エスタブリッシュメントのたまり場になってるな、ぐらいの感じがする。
しかしロン・ポールは右派だけど、こっちもRTに出てる。が、RTアメリカではないことが多いかもしれない、思えば。
いずれにしても、RTは要するに、アメリカのメディアに干された人たちを出す。だから、余計にアメリカのエスタブリッシュメントが敵視するという循環がここにある。
さてそこで、昨夜エドが亡くなったというので、ちょっと最近どうなんだろうと思ってネットを軽くサーチしたら、そのあたりの話を、2カ月ぐらい前に自分でいろいろ話していたことを知った。
それによれば、エドはバーニーの大統領選挙の出馬表明を中継しようと用意していて、開始5分前に、MSNBCのディレクター(?)から電話がかかってきて、中止を命じられた、と。
MSNBC Ordered Ed Schultz Not To Cover Bernie Sanders, Then Fired Him
こっちは本人だけの話。
Ed Schultz Confirms MSNBC Suppressed Coverage of Bernie Sanders’ 2016 Campaign
https://www.youtube.com/watch?v=3luViu4XDIg
これだけでも、ヒラリーやメディア関係者にとってはマズイ話なんだが、エドはさらにもう一歩言ってる。
RTに移ったわけだけど、米のメインストリームのコーポレットメディアは、自分がRTでああせいこうせいと言われるより遥かに多く命令してる、と言いきっている。
これは、米のメディア業界と民主党の主流派というかグローバリスト本流みたいな人たちを完全に敵にまわしたな、という感じ。
この早すぎた死は疑念を持たれるに決まってるでしょう、やはり。
まぁ要するに、バーニー・サンダースとちゃんと競争しようという気はヒラリー側には一切なかったのは、もう米民主党のおかしな制度でわかったわけだけど、それ以前に、そもそも選挙に出てるバーニーを無視し、現実にもヒラリーやトランプと比べたら圧倒的な差で捨て置かれた。
(バーニーが有名になったのは学生が騒いだり、ネット上がにぎわったことが大きい)
これはロン・ポールの時に比べればまだマシだったとはいえ、それにしても同じようにメディアのさじ加減で大統領を作ろうというやり方が丸見えになった。
ちなみに、エドにしても、他の少数だが意見のはっきりした人たち(例えば、ウィリアム・イングダールなど)は、トランプを反エスタブリッシュメントの候補とは見ていない。本当にそうなら、そもそも報道しない。ロン・ポールやバーニーのような無視のされ方が規定。
ということはトランプはいずれにしても、どこかでエスタブリッシュメントと手を打ってる、となる。
私は、それはそうだと思ってる。多分、軍(+治安機関)が、バーニーだのロンみたいなマジで妥協がなさそうな変革者の候補を恐れて、多少は汲んでくれそうな候補を見つけて来たんだと思ってる。だから、軍は今のところ丸儲けだが、次第に多少の変革も見えたり見えなかったり・・・。しかし、それでもヒラリーよりは遥かにマシ、と私は今でもそう思ってる。ブッシュ父あたりからの動きを一回切っただけで価値がある。
しかし、アメリカにとって、就中アメリカの一般人にとって良い流れにあるとは、まぁあまり思えない。
ということで、最近、このままではいけないと、民主党側を分派しようという気で動いている人たちがいるように見える。例として、walk away運動という、ヒラリーたちみたいなリベラル帝国主義者や、マイノリティーポリティクス頼みのリベラルをやめようという運動が見えたりする。その矢先のエドの死、と捉えるべきなのか否かはあんまりわからいのだが。
また、上の動画の中で話している人も元TVキャスターなんだが、この人は、ロシアとの癒着だ?何を言ってるんだ、と。そりゃロシア人が何か影響を与えようとしたかもしれない。しかし、影響を与えるためにどれだけのことをしたっていうんだ(出てきてるものはいずれもアホみたいな話)、と。
米のコーポレートメディアが一般人に与える影響には、ビリオンズ、ビリオンズ オブ ダラー(何十億ドル≒何千億円、あるいはそれ以上)の金が出てるんだ。
それをかけてまでやることが、公平だと言うのか、と。企業さんは、ビジネスは、公正のために何千億円も出すのか。そんなわけないだろう、と言いきっていた。
主要メディアの現場のホストたちが、もはやどうしようもない、という態度に出てきてるというのは、それらコーポレートメディア、またはその金主にとって脅威だろうなと思う。だって、どうやって偏向を掛けていくのかを肌身で、あるいは自分の口で言った何かによって知ってる人たちだから。
アメリカの中は大変ですわ、ほんと。
でも、政治的に動かそうという機運が高まらない日本との違いも大きいよなとも思う。あんな巨大なコーポレート・メディア軍団、それも一朝一夕にできたのではなくてアングロ・シオニスト・アメリカという流れで出来たものに兆戦しようという人が次から次からいるというのは、いやぁ、大したもんですな、と言いたい。