安倍ちゃんはペルーでオバマにあってもらえなかったらしい。というか、オバマは安倍ちゃんを嫌いだと誰でも知ってるという気もする。あはは。
一方、プーチンとオバマはちょこっと会談していた模様で、その後プーチンはオバマに長く一緒に仕事をしたことに感謝した、と語っていた。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/33/38/55506dab2b66d149126754f347468782.jpg)
Putin thanks Obama for years of joint work, invites him to visit Russia
Russian Politics & Diplomacy
November 21, 2:58 UTC+3
http://tass.com/politics/913591
タスに出ていたプーチンの発言は、
オバマ大統領と私は、両国間の対話は複雑だったし、時には互いに一緒に仕事をするのが難しいこともあったが、二人とも常に互いの立場を尊重してきた。
オバマ大統領には私は長い間一緒に仕事できたことを感謝し、もし彼がそうできると思ったら、あるいはその必要がある、そうしたいと思ったら、私たちはロシアで会えることを嬉しく思うだろうと伝えた。
だそうです。
外交的な文言ではあるけど、でも、私はこれは本心だろうと思いますね。
オバマ政権下のアメリカとロシアは非常に困難な状況を作り上げたことも間違いはないんだけど、でも、この二人は一つ大きなことをやってますよね。
それはイランの核合意。
これをネオコンというかある種の西側のグループのアジェンダから取り上げることができたのは、オバマの成果だと言われるだろうけど、プーチンとラブロフがいなかったらできなかったし、ロシアの協力なしにはできていない。
これはなかなかできることじゃない。で、これは戦前からずっと懸案だったことだろうと思うんですよね。戦後になってもクーデターがあったりなんだりかんだり非常に不可解かつ複雑な問題を抱えているのがイラン。
で、ともあれあの核合意があって、その後に、私が再々、これこそ2014年で一番大きな出来事だと騒いでいたあれ、
が来る、と。
このへんはここでまとめていたのでついでにリンク。
そして、カスピ海は俺らの海である宣言が来なければ、ロシア軍による
というわけで、オバマは公式になんといおうと、どんな説明が主要メディアからなされようと、実行において、このへんの地域を安定化させようという考えがある人だったってことだと思うんですよね。イランのローハニさんとも仲がいいんだしね。
ということで、
基本的に国際間の条約だから大統領が変わってもすぐに何かできるという形ではなくなっているけど、でも米は議会も共和党優位になったので議会の権限でできる分はひっくり返される可能性がある。共和党はネオコン、ウォールトリートリパブリカンも軍産も、そしてトランプの支持基盤である福音派も全部、イラン合意に反対。
だから、オバマは大統領権限できる部分と、民間の部分でできそうなところ等々を推進していこうということなんでしょう。
ウォールストリートジャーナル紙の報道によれば、多くの米国企業にイラン市場への事業進出を許可するライセンスを与え、将来、一連の対イラン制裁を解除することが計画されている。
■ 上海協力機構 vs NATO
さらに、ロシア+中国がおそらく上海協力機構でイランを囲い込むのかな、と一応そう思ってみてる。現在のイランのステータスはオブザーバー。
さらにさらに、もしどうしてもNATOが自分たちだけが唯一許された強盗組織みたいな態度を変えないなら、この上海協力機構をもっと公式のものにしていくのであろうと思う。既に様々なところで活動はしてるから、残りは国連が公式の機構として認めるか否かなのだが、しかし、現在のところ米がこの機構を絶対に国連と関わらせないと踏ん張ってる。
ある種、IMFに関する話にもちょっと似てるかも。
要するに、過去25年、ソ連がいなくなってみんな地域ごとに安全保障をとか、いやいやもう大きな戦争はないのだとか言ってたけど、現実には、US/NATOだけが唯一合法の犯罪組織(笑)みたいな体制ができちゃった。これがいかんかった、ってことだと思うわけです。で、これを推進してた側を現在駆除してます、みたいな感じなんじゃないかと思う。
米軍は何の権利があってシリアにいるのだと誰も詰問できない現状は無法です。だからこれを何とかせな、という知恵が各国で共有されているとも言えるのかも。まぁ、全部の各国じゃないですが。
つまり、ソフトな冷戦体制を模索して牽制しあう、ってことが素案として提示されているのが現状だと思うんです。理由は、唯一合法の犯罪組織を野放しにするよりその方が安全だから。
しかし、それをぶちあげようとすると今度は現在EUに求心力がなくなっていることから東欧あたりが崩れていきそうな気配もあって、そうなるとやっぱりNATOの見直し、みたいになるのかなとも思う。
しばらくかかるでしょう。
このへんでまとめた通り。
一部でささやかれている、ロシアとアメリカの大統領が歩み寄ったら平和になる、みたいな話は、私は、ロシアも中国も信じないと思います。特にロシアはもう永遠に信じないでしょう。騙されたわけですから。従って、ロシアはバランスオブパワー以上のことを求めない、承服しないと思います。
NATO東方拡大問題というのがどれほど、ロシアにとってだけでなくアメリカにとっても危険あったか、改めてそう思います。結果的に自分を無法者にしたんですから。
■ オマケ1
「逝きし世の面影」さんが、「顔も見たくない安倍晋三(視線を合わさないバラク・オバマ)」というエントリーをあげてらした。
ホントに目もあわせないって感じだったのだと知る。でも、これは別にトランプに先に会いに行ったからというだけではないでしょう。
■ オマケ2
で、安倍ちゃんたちがオバマたちに毛嫌いされている理由は、結局、軍産複合体とイスラエル右派にからまってNATOを世界規模にしよー!という側に日本政府はいたから、じゃないでしょうか。
で、オバマも次のトランプも、そして大多数のアメリカ国民もこの動きはヤバいと思って止めに入ってる、と。トランプは冷戦後のアメリカは戦略を誤ったと言っている人ですからね。
このスピーチは重要。
(トランプ氏の外交方針演説)
■ 蛇足:なんでファーストネームで呼ぶんだろう?
今思いついた疑問じゃないんだけど、安倍ちゃんはなんでプーチンを「ウラジーミル」と呼び続けるんだろう?
プーチンは、他国の首長に対しては必ず肩書で呼んでますよ。クレムリンのサイトのスクリプトで下の名前で呼び合うのなんて見たことがない。
そもそも「ウラジーミル」と呼び合う習慣はロシア的でさえないのでは? ニックネームならボバン(だっけか?)とかだろうし、あと一般国民はウラジーミル・ウラジロビッチとか呼んでますよね。それ以外の人はみんな、大統領、と呼びかけるのが普通ではなかろうか。
また、ハンガリーのオルバン首相は去年あたりのインタビューで、下の名前で呼び合うのは西側の首脳ではよくあり、個人的に親しくなろうとするが、ロシアではそれはない。ロシア政府の人は個人として話しているのではないという態度が非常に強い、彼らはロシアとして話をするのだ、みたいなことを言っていた。
私もその観察に賛成。ドイツ系とスラブ系に挟まれたハンガリーならではのちゃんとした観察だと思いますね。
にもかかわらず安倍ちゃんはニックネームでさえない名前で呼び続け、結果的にプーチンも折れたのか、めんどくせーなのか、「シンゾー」とか呼んでるみたいだけど、これってもはや「奇怪な現象」って感じ。日本の習慣にもないのにね。シンゾーの日本は気持ちが悪いと私は思う。
意味わかんねー、って感じでしょうね。