環境問題がインチキくさいという話は過去20年ぐらい間断なく話題になっているが、放置した結果、脱炭素社会とかいう意味不明の社会に向かわせられ、それ以上に「アホぼん世界」みたいなものにも向かわせられている感じがする。それも面白くないアホぼん。
小泉息子によれば、
気候変動対策によって日本はいまよりも豊かになるし、次の世代に対する持続可能な産業と雇用、日本の自然や地球環境を守り、災害リスクも下げられる。だからなんとしてもやり切りたいです。
だそうだ。
さらに、菅総理の脱炭素の決断はすばらしい、と。
菅総理は「イデオロギーよりも合理性」という方だと私は見ています。気候変動政策が菅総理になってからぐっと進んだのは、日本の成長のために何が必要なのかを考えた帰結だと思います。総理が「もはや気候変動政策を強化することは、成長の足かせではなく成長のエンジンなんだ」と本当に腹の底から思って、就任直後の所信表明でカーボンニュートラルを宣言された。
こんな話に、こんな見出しを付けちゃうフジ。
「スプーンだけでなくプラスチックすべてが対象だ」
小泉環境相が描く脱炭素社会の未来図
まさに、毎日がエイプリールフールなのかといったところ。
この世の中、もはや何がエイプリルフールなのか分からない
— デーブ・スペクター (@dave_spector) April 1, 2021
■ 気分
で、
日本では年間約1000万トンのプラスチック生産があって、そのうち排出、つまりゴミになるのは約900万トンです。そのうち使い捨てプラと呼ばれる容器包装が約400万トンで、その中にはペットボトル約60万トン、レジ袋約20万トンが含まれます。さらに使い捨てプラにはスプーンやフォークなどが約10万トンあります。
だから、プラスチック容器全体がレジ袋のように扱われるらしく、それがプラスチック新法なる法律の中で何かされる模様。
だがしかしプラスチックというのは原油の副産物のようにして生成されるものを使っているのだから、概ね、油がある限りそれに伴い利用可能な資源とも言える。
まさにおじさんたちが激怒する通り。
重質原油の炭化水素である長い分子を短くするためクラッキング(熱分解)すると、ある「一定の割合で」ナフサ(粗製ガソリン)が生成してしまうのです。ペットボトル・アクリル繊維・ポリ袋など、ナフサはあらゆるプラスチックの原料です。
— 東風吹葉~~Sea Breeze from Far East (@SeaBreezefromF1) April 3, 2021
であれば、そうだ、石油を使うのをやめよう、今日から脱原油だ!と叫んでみればいいのじゃないのか、進次郎。どういう社会になるのか知りませんが。
もうなんというか、一体全体何を達成したいのか全然わからない。
わからないけど、これはマスクをさせるのと似たものがあるとは思う。つまり、個人にその気にさせる、ということが狙いなんでしょう。
ただ石炭火力のときも当初は批判されましたが、結果的に脱炭素に向けた政策が一気に加速しました。このプラスチック新法を始め、環境政策は、一部の産業界だけが取り組むべき問題ではなく、国民全体で考えて欲しいので、使い捨てスプーンのような身近なアイテムから注目してもらおうと例に挙げました。
一定の人々の「何か貢献しているわ」という感情を喚起させるつもりなのかな、と。
だがしかし、根本的には、ある意味原油のゴミの有効活用みたいなところがあるプラスチックを捨てるとしたら、そのゴミこそ無益なゴミになっちゃう。
そういえば、その昔の、割りばしはいけません運動みたいなのと似たものがある。割りばしと熱帯雨林が結び付けられたイメージ連関が何か強烈な役割を果たしていた。
熱帯雨林を切り倒して割りばし作ってるわけではなく、むしろ間伐材を使って割りばし作ってるんだから木材の有効活用なんですよと言っても言っても、割りばしを使うなんて無駄だ、もったいない、環境を考えてない云々と「Myはし」なるものを持ち歩いている人が長くみられた。食中毒になるからやめた方がいいと思うのだが、と私は思ったものだった。
