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30年代に出版されたユダヤ関係の本を読んだ

2014-11-22 00:30:24 | 参考資料-昭和(前期)

アメリカとロシアの対立が治まらず、米露対決により核戦争の危機さえある云々という示唆まで投げかけられている現在ではあるけど、根本的には、ロシアと一部ユダヤの戦いでしょう。

というと陰謀論が~とか言われるわけだけど、でも、そもそもロシアがソ連になった事件であるロシア革命とは、ボルシェビキによる革命であり、その主体者の多くはユダヤ人で、資金源は欧米のユダヤ資本家だったのだから、因縁は浅からぬものが確かにあるわけですね。

最近どこかで、ロシア革命とはユダヤ人の解放運動という側面もあった、といった表現を見たが、それって、ロシア帝国乗っ取りというのが隠せなくなったので多少綺麗ごとを書いているのかしら、などとも思う。ロシア革命とは各地に散っていたユダヤ人たちが大挙して押し寄せロシアを乗っ取り、ロシア皇帝を殺害した事件である、とか書かれるよりいいと。

と、そういうことを私は単なる史実と思って書いているんだが、このへんは到底「正史」ではない。ユダヤ人によるロシア帝国乗っ取りだったとすれば、ソ連とは、コミンテルンとは、に対する理解や認識も変わらざるを得ない大きな話だというのに、概ね伏せられている。

しかし、ではそれがとても厳重な秘密かといえばそういうこともないし、最近分かったのかというとそれも違う。

 

英・米・露に於けるユダヤ人の策

現在、戦前に反ユダヤ主義運動があったという話まではいろんなところに書かれていると思うんだけど、その中でロシア革命との関係まで言及しているものは滅多にない。ところが、どうも戦前の本では結構遠慮なく書かれていた可能性もなくはないようなのだ。

国立国会図書館の近代デジタルライブラリーにあった本。

英・米・露に於けるユダヤ人の策動(国際思想研究所)/1937年
http://kindai.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1438613

著者は、水野斉という方。他にも思想トレンドみたいなものに関して複数著作のある方のようだけど、どういう方なのか私はわかりません。

で、この本はかなりしっかりした本で、楽しい?ユダヤ陰謀論的なものとは一線を画す。ざっと全部目を通したけど、アメリカ、イギリスの産業別にどの産業にユダヤ人が多いのか、文化面ではどうなのかといったことが固有名詞満載で、割合なども出ている。もちろんこれがすべて正しいというつもりはないから、他の本とマッチアップする必要があるだろうけど、全体の傾向として恐らく正しいのではなかろうか、少なくともよく調べてるという感じを思った。また、英文の原典なども多少ついているので、そのへんを参考にして書かれたものと推測。

ロシアについても、そもそも1772年のポーランド分割からロシアとユダヤ人の問題は始まったというところから、一部金融ユダヤ人は皇帝に取り立てられていたけど、それ以外の貧しいユダヤ人に対してはロシア社会はいいものではなくて、それがユダヤ人の革命思想に火をつけていく原因となったという部分を抑えつつも、一方で、そもそも革命はユダヤ人が起こしたもので、革命政権の重要な役職はユダヤ人が大半を占めていてロシアを乗っ取ったことを伏せていない。コミンテルンはまったくもってユダヤ人の組織という言及もあった。

さらに、この本は1937年の発行なので、この時点では、革命第一世代がユダヤ人だらけだったのに比べて、どうもソ連内のユダヤ人の力が落ちているのではないかという興味深い言及もある。

今日から考えるとこの観測は正しいんでしょう。スターリンが途中から国際共産主義とか興味ねーの方向に行ってしまって、その前後にロシア系とユダヤ系の乱闘、激闘、粛清というものがあったとされている時期だから。

昔の人、ちゃんと見てたんだなぁと感心する。

 

■ 1920年代、30年代のユダヤ関係の本

で、近代デジタルライブラリーにどのぐらいユダヤ関係の本が収録されているのか知らないけど、googleしたら、代表的?と思える本を30冊近く拾ってらっしゃる方がいらしたので拝借。

私たちの先輩たちは知っていた
http://gokyo.web.fc2.com/diary2013/d-2013-09-16a.html

このへんを今後読んでみようと思う。

1933年

1937年

  • 支那を毒するユダヤ系英国人(仲木貞一)
  • ユダヤ人の陰謀を曝く(大野慎)
  • コミンテルンの正体は何か : 猶太民族の世界政策(諏訪部一之輔)

 

■ 怖かったのは社会主義思想というよりボルシェビズム

上のリストの中からぱらぱらと5冊ぐらい見て思うんだけど、当時の日本の人たちは、なんでここまでユダヤ問題に入れあげたのか。それはやっぱり、革命という名で体制変更されたり、国を乗っ取られたりということが非常に危惧されていたからでしょうね。怖いのは思想であり、それで動かされるクーデター、と。

ということは、このあたりを認識する人にとっては、ボルシェビキ、コミンテルン、ユダヤ人というのは一体化していただろう。それがどこかからコミンテルンという語だけが残っていったように思う。この変遷も知りたい。

 

いずれにせよ、シベリア出兵でぐずぐずと長いこと駐兵させ、傀儡政権を支援してみたりなんだりかんだりというのは良策ではなかった。だって、総体としてのロシア人にしていれば、ユダヤ人という近しいが外人である人たちに国を乗っ取られて国内が不安定化しているんだから、同時期に国の端っこから外人たる日本人が大挙して入ってきて(当初は対ボルシェビキの援軍だったとしても)そのまま居座るというのは、どう考えても穏やかな話には受け取られない。いつか仕返ししてやるという動機をあっちに与えただろう。

日露協約によって1917年まで協調的にやれていたロシア対策が、一気に国防上の負担になったのは、ロシアがソ連になったからだけでなく、こちらの側の出兵の仕方にも理由はあったと思う。


 

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