また、現実的には、レジ袋だの使い捨てスプーンをなくそうが、有料化しようが、その代わりに高価な素材を使った、つまりあまりもの素材よりもっといい素材を化石燃料を材料に作ったおしゃれな「エコバック」を氾濫させたら、資源をより多く使う。そして、これらのモノはいつか処分することとなり、それらはポリエチレンを処理するよりエネルギーもコストもかかる。
また、進次郎は、新しい住宅に太陽光パネルを必ずつけるような措置を考えてるらしいけど、このパネルも化石燃料なしにはできないでしょ? それを大量に作ったら何十年か後にはそのゴミの処理が問題になるのは明白。
つまり、いろいろやるけど、資源的にはむしろ多くの資源を使い、処分を後回しにするような政策を取っていると言っていいのじゃなかろうか。だがしかし、気分としては、リサイクルだの循環型社会だのに貢献しているような気になる。
フリース素材の服きて、新素材のスニーカー履いて、手にはこれまた石油化学製品の結晶みたいなスマホ持って、コンビニでプラスチック容器に入ったお弁当食べるけど、ペットボトルはいけないわとマイ水筒とかいってペットボトルの何十倍もの資源を使った水筒持って、エコを唱えるのがトレンディーってやつ。
そのうち、自分んちの鍋もっていってお豆腐買ったり、瓶もっていってお醤油買ったりするのが人の道とか言われるのかしら。
■ 失敗してるけど支配してる
冗談としか思えないわけだけど、なんでこんなことをしているのかというと、現在のフェーズでは、支配の問題だと思うな。
この30年のエコ問題、環境問題という名でいろんなことをしてたわけだけど、それらはすべて実のところエネルギーと地政学問題だったんだと思う。そして、the Westリーダー層が90年代に描いた図は紆余曲折あったが結局ほぼ崩れ落ちた。
何度かやり直すチャンスはあったのに突っ切ってここまで来てしまったので、今更、いや実は温暖化と人為説なんて本当じゃないんです、とはいえず、むしろ逆に、グレタを出してきて大規模キャンペーンを張って、それによって投資先を限定させるという金融支配と人々の意見の指向性の制御のために使うことにした、みたいな感じが現状でしょう。
どうするんでしょうか。
どうにもこうにも、こういう政治家を上にあげちゃってる限り合理的で妥当な意見が向こうから来ることはないんだから、各種業界、関係者が頑張っておかしいところはおかしいと主張して、国民がそれを支持していく、といったことぐらいしかやれることはないと思う。気を確かにもとう!
引き続き、ガソリン車と石油ストーブを手放さないと決意し、あと最近は、徹底的に行政の文書は紙でくれと粘ろうかな、とかも思ってる。電子処理は、もちろんモノは使いようなのだが、現行では、平等性を損なう恰好のツールになると考えてるから。
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罠にはまったどころではないと思うのだが
二酸化炭素を悪者扱いした為に電力不足を招き、ギリギリの所で踏み止まれたのは旧式の石炭火力発電所を稼働させたからだというのをもう忘れたのでしょうか?
今年の事でしょうに。
自然エネルギーも悪いとまでは言わないけれど、安定供給や国防の観点からも、燃料の輸入先と同じくエネルギー原もできるだけ多く確保すべきでしょう。
そう言えば中国では大規模なゴミ発電をやる計画があるとか何かで見た気がするのですが、その方が遥かに生産的だと思います。
何でも中国のゴミは水分と灰が多く燃焼効率も悪いので外国製では問題が多いので自国で開発するのだとか。
何億トンものゴミだから一大産業になる上に、いずれ輸出するつもりでしょう。
一方で日本は二酸化炭素に拘ってバイオマス発電用のパーム椰子殻とかいうゴミをワザワザおカネを払って(石油を使って・笑)輸入しているという間抜けぶり。大きく損をしてるよ。